「Dropbox Business は、iPad のように機動性が高く、高解像度ディスプレイを搭載しながら容量は限定されている、タブレット型デバイスの特性を活かせるストレージだと言えます。」

清原 千春 氏
(技術局 情報システム部)

導入の目的

制御できないコンシューマー向けデータ送信サービスの利用が課題に

関西を代表するテレビ局、朝日放送株式会社は、テレビやラジオ番組を放送しているだけでなく、近年ではインターネット配信も行っています。「アタック25」などの全国放送されているコンテンツも所有しており、「新婚さんいらっしゃい」は番組フォーマットを海外にも提供しています。

約 700 人の従業員が利用する情報共有基盤は、オンプレミスのグループウェアからクラウド サービスへ 2013 年に移行。その際に、企業ドメイン内でのみ情報共有が行えるよう、セキュリティ ポリシーを設定しています。

一方で、社外と情報共有したいというニーズも増加した、と語るのは、清原千春氏(技術局情報システム部)です。

「通常はメール添付を利用していましたが、大きなサイズのファイルはデータ送信サービスを使うケースも発生。コンシューマー向けのサービスは、情報システム部門で利用を制御することができません。また、いつ、誰が、誰に、どのファイルを共有しているのか、トラッキングすることも困難です。」(清原氏)

ソリューション

社外で活動する担当者の実用に耐えうるサービスとして、Dropbox Business を採用

ファイルを社外で利用する方法はデータ送信だけではありません。番組を制作しているため、営業用パンフレットのように、朝日放送株式会社の営業職の社員は iPad などのタブレットに動画をコピーして持ち歩きます。タブレットは携帯に便利な一方で、容量に制限があるため、高解像度の動画は限られた数しかコピーしておけない、というデメリットもありました。

「iPad に動画を 10 本コピーしておいても、デバイスにない動画も紹介したいときがあります。情報を持ち出せないことで機会損失に繋がってはいけません。かと言って、管理のできないコンシューマー向けのサービスにコンテンツをアップロードするのも望ましくありません。そこで、ストリーミングと管理の行えるクラウド ストレージを検討することになりました。」(清原氏)

朝日放送株式会社では、取引先に訪問する担当者の実用に耐えるサービスを選定するために、クラウド ストレージを調査。大きなサイズのファイルの同期速度を確認したり、クラウドに保管した高解像度動画のストリーミングをテストしたりしました。複数の候補から採択されたのは、Dropbox Business です。

「検証を行ったうえで、社内のニーズにふさわしいクラウド ストレージが Dropbox Business だと確信しました。アップロードや同期が最も安定しており、速くて快適です。また、他のサービスで高解像度動画のストリーミングを行うと開始までに数分かかることもありましたが、Dropbox Business ではすぐに開始されます。選択型同期もあるため、容量を心配する必要もありません。iPad のように機動性が高く、高解像度ディスプレイを搭載しながら容量は限定されている、タブレット型デバイスの特性を活かせるストレージだと言えます。」(清原氏)

導入の効果

現場の自由を尊重しながら、認証とアクティビティの監視で堅実にコントロール

朝日放送株式会社では、高解像度動画を外出先で利用する営業職やデータ送信サービスを利用している社員を中心に希望者を募り、Dropbox Business のライセンスを配布。フォルダ感覚で使え、同期の速い Dropbox アプリ、ストリーミング性能の高いクラウド ストレージを提供することで、ユーザー満足度が向上しています。外部には、共有リンクやファイル リクエストを活用して、情報共有しています。

「リンクに公開期間とパスワードを設定できるので、安心して共有できます。相手が仮に Dropbox アカウントを所有していなくても、公開期間とパスワードを設定することで、セキュリティを確保できます。また、特定の外部ユーザーに対してファイルの提供をリクエストできるのもとても便利です。」(清原氏)

フォルダは、チームごとに事前に作成することはなく、個人やプロジェクトでの運用に委任しています。

一方でセキュリティを考慮し、Google Authenticator による 2 段階認証でアカウントを管理。また、監査要求に応えられるよう、アクセスとアクティビティ ログの監視も行っており、現場の利便性を損なうことなく、管理も強化しています。

現在、情報システム部門で取り組んでいるのは、API の活用と語る、清原氏。社内申請システムにワークフローを組み込み、申請に Dropbox Business に保管されたファイルを添付する仕組みをパートナー企業とともに開発しています。

「定型業務を扱うシステムには、API が重要です。定型業務には決まったフローがあり、オペレーションで間違いが起こるのは人の手を介することが要因です。自動化を図ることでこのような問題を解決できますので、現在、API を活用した自動化に取り組んでいます。」(清原氏)

Dropbox Business の活用した機能と利点

Advantages

Dropbox アプリ選択型同期
同期が速く、フォルダのように活用できる Dropbox アプリを活用。タブレットなどの容量の制限されたデバイスでは選択型同期を行い、動画などはクラウドから直接ストリーミングして利用しています。
共有リンクファイル リクエスト機能
外部ユーザーへの共有には共有リンクを使用。公開期間とパスワードを設定できるため、安心して共有できます。また、情報の収集には、ファイル リクエスト機能をしています。
2 段階認証監査ログ
Dropbox Business の利用方法を現場の自由にする一方で、認証と監査を徹底。2 段階認証により、ユーザーを適切に識別しながら、アクティビティを監視し、不適切な利用を未然に防いでいます。

「利用方法は現場の自由にしながら、2 段階認証とログの監視を行うことで、利便性とコントロールを両立しています」

清原 千春 氏
(技術局 情報システム部)

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