日報を社員に書かせてはいるが、今ひとつ結果に結びついていない。ただの報告になってしまっていてまったく活性化しない。とお悩みの管理者の皆様へ。
この記事をお読みいただければ、従業員のモチベーションが上がり、会社全体が活性化し結果の出る(売上・利益がアップ)日報をスムーズに導入する事ができます。
今回は日報の導入成功事例から、そのように成功するためには具体的にどのように進めていけばいいかについてまとめています。ご参考になれば幸いです。
目次
1. 結果の出る!成果があがる!日報制度導入成功事例
2. 日報制度を導入する前に考えておくべきこと
3.「個人やチームの目標を達成し会社の業績を伸ばす」ため、従業員に日報制度導入の意味を伝える!
4. 日報をスムーズに導入し結果の出る日報に育てる方法
5. おすすめのクラウド型日報システム 2 選
6. 日報で従業員を育てる!大事なのはマネジメント陣の質問力!
7. 日報導入成功ためのチェックポイント
8. まとめ
1. 結果の出る!成果があがる!日報制度導入成功事例
まずは日報を書く事でどのような変化が起こるのか、導入成功事例を見てみましょう。
日報は社員側からすると、面倒くさい作業と捉えられることも多いのですが、逆にうまく活用すると「自分の成長ぶりを直接マネジメント陣に見てもらえるまたとないチャンス!」と社員は捉えモチベーションアップに繋がります。
1-1. 導入成功事例(株)ビースタイルの場合
新入社員の柴田さんは自分の投稿した日報を、社長が毎日欠かさず読んでくれていることにとても驚いたといいます。
「当たり前だと思うんですよ、だって僕が創業した会社の社員なんですよ」と笑う増村社長ですが、そういった経営陣の「社員と向き合う」姿勢は働く側にとって大きなに信頼感につながっています。柴田さんは、社長が日頃から「最後は責任とるから、伸び伸びやれ」といってくれることで、安心して仕事に取り組むことができる、社歴の浅い社員でもいろいろなチャンスをつかむことができる職場だと実感しています。
(出典:日報システムgambaHPより)
http://www.getgamba.com/case/%E5%B0%8E%E5%85%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B/archives/3332
従業員が書いた日報をマネジメントが目を通す。普段の仕事ぶりを見せる事ができない相手に日報を通して「自分が何をしているのか」や「頑張っている姿」を見せられるのも日報のよい所です。
1-2. 導入成功事例 opzt(株)の場合
日報導入後、何がどう変わったのでしょうか?という問いに、opzt(株)代表の赤松氏はこう言っています。
「よかったのは「見える化」です。スタッフの日々の動き、課題、毎日の目標やベンチマーク企業の動きなど、今まで見えていなかったものが急に見えてきたのです。そして何よりも内発的な動機を高めることができたのが大きいですね。紙ベースの日報ではどうしても私のところに上がってくるまでのタイムロスがあるのですが、それがなくなりました。スマホを開いたらすぐ見えるというのは、とてもいいですね。」
(出典:日報システムgambaHPより)
http://www.getgamba.com/case/%E5%B0%8E%E5%85%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B/archives/3858
「何がどこまで進んでいるのか」「何か問題がないか」など、日報を通し把握できることは業務改善に大きく役立ちます。
管理するための日報ではなく、業務改善や目標達成のための日報という意識で導入することが何より大切です。
1-3. 導入成功事例 (株)キーワードマーケティング研究所の場合
日報を導入することの大きな意図、として(株)キーワードマーケティング研究所の代表滝井氏は「今必要なことは、チームでノウハウとスキルを共有し、クライアントに価値を提供していくこと」だと言っています。
どんなに優秀な社員でも、一人ひとり能力や得意分野は異なっています。急速に変化する市場環境の中で、一人の個人の持つ能力だけでクライアントのニーズに応えることは年々難しくなってきているといいます。今必要なことは、チームでノウハウとスキルを共有し、クライアントに価値を提供していくことです。
キーワードマーケティング研究所の仕事は IT そのもの。丸一日パソコンに向かって仕事をすることが多く、クライアントとのやり取りは基本メール、誰とも会話することなく 1 日が終わってしまうこともあった。「これでは、組織で仕事をしている意味がない」。隣の同僚がどんな仕事をしているかも分からないようではチームワークにならない上に、新入社員に対する人材育成上もよくないと考え、試行錯誤を繰り返したと言います。
そんな中でたどり着いたのが「日報だった」そうです。
(出典:日報システムgambaHPより)
http://www.getgamba.com/case/%E5%B0%8E%E5%85%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B/archives/3340
日報を人材育成にもなります。チームメンバーがどのように仕事に取り組んでいるのかを知る事で、自分のやり方にロスがないかなど気がつく事ができますし、よい部分は取り入れ、失敗も未然に防ぐこともできます。
それぞれの企業が、日報を自社と社員の成長のためにうまく活用され、結果売上を伸ばしています。
ではどうしたらそのような日報に育てていけるのか。
日報をどう捉えるか、で「結果の出る日報」か「ただの報告のための生産性のない日報」か、が変わってきます。
ここからは日報の本来あるべき意味について触れていきたいと思います。
2. 日報制度を導入する前に考えておくべきこと
闇雲に日報制度を導入してもうまくいきません。
具体的に日報を導入する前に、まず意識しておくべきことをまとめました。
2-1. そもそも、何のために日報制度を導入するのか確認する
そもそもなぜ従業員に日報を書かせているのでしょうか?日報を書く意味や目的、目標がはっきりしていないとただの時間の浪費、時間の無駄遣いになってしまいかねません。
例えば一人の日報を書く時間が 10 分だとしましょう。たかだか 10 分と思うかもしれませんが、それが 1 か月、そして従業員全員となるとどのくらいの時間を日報に費やす事になるでしょう?
