天気や風などの気象情報を組み合わせたスポーツの新しい楽しみ方を提案する、株式会社スポーツウェザー。以前は NAS で共有していたあらゆるファイルを Dropbox Business に移行。全国で行われるスポーツ大会の中継先でも必要なファイルを活用し、映像データをその場で同期しています。
三宅 誠 氏 (代表取締役 気象予報士)
株式会社スポーツウェザーは、ゴルフ、野球、競馬、ボート、ロードレースなどのスポーツ中継に気象情報を組み合わせたコンテンツを提供する、ユニークなベンチャー企業です。全国で行われるスポーツの会場で、天気、風速、風向などのデータを分析し、民放各局やインターネット ポータルなどへの情報を提供したり、自社の Web サイトでコンテンツを提供しています。
「ゴルフ中継で上空と地上の風量と風向を示す CG が表示されているのをご覧になったことがある方も多いと思いますが、風の流体解析は私たちが特許を持っている技術です。一般的な気象情報から上流と地上の風を読み取ることはできませんが、競技には大きく影響します。我々はさまざまなセンサーからデータを収集し、流体解析を行い、CAD を通して可視化するサービスを提供しています。」 (三宅氏)
風の可視化だけにとどまらず、株式会社スポーツウェザーでは競技データと気象データを組み合わせた分析も行っています。
気象データは特殊なセンサーから送信され、中継センターで分析や描画までの作業を実施。自社サイトへのコンテンツであれば、映像のアップロードも行っています。
中継先では、データ、映像、そしてセンサーや解析ソフトなどを使用する際の社内マニュアルなど、あらゆるファイルが必要になります。現場に大量の書類やハードディスクを持参することはできないので、中継先でも会社のパソコンと同じ情報を利用できるネットワーク ストレージは欠かせません。
中継先となるスポーツ会場は、国内にとどまらないため、海外に出張することも。また、中継放送に携わるうえで、会社のデータを利用できないためにコンテンツを提供できないということは、あってはならないことだと、三宅氏は語ります。
「以前は社内にサーバーを設置し、NAS に外部からアクセスしていました。しかし、安定感に欠けるところがあり、ディスクが破損してしまうトラブルがありました。中継先から利用している時ではなかったため、大事には至りませんでしたが、ミッション クリティカルな作業に対応できるシステムが必要だとこの時に実感しました。」 (三宅氏)
より信頼性が高く、アクセスの安定したネットワーク ストレージを探していた同社では、Dropbox Business を採用。クラウドに乗り換える途中でも NAS の障害が発生してしまい、データの抽出に苦労したにも関わらず、移行作業は自社内ですべてを賄っています。
「Dropbox は、特別なスキルや専門知識がなくても、データを移行したり、自社内のサーバーと同じようにユーザーが使いこなしたりできるところが、一番のメリットです。データ移行はすべて自分たちで行いましたし、特別なユーザー トレーニングを行うこともなく、各自で使いこなしています。」 (三宅氏)
Dropbox Business を採用したポイントは、コスト パフォーマンス、信頼性、そして、いつでも、どのデバイスからでも利用できる点にあった、と三宅氏は語ります。ゴルフ場であれば山へ、ボートレースであれば川の近くへ出張。スポーツ大会ではネットワークの不安定な場所に中継センターを設置することも少なくありません。このような中継先でも、業務を滞りなく遂行できる環境を維持することで、生産性を向上しています。
「中継先は日本全国にわたるため、スマートフォンなどのモバイル端末からアクセスすることがよくあります。センサーに点検が必要なときや解析ソフトの利用方法を確認したいときにはマニュアルが必要になりますが、Dropbox に共有しておくことで、その場ですぐに確認し、問題を解決することができます。
また、放送では過去の映像素材を利用することもあります。年に一度利用するかどうかもわからない素材を持ち歩くことはありませんが、Dropbox なら気兼ねなく保管しておけますので、万一の機会にも素材を有効活用できます。」 (三宅氏)
現在利用中の環境における課題をたずねると、映像や CG など、サイズの大きいデータを同期するときにかかる時間を改善したい、と語った三宅氏。選択型同期、バンド幅の調整、LAN 同期などの機能を活用することで、同期の効率化し、体感速度を改善してはいかがでしょうか、と提案したところ、早速活用してみたい、と意欲的な答えをいただきました。
Dropbox フォルダに NAS のデータをコピーすることで、自社だけで移行を実現。パソコンのフォルダと同じように活用できるため、ユーザー トレーニングを行うこともなく、使いこなしています。
中継現場のスタッフはスマートフォンからアクセス。各モバイル OS 用のアプリが用意されているため、センサーの点検や障害発生時には、スマートフォンで Dropbox に共有されたマニュアルを確認し、問題解決を行っています。
ストレージに容量制限がないため、映像データだけでなく、CG などの過去の映像素材も保管。過去の映像素材が急に必要になった場合でも、中継先から Dropbox フォルダを開き、有効的に再利用しています。
三宅 誠 氏
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