Dropbox Paper のエンジニアが語る、共同作業ツールの改革と未来

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※本記事はmediumに掲載されたDropboxのソフトウェア エンジニア兼テクニカル リーダーのジャスティン・ハイルマンによる記事を和訳したものです。

ゼロから何かを作り出すのは、すばらしい挑戦です。しかし、まっさらなシートを目の前にすると気持ちが怯むこともあるでしょう。それは、あなたに想像力がないからではありません。ツールの問題です。適切な方向にツールが最適化されていないため、ユーザーはどうすればうまくいくのかわからなくなるのです。

良いコンテンツ作りの足を引っ張るような共同作業ツールが多いのはなぜなのか。Presentate を共同設立して以来、私は常にこの疑問に直面してきました。今は Dropbox の一員として、ユーザーが違う国にいてもアイデアを出しあいがながら共同作業ができる機能の開発に取り組んでいます。これまでの経験でわかったのは、ユーザーが何かを作成したりチームが共同作業をしたりするための手段に同調するソリューションがほとんどないということです。ときには、ツール自体が製作プロセスの妨げとなることさえあります。今こそ共同作業ツールを改革すべき時です。

コラボレーションに適した共同編集ツールの改革

遂行しているタスク向けに開発されていない編集ツールを無理やり使うこと、数十年。ユーザーはその使用に慣らされました。基本的に、ほとんどのツールがレターサイズで印刷するドキュメントを想定して設計されています。しかし、そのサイズが必要な人が現在どのくらいいるでしょうか。

この技術を進化させる試みも行われてきましたが、だいたい中身はそのままで、次世代のメディア、ウェブ、モバイル デバイスに移行しているだけです。たとえば、プレゼンテーション用ソフトウェアの場合、その表示形式は、35 mm スライドを使用していた昔の投影機器の頃のままです。しかし、今日のデバイスは形状もサイズも多岐にわたっています。あなたが作成した資料を、閲覧者は異なる縦横比の異なる画面で見ている可能性があります。カローセル型スライド映写機を知らない人が増えているこの時代に、新しいソフトウェアがなぜ昔ながらの方法に縛られなければならないのでしょう。

大切なのは、プレゼンテーション形式ではなく、アイデア

プレゼンテーションで重要なのは、伝えたいことを伝えることです。それにもかかわらず、プレゼンテーションを作成する多くの人が、必ずと言っていいほど最初にタイトル スライドに取り掛かり、何について説明するかも定まらないままタイトルに長い時間をかけています。なぜ多くのツールはアイデアの流れではなく、形式の決定から始める仕組みになっているのでしょうか。新しいプレゼンテーション資料を作成するとき、何に投影するかもわからない段階で縦横比を決めるのはナンセンスです。

プレゼンテーション資料を作成しようとすると、ツールが「何のテーマにしますか」「タイトルを入力してください」と催促してきます。しかし、話す内容が決まっていないのに、タイトルを決められるはずはありません。コンテンツが定まっていなければ、テーマもわかりません。そして、コンテンツが定まるのは、アウトラインを作成してからです。そういったことはすべて、伝えたい話を考えた後で最後に決定すべきことです。昔ながらのデザインの慣習に縛られるのはもう止めるべきだと言っているのは、このためです。

まず大量の白紙のスライドありきで、それに話すべきことをすべて入力していくようなやり方では、結局テキストの羅列で、アイデアを辿りにくい難解なプレゼンテーションとなるでしょう。コンテンツの見せ方について考えすぎると、プレゼンテーションは悪い方に進みます。しかし、アウトラインから始め、流れのあるストーリーをつくり、そのストーリーを使って補足スライドを作れば、認知心理学者が太鼓判を押すようなプレゼンテーション、つまり大量の箇条書きを用いなくても、明瞭でシンプルなスライドが完成するはずです。

見え方ではなく、アイデアの組み立てに重点を

私たちは、Dropbox Paper によって、これまでの常識を打ち破りたいと考えています。スタイルを気にする前に、ユーザーが内容に集中できるツールを届けたいと思っています。Paper では、ドキュメントを開いてすぐにデザインや形式を決める必要はありません。その代わり、実際に伝えたい内容を自由に考えてください。太字、斜体、箇条書きといったテキストの強調方法が数個しかなければ、強調の種類による曖昧さが消え、内容がより明白になります。つまり、テキストを強調する際、これは意見を求めるための強調か、必読の重要事項かといった混乱を招くことを懸念せずにすみます。制約を解き放つことができます。

Paper では、見出しに基づいて目次を作成できます。また、行全体を太字にすると、Paper はそれが重要な部分だと判断します。太字は重要な部分に適用されるため、Paper は太字のテキストを目次に入れて、それを見出しのように扱います。Paper のプレゼン モードでは、目次を使って、テキストを複数のスライドに分け、きれいに整理されたプレゼンテーションを作成できます。

基本的に Paper では、階層化された情報に基づいてユーザーが考えられるようになっています。コンテンツにセマンティックな意味を付けられます。また、良いアウトラインを作成できるのと同じように、その内容やその項目がそこにある理由をわかりやすくすることで、共有にふさわしいドキュメントを作成できます。良いコンテンツを作成すると、プレゼンテーションも良くなります。

ツールとの共同作業

Paper は複雑さを大幅に削ぎ落とすように設計されています。UI や一見立派な機能、あらゆることができるボタンがあるというのではありません。さまざまなニーズに対応し、見やすく、効率的に作業できるユーザー エクスペリエンスを提供します。でも、さまざまなことができても UI 上の表示が少ないとなれば、その機能を見つけられない、という懸念は確かにあります。しかし、一度 YouTube や Twitter のリンクを挿入してドキュメント内ですべて閲覧・再生できると、そのすばらしさがわかり、もっといろいろな機能を試したくなるはずです。Paper は、ユーザーの作業に対して「あれも、これも叶えるツール」です。使っているうちに、より良い Paper ドキュメントを作成できるようになります。

共同作業を妨げるものをなくすことが私の目標です。Paper を既存のツールより少しずつ良いものにしていくというつもりはありません。根本的に異なる革新的なツールにするつもりです。ファイルをバージョンごとに保存して、チームが問題なく繰り返し作業ができるようにしたいのです。これは、Dropbox がファイルの同期と保存の観点から取り組んでいることです。Paper によって、私たちは共同作業を劇的に変革するつもりです。アイデアの完成形を待つことなく、アイデアが生まれた段階から、チームがアイデアを共有できるようにしたいと思っています。それが共同作業の変革です。

ジャスティン・ハイルマンは、チームが自由にアイデアを出しあいながら同じページで共同作業を行える Dropbox Paper のソフトウェア エンジニア兼テクニカル リーダーです。詳しくは、dropbox.com/paper をご覧ください。

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