どうせ書くならば、日報を書く作業が無駄なコストにならないようにしたいものですよね。
そのためには日報を書く目的、目標が何より大切ですのでしっかりと目的と目標を定めましょう。
と、その前に、そもそも日報は何のためにあるのでしょう?
2-2. 日報制度を導入する本来の意味とは?
日報は従業員にとって「面倒くさい報告」であり、「適当に報告しておけば」と思いがちな苦痛な作業になってしまいがちです。
多くの企業では、日報を
- 社員が何をしているのか把握するため
- 改善すべきところが見つかる
と位置づけている場合が多く、<業務内容の報告>の粋を出ません。
従業員からすればただただ「自分は上司から管理されている……」と思うだけの面倒くさい作業であることが実は少なくありません。
事実、管理者側の多くは従業員の悪いところだけが目につきつい指摘したくなるため、従業員は上司に怒られない<無難な日報>を来る日も来る日も書き続ける事になります。
それでは全く本来の日報の意味をなしていませんし、そんな報告ならいらない!と皆様も思われることと思います。
では本来の<日報制度を導入する意図>とは?
それはひとえに、日報制度を導入することで
- 仕事のプロセスやアプローチを改善し
- 成果をあげやすい仕組みづくりをしていくこと
です。そしてその結果、「個人やチームの目標を達成し会社の業績を伸ばす」ことに他なりません。
日報をうまく活用し「結果の出る日報」にするために最も重要なのは、日報を書く目的を明確にすることです。それでは早速説明していきましょう。
3.「個人やチームの目標を達成し会社の業績を伸ばす」ため、従業員に日報制度導入の意味を伝える!
日報を導入する意味が、「個人やチームの目標を達成し会社の業績を伸ばす」ことであるなら、日報制度を導入する目的は個人やチームで成果を出しやすい仕組み作りをし、チームの目標を達成するということです。このことを各従業員が認識できていなければ日報制度はうまくいきません。
日報制度を導入目的は大きくこの 3 点にしぼられます。これらを従業員に伝えていきましょう。
- 進捗状況を知ること
- 成功ケースや失敗ケースのシェア
- フィードバックでモチベーションアップ
以下、それぞれ具体的に説明していきます。
3-1. 進捗状況を知ること
会社内でチームや関わる部署の従業員がどんな仕事をしているのか、意外とわからないものですよね。
チームのメンバーが今何をしているのか、営業案件がどこまで進んでいるのか、プロジェクトはどこまで進んでいるのかを知る事で自分のすべきことがはっきり見えてくるのでロスを防ぐことができます。
また現時点でどんな問題や課題があるのか共有する事で、チームで知恵を出し合うことができ、早々に問題を解決することができるかもしれません。
3-2. 成功ケースと失敗ケースのシェア
成功ケースや失敗ケースをシェアしあうことは業務改善に大きく役立ちます。
実際にどう仕事を進めたらうまくいったのかを聞くことで、誰に言われずとも自分に足りないところがわかるため、素直に成功モデルのケースを自分に取り入れることができます。
また失敗したケースに関してのシェアがあれば、自分も同じようなやり方をしないように、と事前にミスや失敗を回避することができるでしょう。
3-3. フィードバックでモチベーションアップ
日報でダメだしされる、というケースは意外と少なくありません。業務改善することは大切ですが、ネガティブなフィードバックが続くとモチベーションが下がり逆効果です。
良好なコミュニケーションができている企業の多くは、<日々の業務への感謝や激励+フィードバック>をしています。フィードバックは、成長をした部分に関してするとモチベーションアップにつながります。
成長した部分、といっても難しく考える事はなく、先週よりも今日、昨日よりも今日、入社したての頃と今、というように時間経過の中で比較し、少しでも成長した部分に関するフィードバックを簡単な言葉で伝えれば十分です。
たとえば
- 今日は、○○ができるようになって素晴らしいね!
