増え続ける名刺、そろそろ何かちゃんとした整理方法を考えなければとお考えですか?名刺が増えるということは、それだけたくさんの人と会っているということなので、熱心に仕事に取り組んでいる証しでもあります。しかし、せっかく集めた名刺も適切な整理をしておかなければ「宝の山」ではなく「宝の持ち腐れ」になってしまい、たくさんの人に会ってきたことが結果につながりません。
増え続ける名刺をうまく整理して、デキるビジネスパーソンを目指す方にお届けする、アナログ & デジタルの名刺整理術です。
目次
1. 名刺の整理がうまい人はナゼ営業成績が良いのか
2. アナログ名刺整理術:おすすめの名刺整理ボックスと使い方のノウハウ
3. デジタル名刺整理術:名刺管理アプリならスマホひとつでラクラク整理 & 売り上げアップ
4. まとめ
1. 名刺の整理がうまい人はナゼ営業成績が良いのか
1-1. 増え続ける名刺、あなたはどうやって整理していますか
営業職など外部の人と接する機会が多いビジネスマンは名刺交換の機会も多いので、名刺の数は増える一方です。名刺の数だけ人と会っていることになるので、名刺が増えることはむしろ喜ばしいことです。ただし、そこには増えていく名刺をキチンと整理できていることが前提条件になります。なぜなら、どれだけ名刺の数が増えても整理・管理させていなければその人のことを思い出す可能性が低く、今後のビジネスチャンスに活かせないからです。
名刺は適切に整理・管理されてはじめて、ビジネスツールとしての威力を発揮します。名刺の山を宝の山にできるかどうかは、名刺整理術の成否に掛かっていると言ってもいいでしょう。
1-2. 名刺整理の目的
そもそも名刺整理の目的は何でしょうか。一度会ったことがある人との関係をビジネスの成功に役立てるためですが、それだけだと少々曖昧です。
そこで、名刺整理の目的を敢えて明確化してみます。
- 有望な顧客として育成して売り上げ増を目指す(リードナーチャリング)
- 業務上、力になってくれそうな人脈を持ちブレーンとする
名刺交換をした相手を顧客として見るのか、ブレーンとして見るのか。大きく分けるとこの二種類になります。それぞれ目的は正反対ですが、共通しているのは必要な時に最適な相手を思い出すことができるかどうかです。
新しい商材を取り扱う際に、「あの会社なら興味を示してくれるかも知れない」と思い出せるか、新たなプロジェクトで協力会社を探す際に「あの会社なら力になってくれそうだ」と思い出せるかは、いかに名刺を整理しているかに掛かっています。
思い出しやすい状態、すぐに見つけられる状態にしておく。これが名刺整理の大切な目的です。
1-3. 名刺を宝の山にするか、持ち腐れにするか
ビジネスの現場では、初めて会う人同士で名刺を交換します。これは日常的な光景ですが、ビジネスマンはこうして名刺を合計何枚ほど交換しているのでしょうか。その枚数を調査したデータを見てみましょう。
事務用品大手のキングジムが行った「名刺に関する意識調査」(2010 年)によると、今まで交換した名刺の総数は 20 代の人で平均 392 枚、40 代になると 2,074 枚という結果が出ています。これだけの人数と名刺を交換して、それぞれの人のことを覚えておくのは人間には不可能です。
これだけの枚数に及ぶ名刺をそのまま放置しているのは論外としても、それらを五十音順に並べて整理していたとしても最適なシチュエーションで最適な名刺を見つけ出すことができるかというと、それも難しいでしょう。
どんな人・会社だったのか、何ができる人・会社なのか、見込み顧客としてどの程度有望なのか…といった関連情報があってはじめて、その名刺が宝の山になるのです。
1-4. デキるビジネスパーソンは名刺をその人自身として扱っている
名刺はカードサイズの厚紙にその人の名前や連絡先が印刷されたものです。名刺とモノとして見るのであれば、単なる紙切れに過ぎないかも知れません。アポなしでやって来たセールスマンが置いて行った名刺が紙切れにしか見えないのは、その名刺を置いて行ったセールスマンとの関係性が何もないからです。そしておそらく、その商品に関心がなければ今後も関係性が築かれることもないでしょう。
しかし、ビジネスの現場で交換した名刺は違います。お互いに今後のお付き合いを考えているのであれば尚更で、その名刺が単なる紙切れではなくその人自身のように大切に扱われるでしょう。
これは大きな違いで、デキるビジネスパーソンが名刺整理術を重視しているのは、名刺をその人自身として取り扱っているからです。名刺交換が目的なのではなく、目的達成のスタート地点と位置付けているのです。
