従来、一般的に動画ファイルといえば「MP4」形式(拡張子「.mp4」)が利用されることがほとんどでした。ですが、現在では「MKV」形式(拡張子「.mkv」)の動画ファイルが使われる場面も増えています。今回はMKVファイルの特長を解説するとともに、広く使われるMP4ファイルと何が違うのか、MKVファイルを取り扱ううえでの注意点は何かについて解説していきます。
MKVファイルとは
MKVファイルとは、オープンソースの動画ファイル形式であり、
「Matroska Video File」の略です。映像と音声に加え、字幕データを格納できる、マルチメディアコンテナフォーマットとも呼ばれます。字幕データとして複数の言語の字幕を格納できるため、世界に配信する動画に適したファイル形式ともいえるでしょう。
MKVファイルは、動画コーデックとして「MPEG-2」「MPEG-4」
「MPEG-4/AVC(H.264)」「H.265/HEVC」「WMV」「VP8」「VP9」
「AV1」に、音声コーデックとして「MP3」「AAC」「AC-3」「DTS」「WMA」「Vorbis」「PCM」「FLAC」に対応。非常に幅広く豊富なコーデックに対応しています。最大で4K解像度と2160pのフレームレートをサポートし、HD解像度以上の高精細動画を作成、公開する場合に利用されることが多くなっています。
しかし、たいていのプレーヤーや再生ソフトに対応しているMP4形式のファイルに対して、MKV形式の動画ファイルを再生できないということもあります。
MKVとMP4の違い
MP4ファイルは広く普及していて、デバイスを問わずそのまま再生できる高い汎用性が大きな特徴です。Windowsの「メディアプレーヤー」やMacOSの
「QuickTime Player」のようなOS標準搭載のプレーヤーはもちろん、iPhoneや
Androidなど各種スマートフォンに標準搭載されている各種プレーヤーでも再生可能です。そのため、多くの動画がMP4形式で作成されています。
一方でMKVファイルを再生しようとする場合、多くの環境では標準搭載のプレーヤーではそのまま再生できず、音声しか聞こえなかったり、もしくはまったく再生できないということさえあります。再生するには「MKV再生対応」のプレーヤーを別途インストールする必要があります。場合によってはMKV対応のプラグインやコーデックを入手することでMKVファイルを標準プレーヤーで再生できますが、正式にリリースされたものでない場合には不具合が生じる可能性もあります。可能であれば対応プレーヤーを導入するのがいいでしょう。
画質については、MP4の場合は高画質から低画質まで幅広く設定できるので、作成したときに低画質な動画であれば、当然ながら低画質での視聴しかできません。一方でMKVファイルの場合は、そもそも高画質で動画を作成することを目的に利用されているため、多くは高画質の動画です。MKVファイル形式の動画はすなわち高画質と考えてさしつかえないでしょう。
ファイルサイズについては、同じ動画を同じビットレートで作成した場合にはMP4よりもMKVファイルのほうが、ファイルサイズがやや大きくなる傾向にあるようです。動画の尺が短い場合にはそれほど差異はありませんが、長い動画になるほど容量差は大きくなります。
DropboxでMKVファイルを再生、チームメンバーとの共有も可能
このような特徴を持つMVK形式の動画ファイルですが、Dropboxを利用していればプレビュー動画をそのまま参照できます。
チームでプロジェクトを進めるときなど、共有した動画のファイル形式が異なったり各メンバーが使用しているデバイスが違っていたりすると、スムーズに動画を再生して確認することができなくなります。解決策として先に触れたように専用プレーヤーやコーデックを入手するような必要がありますが、Dropboxで共有していれば環境に関わらず動画のプレビューを確認でき、そういう手間を省いてチームでの作業を円滑に進められます。
もちろん、MP4などMVK形式以外の動画についても、Dropbox上でプレビュー動画として確認することが可能です。以下の形式(拡張子)の動画ファイルがサポートされています。
まとめ
このように、MKV形式をはじめとしてさまざまな形式の動画ファイルのプレビューがサポートされているDropboxですが、2023年4月26日から、より本格的に動画製作プロジェクトの管理が可能な「Dropbox Replay」の提供を開始しました。
Dropbox Replay は、動画、画像、音声の確認、フィードバックと承認をワンストップで迅速に行うことを可能にする動画プロジェクト管理ツールです。特許取得済みの「ライブレビュー機能」により、プロジェクトメンバーが同時に動画を視聴し、マーカーやコメントをリアルタイムで確認できます。特定のフレームや時間範囲にコメントを残したり、ファイルの全バージョンを一箇所で整理したりすることで、プロジェクトメンバーからフィードバックを一元的に管理できるようになるでしょう。また、修正作業や各種レビュー、進捗管理といった作業もDropbox上で行えます。
さらにベータ版からの新機能として以下が実装されました。
コメントのピン留め
コメントをブックマークとしてピン留めし、素早くアクセスし、あらかじめ入力されたラベルやカスタムラベルを追加することが可能
コメントのフィルタリング
コメントをコメント者名やラベルでフィルタリングすることが可能
このように、Dropbox Replay を使うことで、メディアコンテンツを取り扱ったプロジェクトをより効率的に進め、迅速に顧客に提供できるようになることでしょう。
動画作成の現場では、昨今の働き方の変化とともに、チームメンバーの居場所を問わずに動画を作成する必要性が高まっています。柔軟な働き方と円滑なプロジェクトの進行を考えているなら、Dropbox Replayの利用がおすすめです。