グーグル社員の生産性やモチベーションを高める 15 の取り組みまとめ

コミュニケーション
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世界のトップカンパニーであるグーグルは、「社員が選ぶ働きたい会社ランキング」(米転職サイトglassdoor)でマッキンゼーやアップルを抑え、2015年には第1位、2017年も第4位と高いランクを維持しています。

まずはグーグルがどんなことをやっているのか、成功のメカニズムを読み取りましょう。
この記事では、グーグルが行っている社内制度などの取り組みをまとめました。なるべく信頼性の高い一次情報に近いものを載せています。(英語サイトを含みます)
また、念のためグーグル社員にもインタビューを実施し、できる限り信頼性の高いものを集めていきました。

グーグルの考え方と取り組みがわかり、ご自身で活用できるアイディアが見つかると思います。
ぜひ参考にしてみてください。

グーグルの取り組みまとめ

1. 組織・優先度・信頼・リーダーシップの融合が高い生産性を生み出す

Why Employees at Apple and Google are More Productive” FAST COMPANY, March 13, 2017
コンサルティング会社のベインアンドカンパニーによると、アップル、ネットフリックス、グーグルやデルといった会社は、平均より40%も生産性が高いということがわかりました。
高い技術を持った社員が集まっているのだから必然的だと思われるかもしれませんが、社内にいる「できる社員」の割合は平均が15%で、グーグルなどのトップカンパニーは16%とあまり差はないということです。できる社員の数は変わらない中で、トップカンパニーは戦略的な人材配置を行うことで、個々人よりもチームとしてのパフォーマンスを高めています。

 

2.「最高のチーム」を作るためには「心理的安全性」が必要

What Google Learned from Its Quest to Build the Perfect Team” The New York Times, February 25, 2016
グーグルが2012年に「プロジェクト・アリストテレス」を実施し、成功するチーム作りの秘訣は何なのかを調査しました。社内で数百あるチームの中で、うまくいっているところとそうでないところの差が何かを突き止めるためでした。
様々な分析を行いわかったことは、チームメンバーの一部が一方的に意見を言うのではなく、チーム全員が同じくらい発言できているチームの方が成功しているということでした。つまり、「自分がチームの中で発言しても、誰も批判せず辱めないで聞いてくれる」という「Psychological safety(心理的安全性)」があるかどうかがチーム成功の鍵だということがわかりました。

 

3. 社員に提供する無料の食事は「コミュニケーション活発化」のため

The Real Reason Google Serves All That Free Food” Forbes, JULY 2, 2015
グーグルが無料の食事を社員に提供する意図は、社員同士の活発なコミュニケーションのためだといいます。デスクから離れて普段近くにいない別部署の人とも交流ができ人脈を広げることができます。

 

4. グーグルでは業務時間の20%を担当業務以外に充てられる

米Googleの「20%ルール」がGmailやGoogleマップを生み出せた心理学的な理由とは?」Nikkei BP net, 2015年3月4日
グーグルでは、業務時間の20%を自分の担当業務以外のことに費やすことを許していて、これが20%ルールというものです。日常の業務から離れてイノベーティブなアイディアを創出することを目的とし、実際にGメールやグーグルトークなどの成功したプロダクトを生み出しました。

 

5. 社員のモチベーションを上げるための福利厚生制度など

The Google Way of Motivating Employees” CLEVERISM, SEPTEMBER 25, 2014
グーグルは社員のモチベーションアップのために様々な制度を導入しています。
<福利厚生>手厚い出産給付、洗車やジム、クリーニングなどの充実の設備、無料の食事など
<社内コミュニケーション>社員の質問に毎週答えるフォーラム、定期的な社内アンケート実施など
<就業規則>会社への出社はマストではなく、服装も自由など

 

6. 1人あたり15〜25回も面接を行うなど慎重に採用活動を行っている

WORK RULES! (ワーク・ルールズ)”(2015年)
workrules
グーグル人事部門トップの方が、どのような基準で社員を採用し評価しモチベーションを上げているか方法を書いた本です。採用活動において現社員からの紹介制度を設けたり、報酬は不公平でいいと考え同じ仕事でも4倍差をつけたりといった具体的な取り組みが書かれています。

 

7. 起業しようとしている人の事業計画は100%間違っている!?

