クリエイティブチームにとって最適なクラウドストレージの条件とは?

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昨今、専門職ではない一般社員の人が顧客向けの資料などを内製化する動きが増えています。そうしたなか、オンプレミスのファイルシステムではなく、作業の一元管理の機能を有するクラウドストレージサービスを活用するケースが一般化してきました。今回は、リモートワークの普及も進む現代に適したクリエイティブ業務を支えるクラウドストレージサービスの選定方法について、クリエイティブチームを運営するプロフェッショナルユーザーの実体験を交え解説します。

組織にとっての「クリエイティブチーム」とは?

「クリエイティブチーム」と聞くと、デザイナーやコピーライター、カメラマン、Webディレクターといった専門家集団をイメージするかもしれません。ですが、現代の企業組織では、一般社員が通常業務に加えて、専門職の仕事をこなす時代になりつつあります。

これまでデザイン的に洗練された資料製作などは、プロフェッショナルにしかできない仕事でしたが、ITツールの進歩により、すこし訓練すれば、一般社員でもある程度こなせるようになったのです。

今では、組織にとってのクリエイティブチームは、こうした一般社員たちの集団ともいえるようになりました。

一般社員だからこそ生かせるコンテンツ制作の強み

一般社員で構成されたクリエイティブチームの強みは、フットワークの軽さと作りたいものに対するコンセプト共有の素早さでしょう。

例えば、プレゼン資料を作成する場合でも、社内のメンバーをすぐに集めて動き出すことができます。これを外部の企業に委託するとなると、予算の設定や打ち合わせのスケジュール調整などをこなす必要が出てきます。また製作物の方向性やコンセプト、レギュレーションやトーンマナーなどを、正確に外部メンバーに伝えなければ、当初イメージと違った成果物が出てきてしまいます。

もちろん、すべて内製化すればいい、というわけにはいきません。外注ベンダーに発注することでコンテンツ制作を効率化させることも重要です。外注に依存しすぎると、コストもかさみ製作のノウハウも蓄積しづらくなるため、社内のクリエイティブチームの存在は欠かせません。

また外注ベンダーと円滑にコミュニケーションを行えるかも問われてきます。外注ベンダーとの間で意識合わせが確実に行われれば、実際に成果物を確認したときに「完成イメージと違う」というようなコミュニケーションミスが起きにくくなります。

クラウドストレージの必要性とは

では、クリエイティブチームの業務効率を高めるには、どのようなことを検討すべきでしょうか。その方法のひとつにクラウドストレージの活用があります。クリエイティブワークに最も必要なのは、適切な製作物の管理をストレスなく行える機能です。クラウドストレージは、「ファイル置き場」として機能するだけでなく、同時並行で進む複数の仕事の管理が容易になるため、クリエイティブチームにとって必須のツールといえるでしょう。

また、コロナ禍を経験して、多くの組織でリモートワークが普及しました。リモートでコンセプトの構築、共有から、実際の製作物の作成、レビュー、更新などを行うようになるなど、クリエイティブチームの働き方も大きく変わったはずです。オンプレミスのファイルシステムで製作物の管理を行うことも可能ですが、外部からのアクセスを常にスムーズにできるようにしておかないと、製作の進行管理が非効率になってしまいます。加えて、セキュリティの観点から見ると、不特定多数の誰かがファイルシステムにアクセスすることは避けるべきです。

多くの場合、作成、レビュー、更新はファイルシステム上で行っています。そのため、オンプレミスの自社ファイルシステムに依存したファイル管理では、アクセス環境によって仕事が遅延する可能性が出てきます。

こうした事態を避けるためにも、クラウドストレージサービスの利用が推奨されます。クラウドストレージサービスの中には、複数人によるクリエイティブな作業を一元的に管理できる機能を提供しているものもあります。共有ワークスペースを通して、製作物に対して、コメントを残したり、具体的な指示を出したり、進捗の管理を行ったりといったことができるのです。

時間と場所を問わず、効率的なコミュニケーションと共同作業が実現

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Dropboxならではの優位性とは?

Dropboxは、前述したような一元的なクリエイティブワークの総合的な管理機能を有しています。もちろん、外部からのアクセス性においても、必要十分の性能を発揮します。ここからは、クリエイティブチームを運営するプロフェッショナルユーザーによる製品比較レビューを交えて、なぜDropboxがクリエイティブチームのクラウドストレージとして適しているのか解説していきます。

① 同期・コピーのスピードと質

Dropboxは、大量かつ大容量のクリエイティブファイルの同期・コピーにおいて、優れた処理能力を発揮します。プロフェッショナルユーザーが、6,000個近くのJPEGファイル約27GBを同期するテストを何度か行ったところ、他社サービスは毎回1時間以上かかったのですが、Dropboxでは毎回5~9分で完了したとのことでした。なかには、他社サービスでは複数のユーザーからの同期が数時間かかっていたが、Dropboxでは30分以内にできたという報告もあります。

さらに、約100万ファイルのコピーを何度も行いましたが、Dropboxは、たったの一度もファイル破損がなかったそうです。

② 簡単なフォルダ名変更

Dropboxは、標準的なファイルシステムのように簡単にフォルダ名の変更ができます。意外に思われるかもしれませんが、あるクラウドストレージサービスでは、フォルダの名前を変更すると、連携しているデスクトップアプリとのファイル同期が解除されてしまうという問題が報告されています。なかには、共有リンクが何らかの形で古い名前を拾ってしまうという問題も報告されているため、他社クラウドストレージだとトップレベルフォルダの名称変更は基本的に避けたほうがいいといわれています。