この意識で名刺を扱うと、自ずと見方は大きく変わってくるはずです。
1-5. アナログ & デジタルの名刺整理が目指す最終的なゴール
この記事では、従来からあるアナログ的な手法と名刺管理アプリを使ったデジタル的な手法の両方で名刺整理術を解説しています。あらゆるものがデジタル化されている時代ではありますが、名刺整理が必ずしもデジタル化されていなければならないというわけではありません。
「1-2. 名刺整理の目的」で述べているように最終的なゴールは同じで、違うのはその方法論だけです。それぞれの方法には良さがあるので、これから増え続ける名刺をどうすれば一番整理しやすいのか、目的の名刺を見つけやすいのか。
自分に合った方法を見つけることが、何よりも大切なのです。
2. アナログ名刺整理術:おすすめの名刺整理ボックスと使い方のノウハウ
2-1. 五十音順に名刺を保管できる整理ボックス
もらった名刺を五十音順に並べておくのが、最もシンプルな名刺整理の方法です。名刺整理ボックスとして売られているものの多くは「ア行」「カ行」などで区切りが入っているので、それぞれ該当するところに名刺を入れていくだけです。
一般的な箱型の他に、機能性にデザイン性を加えたスタイリッシュな名刺整理ボックスもあります。典型的なのは回転型ボックスで、360 度回転する名刺ホルダーに名刺を綴じていくとページをめくるように目的の名刺を探せるようになっています。
こうした名刺整理ボックスのメリットは、とにかくたくさんの名刺を保管できることと、名刺の探しやすさが両立されていることです。
2-2. ファイル、フォルダを使った名刺整理
名刺の保管方法としてボックス型と並んでポピュラーなのが、ファイルやフォルダなどブックタイプの整理グッズです。透明フィルムのファイルが名刺サイズに区切られていて、そこに名刺を入れていく形で名刺を整理できます。
これらの名刺整理方法には、ページをめくるだけで名刺全体を一覧できるメリットがあります。名刺をビジネスツールとして重視している会社も多いので、ロゴマークや顔写真、特徴のあるデザインなど相手に覚えてもらいやすいように趣向を凝らしたものもあるので、そうした名刺を見つけやすくなります。
ボックス型と違って整理できる名刺の枚数は少なくなりますが、その分視認性が高いので、重要な名刺とその他の名刺を分類して重要な名刺をファイルやフォルダタイプで保管するのも良いでしょう。
2-3. アナログの良さをいかす手書き整理テクニック
アナログ的な手法で名刺を整理するメリットはいくつかありますが、デジタル手法に真似ができないものとして「手書き」が挙げられます。名刺をもらったら当日のうちに相手の特徴やどんな話をしたかという情報を名刺に書き込んでおくだけで、次にその名刺を見るとその時の様子を思い出しやすくなります。
デジタル手法でもコメントを入力してメモを残すことはできますが、やはり手書きのほうが人間の記憶に直結しやすく、今後のアプローチ方針なども記載しておけば強力なビジネスツールに変身します。
名刺に書き残しておきたい情報としては、面談をした印象、見込み度、今後どうお付き合いをしていくのかという方針などが考えられます。
2-4. 五十音順以外の名刺整理テクニック
名刺整理グッズの多くは五十音順に名刺を整理することを想定した造りになっていますが、それ以外にも有効な整理術があります。
2-4-1. 業種別に整理
「ア行」「カ行」などで分類できるようになっている名刺整理ボックスを、業種別に分類する方法があります。これは主に、自分のブレーンとなってもらえる人や会社などを整理するのに有効です。
例えば編集者であれば「カメラマン」「ライター」「デザイナー」といったように、担当してもらう仕事の種類によって分類しておけば、それらの人たちの力が必要になった時に目的の名刺を見つけやすくなります。
2-4-2. 時系列に整理
名刺交換をしたタイミングによって時系列に並べて整理する方法もあります。時系列のスパンは交換する名刺の数によって 1 か月や 3 か月、半年などで分類しておくのがよいでしょう。
時系列による整理のメリットは、名刺交換をした時期から探すことができるので、「あの時期に会った人」という思い出し方が可能になります。
3. デジタル名刺整理術:名刺管理アプリならスマホひとつでラクラク整理 & 売り上げアップ
3-1. 名刺管理アプリとは