How Google Works(私たちの働き方とマネジメント)
howgoogleworks
グーグルの元CEOが経営者目線で事業戦略の立て方、採用の進め方、意思決定までのプロセスなどをまとめています。「メールはすぐに返信する」、「人材採用の面接は30分以内にする」や、取締役会や取材対応コミュニケーションルールなど、具体的な内容が多くすぐに実践しやすい方法が書かれています。

 

8. グーグルが都市を作る!?

If Google built a city, it might look like this” Business Insider, April 28, 2016
グーグルの親会社であるアルファベット社は、都市生活の改善のためアメリカに自動運転車や公共WiFiを配備させたスマートシティを作ると発表しました。

 

9. 創業者が伝える、夢を叶える方法は「クレイジーになる」こと

Larry Page’s University of Michigan commencement address” (2009)
グーグル創業者であるラリー・ペイジが母校で行った卒業スピーチで検索エンジンを作った経緯を話しました。「わくわくすることに取り組むことが世界を変える」と、夢を現実したアプローチ方法を伝えています。

 

10. グーグルはユーザーを第一に考えている

Google が掲げる 10 の事実」Google
グーグルが会社設立から数年後に発表された考え方で、常に見直しをかけているようです。常にこの10の考え方を元に行動するように徹底されています。

 

11. 生産性の高いグーグル社員はメールを送らない

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか」(2017)
意外なことにグーグル社員は、作成するのに手間がかかるなどの理由でメールをできるだけ使わないようです。仕事を効率化するために社員がどんなことをやっているのか、具体的な方法が書かれているのですぐに明日から実行できる情報が満載です。

 

12. カフェやマイクロキッチンでコミュニケーション活発化

Googleの福利厚生” Google人材採用ページ
「幅広くセレクトされたカフェやマイクロ キッチンでは栄養バランスの良い食事や軽食を提供」と書いてあるが、実際にGoogle日本本社に行ってみるとかなり充実しているのがわかります。カフェでは、ビュッフェスタイルの昼食と夕食が毎日無料で振る舞われ、コーヒースタンドにはバリスタが淹れるコーヒーが飲めます。またマイクロキッチンと呼ばれる、椅子が設置された簡単な軽食コーナーも、1フロアだけで4つもありました。社員はマイクロキッチンで朝食が取れるので、外食する必要がないそうです。
会社で健康的な食事を取れるという利点もありますが、こういったカフェスペースでの他部署含めたコミュニケーションの活発化も利点の一つのようです。

マイクロキッチン(軽食スペース)
マイクロキッチン

13. 積極的に社内の声を拾い上げている

グーグルCEOは社員6万人の声を聞いている」東洋経済オンライン(2015)
グーグルではTGIF(Thanks God It’s Friday)という全社ミーティングが毎週金曜の夕方にあり、アメリカ本社ではCEOも参加するようです。軽食やお酒などの飲み物もあり、カジュアルに他部署の人たちともコミュニケーションをとることができます。上記5「グーグルが行う社員のモチベーションを上げるための福利厚生制度など」で、「定期的に社内アンケートをとる」とありますが、アンケート結果を踏まえてTGIFで社員の生の声を拾い上げることもしているそうです。

 

14. スタンディングデスクで業務効率化を図る

We Tested Standing Desks—Here’s Proof They Make You More Productive」readwrite, September 26, 2013
日本でも「楽天」がスタンディングデスクを導入して話題を呼びましたが、グーグルでも社員の健康のためや業務効率化のためにスタンディングデスクが活用されています。
グーグル社員によると、社員の机は昇降調節できるもので、集中したい時はスタンディングデスクにして作業ができるそう。また、一部会議室にもスタンディングデスクが設置されており、会議の内容を迅速に、かつクリエイティブにするのに役立っているそうです。

 

15. 会議は基本30分間で終わらせる

グーグル式「30分会議」時間内に結論&議事録完成」President Online, 2013年9月16日

30分で会議を終わらせることを基本としているため、1時間以上のミーティングはしないようにしているとのことです。社員は1時間以上の予定をグーグルカレンダーで設定しないように意識しているようです。
また、会議内で疑問が出てきらたら次回の宿題とするのではなく、専門家に「5分だけください」などと言って会議に参加させて話を聞き、その場で解を得るように徹底しているといいます。

 

まとめ

グーグルがどんな制度を導入しているかの理解を深めるための参考になればと思い、できる限り信頼性の高い情報を収集しました。
もしここに掲載されていないものがあればぜひ教えてください。
また、あなたの会社で取り入れられる内容はぜひ実施してみてください。