砂糖と脳の関係:間食の種類が創造性に与える影響

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仕事をしているとお菓子やクッキーなど間食をしたくなりませんか。いっときの欲求は満たせるかもしれませんが、砂糖は脳にとってはそうでもないかもしれません。お菓子を食べた後は、必ずその反動でイライラしたり、ストレスを感じたり、頭がぼーっとする感覚が残ったりします。そのお菓子をもう 1 個つまむ前に、これからお伝えするヒントを思い出してください。甘い誘惑に抵抗し、一日中創造力が活発に働くようなおやつを選びましょう。

糖質は脳の栄養になる

私たちの脳の主な栄養源は、炭水化物が豊富な食品から吸収される糖質です。糖質は集中力を維持するためのエネルギー源であると言えます。糖質によって脳にうまくエネルギーを供給することが、問題解決や学習、記憶能力を高めることにもつながります。栄養学者であるレスリー・ベック氏は、次のように述べています。

「糖質は、脳と体全体に情報を伝達する脳内化学物質である神経伝達物質を合成するためにも必要です。糖質が不足すると、脳細胞間のコミュニケーションが損なわれてしまいます。」

すべてのエネルギーが平等に生成されるわけではない

休憩室でつまむチョコチップ クッキーには炭水化物がたくさん含まれていますが、ヨーグルト 1 つやブルーベリーに含まれる炭水化物ほど持続的なエネルギーを脳に供給するものはありません。焼き菓子など GI 値の高い食品を食べると、血液中の糖質が急激に増え、いち早く体のエネルギーになります。

しかしその後、血糖値は急激に低下し、その結果頭がぼんやりして、記憶力が低下します。そして、すぐにまた空腹を感じるようになり、ますます集中しにくくなります。

脳のエネルギーを長期的に維持するには、果物、野菜、全粒穀物など GI 値の低い炭水化物を摂取することです。これらの食品に含まれる糖質は体内にゆっくり吸収されるため、脳に安定したエネルギーを供給します。GI 値の高いお菓子を食べることで起こる血糖値が大きく変動することがなくなれば、頭はすっきりし、精神的に集中できます。

それだけではクッキー缶を果物の盛り合わせに変えるモチベーションにはならない、という方には、こんな情報はどうでしょう。健康心理学の学術誌である「British Journal of Health Psychology」に掲載された論文によると、果物や野菜をたくさん食べた被験者のほうが幸福感が強く、職場での創造性も高いそうです。カナダの新聞「The Globe and Mail」には、この研究について次のような記事が掲載されました。

「研究者らは、果物や野菜に含まれるビタミンや抗酸化物質、炭水化物により、気分、行動、認知に関与する神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの脳内生成量が増加すると推測しています。」

タンパク質と脂質、多数のビタミンやミネラルも、脳にエネルギーを供給し、神経伝達物質を合成し、フリーラジカルによる損傷を防ぐという大切な役割を果たしています。ワシントン・ポスト紙では、心の栄養になる軽食として本当に体に良いのは、緩やかに吸収される炭水化物、赤身の肉、卵、ナッツなどのタンパク質、アボカドなどの良質の脂肪を組み合わせたものだと読者にアドバイスしています。たとえば、人参とフムス、リンゴとアーモンド バター、サーモンと全粒粉のクラッカーなどが優れた組み合わせです。

オフィスの甘い誘惑に勝つ方法

私たちは毎日さまざまな意思決定を下していますが、それだけで私たちの意志の力は尽きてしまい、キャンディやチョコレートの誘惑に抗うことができなくなってしまいます。このような罠に掛からないで、より健康で生産性の高い状態を作るために一緒に戦いましょう。

1. 「してはならないこと」の代わりに「実行すること」を決める

まず防衛計画を立てましょう。食べ過ぎは良くないと自分に言い聞かせるだけでは足りません。実は、お菓子を食べてはいけないと意識するほど、食べてしまう可能性が高くなるのです。オランダの研究者らによると、「してはならないこと」を計画すると、「皮肉なリバウンド効果」が発生して、逆に禁止された行動を取ってしまうそうです。

お菓子の誘惑に負けてしまう前に、「してはならないこと」の代わりに「実行すること」を決めておきましょう(リンゴを食べる、短時間でも散歩をする、同僚と雑談するなど)。具体的な行動計画を準備していれば、誘惑を回避する可能性が 2 ~ 3 倍に高まるという研究結果があります。

