在宅勤務:自宅で仕事をする人々が語る行動と習慣の変化

  • 0
  • 0
  • 0
  • 0

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行から 数週間、Dropbox のチームも在宅勤務を余儀なくされ、社員はそれぞれの場所で別々に業務にあたっています。今回の件では、短期間で何もかもが変わってしまいました。

実際に集まって顔を合わせることはできませんが、自分たちにできる最善のことは何かをこれから学んでいかなければなりません。いつ終わるともしれないリモート ワークという難題に Dropbox のチームがどう対応しているかを探るべく、私たちは社員に連絡を取りました。

新シリーズ「在宅勤務」の第一弾となる今回は、リモート ワークによって「就業時間」の定義がどのように変わったか、通勤が不要になったことで自由な時間が増えたのか、単に仕事の時間が長くなっただけなのかを見ていきます。

  1. 家庭と仕事の境界があいまいに
  2. 疲れているときほど、仕事を切り上げるのが難しい
  3. 仕事の時間が終わったことをツールで知らせる
  4. 子育て中の共働きはサバイバル モード
  5. 通勤時間を、睡眠時間や家族と過ごす時間に変え

1. 家庭と仕事の境界があいまいに

Dropbox でプロダクトおよびパートナーシップ コミュニケーション部門担当ディレクターを務めるステイシー・スティーブンズ・ジョンソンによると、自身が率いるチームは、業界の最新動向とその中で Dropbox が果たす役割について、社内外の関係者に正しい情報を提供するために 24 時間体制で動いているそうです。

これまでのルールは通用しません。ただ、新しいやり方に慣れていけば、1 日の中に少し余裕ができるのではと思っています。

今のところは、毎日同じ時間に仕事を始めていても、終わるのはどうしても以前より遅くなってしまいます。

ジョンソンは、夕方になっても仕事を終えているメンバーが周りにいないことに気づきました。そのため、終業時間になってもわからないことがよくあるそうです。

また Slack の活用もとても多く、頻繁にメッセージを受け取るので、返事をせずに放っておくことができません。休憩時間の境目が曖昧になっていると感じます。予定表に勤務時間を設定してあるので、今後はそれをきちんと守れるようにしたいと思っています。

ジョンソンは、在宅勤務の良い点は、娘と過ごす時間が少し増えたことだと言っています。

娘は私にとって、『かわいい心の拠り所』です。娘と一緒に遊ぶ時間を 5 分でも持てるようになったのは、本当によかったです。

子育てしながらフルタイム勤務をこなすのは想像以上に大変なことですが、コロナウイルスが拡大する前は、娘のことを気にしながら職場に向かっていました。今は 1 日中娘の顔を見て声を聞けることが本当に嬉しいです。

2. 疲れているときほど、仕事を切り上げるのが難しい

Dropbox の製品アナリストであるケイト・ソコリナは、夜になって Slack とメールをオフにするのが難しいと答えています。

オフィスで仕事していたときは、仕事が終わると同時にスマートフォンとパソコンのすべてからログアウトしていました。でも今は、その線引きがなかなかできません。仕事が終わった後、ちょっと疲れたなと思ってパソコンを立ち上げたまま SNS をしばらく楽しんでいると、その流れで急ぎでもないメッセージまでチェックしてしまいます。

仕事には、たとえ疲れているときや十分に休めないときでも、生産的になれること、やりがいを感じられることが必ずあります。ですから、仕事が終わったら絶対にメッセージのチェックをしないことが大切です。そうしないと翌日に疲れを持ち越してしまいます。パズルや本、ビデオ ゲーム、レシピ本をどっさり買い込んで、『疲れたときに楽しむこと』リストを作りました。夜は仕事はやめて、代わりにできることのアイデアをたくさん書き留めています。このリストはとても役立っています。書き留めたことは必ず 1 度はやってみるつもりです。

3. 仕事の時間が終わったことをツールで知らせる

Dropbox の HR プロジェクト マネージャー、ジョー・トパスナは意図的に、普段の勤務と同じように規則的な 1 日を過ごしているそうです。

とは言え、朝の通勤ラッシュがなくなったので、仕事の開始時間は以前よりも安定するようになりました。

Google カレンダーの業務時間の設定機能を使って、私が勤務中かどうかをチーム メンバーがわかるようにしています。私のチームでは、他のメンバーの予定と勤務時間を尊重することが当然なので、『勤務時間』を守ることができます。就業時間に始まりと終わりがあることを、全員が互いに理解しています。

4. 子育て中の共働きはサバイバル モード

人事および戦略オペレーションを担当するケイト・クルイゼンガは、在宅勤務によって時間的余裕が生まれ、時間の融通が利くようになる人もいる半面、子育て中の社員の場合は、保育所や託児サービスを利用できないと仕事を掛け持ちしているような状況になると指摘しています。

私は以前、週に 2 日ほど在宅勤務をしていました。そのときは、他の人もリモート ワークを実践し、多様な働き方があること、会議以外の場でも意見を交換するやり方があることを示しているのを見て、すばらしいことだと思っていました。在宅勤務には、間違いなく多くのメリットがあります。でも今のような状況では、在宅勤務を工夫を凝らした将来性のあるすばらしい方法だと手放しで歓迎することはできません。

子育て中の共働き夫婦は、かなりの負担を強いられます。家で仕事していなくても子育てに終わりはないのに、仕事しながら子どもの世話をしなければならないのですから」とクルイゼンガは言います。「ゆっくりできる時間はありません。朝 6 時から深夜まで、仕事と子育てに追われています。私たちの状況はサバイバル モードです。絶対必要なこと以外に、何かをする余裕はありません。疲れすぎていて創造力を発揮することができません。Zoom ミーティングを行うときは、使い方のヒントで紹介されていたバーチャル背景を使って、子どもがめちゃくちゃにした室内が映らないようにしています。

クルイゼンガは、在宅勤務は最終的には柔軟な働き方を可能にするけれども、特に子育て中の親の場合、仕事とプライベートの境界が簡単にあいまいになるのは避けられないと言っています。

大切なのは、夫婦で互いに手間を分担できる方法を探ることです。疲労が重なって精神的に参ってしまうと、とんでもない失敗やミスにつながるからね、と互いに言い聞かせています。

もし子育て中でなければ、世界的なパンデミックの中での在宅勤務はそれほど大きな問題にはならないでしょう。家族の健康を守ることができ、2 つの収入源があり、しばらくの間柔軟な方法で働けるのですから。それだけなら、むしろありがたいことです。

5. 通勤時間を、睡眠時間や家族と過ごす時間に変える

通勤時間は、平均すると片道 1 時間くらいです。在宅勤務で朝の通勤がなくなったので、睡眠時間を 30 分増やし、残りの 30 分で朝食をつくっています。夜は決まって 1 時間ほどかけて、友人や家族とビデオ チャットをしています。

と、トパスナは語っています。

ジョンソンは、次のように述べています。

毎朝、家族と一緒にコーヒーと朝食を楽しみ、ちょっとした空き時間には娘と遊んでいます。あわただしく朝の支度を済ませて会社に向かうのではなく、ゆったり時間を過ごせるのが嬉しいです。

通勤時間にウォーキングを組み込んでいたソコリナは、次のように語っています。

今も毎日外に出て近所を散歩しています。睡眠時間は 1 時間多くなりました。

「在宅勤務」シリーズのパート 2 では、仕事とプライベートの分け方についてのインタビューをお届けします。どうぞお楽しみに。