デジタル的な手法で名刺整理をするには、近年普及が進んでいる名刺管理アプリを使うのが最適です。スマホアプリとしてサービスが提供されており、パソコン環境とも共有できるので「スマホで取り込み、パソコンで探す」という使い方も可能です。
名刺管理アプリを使う最大のメリットは、どんなに名刺が増えても管理方法を変える必要がなく、必要な名刺を一発で検索できることです。名刺の枚数が増えれば増えるほどメリットを実感しやすいのも名刺管理アプリの特徴です。
また、数千枚に及ぶ名刺であってもアプリで全て保存・管理ができるので外出先で名刺を探してコンタクトを取る、という機動的な使い方も実現します。
このあたりは、従来のアナログ的な手法にはなかった、デジタル手法ならではのメリットと言えるでしょう。
3-2. おすすめの「Eight」と「CamCard」
数ある名刺管理アプリの中で、とりわけ有名なのが「Eight」と「CamCard」の 2 つです。どちらも高いシェアを持つ名刺管理アプリで、それぞれに特徴があります。
オペレーターによる手入力なので正確性が高い「Eight」と、OCR (自動認識) による読み込みなので高速読み込みに強い「CamCard」、この両者の特徴や違いについては「使うと 3 倍差がつく!2 大名刺管理アプリ徹底比較と選び方」に詳しい解説があります。どの名刺管理アプリを使おうか迷った際のヒントになるはずです。
3-3. 名刺管理アプリが営業活動を変える 3 つのポイント
名刺管理アプリを使ったデジタル的な名刺整理術を導入することによって、従来の方法では得られなかったメリットがあります。それを 3 つのポイントにまとめました。
3-3-1. 組織全体で情報共有ができる
名刺交換をするのは担当者同士ですが、それぞれの担当者には会社という所属組織があります。本来であれば組織全体でその名刺情報を共有するべきですが、アナログ的な方法だと物理的に難しい部分があります。
名刺管理アプリでは組織全体で同じアプリを使うことでメンバーそれぞれが交換した名刺を共有できるため、より組織的なアプローチが可能になります。
ある大手企業への営業アプローチに困っている担当者の部下が、実はそのターゲット企業のキーマンと個人的な人間関係があることが後から分かったというテレビ CM がありましたが、アプリを使うことによってこうした「それ、早く言ってよ」ということがなくなります。
3-3-2. アプリだけで営業管理が実現する
個々の営業マンがどんなアプローチをしているのかをリアルタイムで把握するために、数々の営業支援システム(SFA)が開発されてきました。SFA ツールは決して安価ものではありませんが、名刺管理アプリにはこの SFA ツールに類似した機能があります。
それぞれの名刺をもらった担当者が名刺交換相手に対してどんなアプローチをしたのかを記録していくことで、それを営業管理者が閲覧することでリアルタイムの情報把握ができます。
高価な SFA ツールがなくても、名刺整理にアプリを導入することで同様の効果が得られるのは大きなメリットです。
3-3-3. 名刺交換相手と SNS のようにつながる
名刺管理アプリは、SNS に近い使い方ができます。Facebook の友達のようにアプリ内で名刺交換をした人同士がつながり、以後はその名刺情報と本人が紐づけされます。
名刺交換をした相手が人事異動で勤務地や部署が変わったり、転職をした場合であってもアプリ内の名刺情報を更新するとそれが交換相手にも伝わって情報が更新されます。お付き合いの連続性を確保するという意味で、これもデジタル手法のメリットだと言えます。
下の画像は、名刺管理アプリ「Eight」でつながった相手が独立・起業をしたため、名刺情報が更新されたことを通知する画面です。このように相手のステータスが変わっても周知されるのでビジネスチャンスが損なわれません。
4. まとめ
新人ビジネスマンの方々にとって、まだそれほど名刺の数が多くないのであれば「名刺を整理する」ことが重要な仕事である実感は湧きにくいかも知れません。しかし仕事に本気で取り組めば取り組むほど名刺の数は増え続け、やがて頭の中だけでは整理できない枚数になります。
そうなる前に名刺を整理することの意味や目的、そして方法論について正しい知識をつけておくことは、必ず役に立つ時がきます。この記事ではアナログとデジタルそれぞれの方法について特徴やメリットについて解説しているので、自分に合った名刺整理術を確立して、デキるビジネスパーソンを目指してください!