2. 脳のエネルギーになる食品を目の前に置く

手元には脳のエネルギー源となる食品を置いておきましょう。人間は、目の前に食べ物が置かれ、簡単に手が届くのであれば、それを食べてしまうものなのです。これはジャンク フードに特に当てはまります。菓子の消費量に近接性と視認性が与える影響を調べた研究では、チョコレートを透明な皿に盛った場合、中が見えない容器に入れた場合よりも 2.5 倍多く摂取されました。また、皿を被験者のデスクの上の手が届く範囲に移動したところ、1 日に食べるチョコレートが 2.1 個増加しました。

であれば、「お菓子を見えないところに置いてくれ」と頼めばよいように思えるかもしれませんが、残念ながらそれは必ずしも現実的とは言えません。それよりも、新鮮な果物やミックス ナッツなど、創造力を高める食品を自分のデスクに常備することで、オフィスのあちこちに仕掛けられた、甘い誘惑の地雷を踏まないようにするほうが現実的です。

3. 定期的に間食する

定期的に間食することも重要です。締め切りのプレッシャーがあったり、過酷な勤務が続いたりすると、間食どころか 1 食丸ごと抜いてしまうこともあります。食事をしなければ時間の節約になるように思えますが、最終的には認知機能が損なわれ、生産性が低下してしまいます。血糖値を一定レベルに維持し、脳にフル回転してもらうためには、少なくとも 3 時間おきに何か食べるようにしましょう。

創造性を高める 3 つのおやつ

糖分によって誘発される食後の眠気を避けたい場合、代わりに何を食べたら良いでしょうか。ここで、やる気がどんどん高まる、甘いお菓子の代わりに摂取すべき食品を 3 種類ご紹介します。

1. ブルーベリー

創造力を高める必要があったら、ブルーベリーを試してみてください。色の濃い野菜や果物はどれも脳にとって良いものですが、ブルーベリーはその中でもトップ クラスです。この小さな果物の中には、フラボノイド系ファイトケミカルが詰まっていて、脳細胞が受け取ったメッセージに効果的に反応できるようにし、新しい神経細胞の成長も促進します。ブルーベリーには抗酸化作用もあり、フリーラジカルによる損傷を防ぎ、脳を若々しく保ちます。一部の研究では、ブルーベリーは、加齢に伴う記憶力の減退を防ぐ効果もあることが示唆されています。ある研究によると、老齢のラットに 2 か月間ブルーベリー エキスを摂取させたところ、青年期のような記憶力と運動能力が復活しました。

2. クルミ

脳の形に似たこのナッツには、他のナッツと同様に、良質な必須アミノ酸チロシンが豊富に含まれています。チロシンは脳のドーパミン生成を促します。ドーパミンは、学習、やる気、創造性に大切な役割を果たす神経伝達物質です。

UCLA の研究者らは、1 日にひとつかみのクルミを食べることで、記憶力、集中力、情報処理速度が改善されることを発見しました。認知機能の向上は、ナッツに含まれる多数のビタミンとミネラルに加えて、そこに含まれる抗酸化物質とα-リノレン酸(植物由来のオメガ 3 脂肪酸)の効果によるものだと考えられます。

3. ダーク チョコレート

甘いものを一切断つには、人生は短すぎます。何事も節度が重要ですが、ダーク チョコレートには少し口にしても罪悪感を抱かなくて済む特徴がいくつもあります。チョコレートのメリットに関するある研究によると、ココア パウダーとダーク チョコレートには、さまざまな果物の粉末やジュースと同じかそれ以上の抗酸化作用があります。

ダーク チョコレートに含まれるフラバノール(抗酸化フラボノイド)は、脳への血流増加と認知機能の改善に効果的であると言われています。またダーク チョコレートには、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンに加えて、カフェインなどの複数の刺激物質も含まれます。チョコレートを食べると気分が良くなり、脳の働きが向上するのはこうした理由によります。

覚えておきたいこと:カカオ含有量が増えるほど、健康面のメリットは増加します。カカオ含有量が 70% 以上のダーク チョコレートを食べるようにしましょう。

最後に

取引先からいただいたお土産やオフィスにおいてあるおやつが、どれほど可愛くクリエィティブな見た目であっても、みなさんの想像力を損なってしまいます。血糖値の変動は脳のエネルギーを奪い、体に悪影響を及ぼします。来年に向けても少しだけ健康を気遣って、こうしたお菓子をうまくやり過ごし、その代わりに実際に脳が幸せと喜びを感じられるようなおやつを選ぶようにしましょう。

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