③ ファイル移動のスピードとパフォーマンス性

DropboxはWebインターフェイスを使用して、フォルダを簡単に別の場所に移動することができます。プロフェッショナルユーザーが、50万枚以上の写真を格納したフォルダの移動を行ったところ、2時間以内に問題なくファイル移動が完了。デスクトップパフォーマンスへの影響もなかったそうです。他社クラウドストレージサービスだと、コピーに失敗したり、時間がかかりすぎたりといったケースも報告されています。

④ デスクトップから行える編集ロック機能

ユーザーのデスクトップからワンクリックで実行できるDropboxの編集ロック機能もユニークです。他社サービスも同様の編集ロック機能はありますが、なかにはユーザーのデスクトップ上からはファイルをロックができず、Web インターフェイスを介さなければならないものもあります。もし編集ロックをしようとすると、複雑な手順が必要になったり、場合によっては、フォルダ内からファイルが見えなくなるといったことも発生し、作業の混乱を生み出すこともあるようです。

一方、Dropboxの編集ロック機能は、デスクトップ上からファイルをロックすると、他ユーザーからのアクセスを簡単に制限できます。南京錠のアイコンがついたファイルを他ユーザーが開こうとすると、ファイルがロックされていること、誰がロックしているか、そしてロック解除を要求する通知を所有者に送るかどうかが表示されます。これにより、ファイルの同時編集を未然に防ぐことができます。

⑤ 同期の遅延と信頼性

Dropboxでは、クラウドへのファイルのコピーが完了すると、リアルタイムに他ユーザーに反映されるため遅延なくすぐに作業を始められます。一見普通の機能に思えますが、他社サービスだと大幅な遅延が発生する場合もあるようです。

⑥ 優れたファイル検索機能

他社サービスだと全文一致じゃないと該当ファイルが検索にヒットしないこともあるようですが、Dropboxは部分的な文字検索が可能です。共同作業において、検索性は作業効率に影響を及ぼすため、意外と重要な機能といえます。

⑦ ユーザーを問わないファイルの転送とリクエスト

「Dropbox Transfer」「ファイルリクエスト」機能により、Dropboxのアカウントを持っていないユーザーとも大容量のファイルの送信や受け取ることが可能です。オプションの追加で、一度に最大 250GB のファイルパッケージを送信することができます。

⑧ アプリケーションがなくてもファイルを確認できるプレビュー機能

Dropbox上のファイルをダウンロードすることなくプレビューで内容を確認することが可能です。しかも、クリエイティブチームがよく利用するAdobeアプリケーションやCAD系アプリケーションのファイルにも対応可能なので、そのようなアプリケーションをインストールしていない職種の人たちとの共同作業でも効率的に確認作業を進めることができます。

⑨ ピンポイントに修正箇所を指定して確実にレビュー結果を伝達

Dropboxにログインしてファイルを開くと、特定の箇所を選択してコメントを残すことが可能です。レイアウト画像や動画や音声ファイルのフィードバックなど、文字で表現するのが難しいような場合にも、明確に場所を指定して修正依頼のコメントなどを伝えることができます。

⑩ 閲覧者情報で共同作業者の確認状況を把握

社内外を問わず共同作業では、「フィードバックを待っているのになかなか集まらない」「メッセージを見過ごしてしまっているのかもわからない」といった状況に陥りがちです。「閲覧者情報」という機能を利用すると、誰がファイルを開いたか、最後にそのファイルを閲覧したのはいつかをリアルタイムで把握できます。ファイルの共有相手や、今そのファイルを閲覧している人を確認することも可能です。それとなくフィードバックを催促したい場合には、まだファイルを見ていない人を確認して、全体に呼びかけるのではなく、その人だけにフォローアップを行うことができます。

当たり前に思える機能を実装できていないクラウドストレージサービスは意外と多く、サービス選定においては、クリエイティブチームが社内外のステークホルダーと共同作業を効率的に進めていくという観点で自社に最適なサービスを選んでいくことが重要でしょう。

まとめ

現在使用している、もしくはこれから採用しようとしているクラウドストレージがある場合、以下のチェックポイントを基準にサービスを選定するのが良いかもしれません。

□ 大容量でもリアルタイムに同期ができる
□ ファイルが複数あってもすぐにコピーが完了する
□ フォルダ名変更をしても不整合が起こらない
□ ファイル移動がスムーズに実行できる
□ 編集ロック機能をはじめ、ファイルの同時編集を未然に防ぐ機能が使える
□ デスクトップ上から簡単にユーザー単位で権限を設定できる
□ すぐに目当てのファイルにたどり着けるようファイル検索機能が充実している
□ アカウントを持っていないユーザーとも簡単にファイルの送受信を行える
□ さまざまなアプリケーションのファイルをプレビューできる
□ ピンポイントに場所を指定してフィードバックできる
□ 閲覧者情報を活用して、共同作業を推進できる

また、クラウドストレージの選定において、従来利用してきたアプリケーションやクラウドサービスとの親和性、コスト面など、さまざまな理由から別のクラウドストレージを選択するケースもあるでしょう。

ここまで述べてきたDropboxの機能群は、共同作業が欠かせないクリエイティブチームにとっては必要不可欠なものといえるはずです。また作業効率の面でもDropboxにはアドバンテージがあります。

まずは、Dropboxの無料トライアルの活用をおすすめします。基本的にすべての機能を試すことができますし、気に入ったという場合にはそのまま保管データを本番環境へと引き継いで利用開始することも可能です。複数のクリエイティブチームとのコラボレーションが必要となり、そこで大量の制作物をつくるようになったとき、大容量のファイルのコピーや転送、ファイル名の変更、編集のしやすさなど共同作業を進めていくための優れた機能を実感できることでしょう。

さよならファイルサーバー