- 先週よりも○○が早くなって素晴らしいね!
こんなシンプルな言葉でも良いのです。フィードバックをした後にまたその業務に関して業務改善が見られたら、また成長を褒めていく。
また、そこにアドバイスや激励の言葉が書かれていれば、従業員は日報を書く意味を感じますし、自分をしっかり振り返るようになります。
振り返りをすればそれだけ成長のスピードも早まりますのでよい循環が生まれます。
4. 日報をスムーズに導入し結果の出る日報に育てる方法
では実際に結果の出る日報をスムーズに導入する方法をご説明していきましょう。
4-1. 運用しやすい日報システムを導入する
外出先でスマートフォンから日報を書けたり、Googleカレンダーから予定を転記できたりする日報システムを導入する事をおすすめします。
手軽にいつでもどこでも送信、確認できることで日報の活用が進みますので各社比較検討し、簡単に運用できる日報システムを導入しましょう。
ちなみに、「5. おすすめのクラウド型日報システム 2 選」ではオススメのツールを紹介しています。
4-2. 日報のテンプレート(報告してほしい項目)を決める
ただ日報をはじめます! では従業員も戸惑ってしまいます。日報で知りたいことは何か、などをしっかり伝え、最初はテンプレートを決めテンプレートにそって書いてもらうようにしましょう。
また「チーム内でコメントし合うとより活性化していいと思うよ!」など、どのように活用してもらいたいかについての考えも伝えましょう。
4-3. 日報を導入後は経営陣自ら率先して実践する!
日報のシステムを導入したらまずは社長やマネージャー自ら率先して実践してみることをおすすめします。
たとえば、あるお弁当工場の事例では、社長自らがお店に出向き、お弁当を売っているお店の状況やお弁当をお買い上げになったお客様の様子をスマートフォンで写真を撮り、日報に添付してメンバーに共有しています。しかも、どんなお客様がなんといってお買い上げになっているのか、その時気付いたことを詳細に日報に書いています。
ある営業部門での事例では、リーダーに当たる部門長が自らの言葉で自分たちの営業目標について説明し、その目標を達成することがなぜ今必要なのか、どんなマインドでその目標を立てたのかなどを日報で、何度も繰り返しメンバーに語りかけています。
出典:日報システムgamba HPより
http://www.getgamba.com/guide/archives/2965
実際、大きく成果を伸ばしている企業の多くはリーダー自ら日報を書き、営業目標や考えなどを部下たちに伝えています。部下たちはリーダーがどんな考えを持っているのか、を知りたがっています。
口頭ではなく日報などを通し、文章でしっかりと伝えることで記憶にも残りやすくなります。
もちろんリーダーが毎日書く必要はありませんが、経営陣やリーダーが日報を書く事は結果の出る日報に欠かせません。是非はじめてみましょう。
4-4. 日報を「業務」から「コミュニケーションツール」に変える
従業員が書いた日報にしっかりフィードバックする事で日報をただのやらなければならない「業務」から、生産性の高い「コミュニケーションツール」に変えることができます。
まずは従業員の日報に関心がある事を示すこと。そしてしっかりと関わりを持とうとする姿勢を見せていくことで質の高い日報を維持していくことができるでしょう。
あとは先に書いたポイントをおさえ日々実践あるのみです。定着化させしっかりと結果の出る日報に育てていきましょう。
充実したコミュニケーションをしていくにあたっては、「質問力」も重要です。質問力については「6. 日報で従業員を育てる! 大事なのはマネージメント陣の質問力!」をご参照下さい。
5. おすすめのクラウド型日報システム 2 選
日報の連絡方法として、をメールや、Chatwork などの業務連絡ツールを使っている会社も多いのではないでしょうか?もちろんそのような方法もいいのですが、便利な日報専用のシステムもあるのでご参考下さい。
ここでは、面倒くさいただの日報にならないために! 外出先でも書き込みやすい日報システムを 2 つご紹介していきます。
5-1. gamba!
主な特徴
- 1ユーザー 480 円から
- タブレットやスマートフォンから日報が提出できる
- 目標の達成状況が見える
5-1-1.活用術・機能その 1 日報で簡単に社内コミュニケーションができる会社に
社内 SNS 型の「日報」だから「いいね!」やコメント、さらに読んだ人の足あと機能(開封確認)など、あなたの会社にコミュニケーション & コラボレーションを生む仕掛けを作ることができます。
会社によっては飲み会などをして社内コミュニケーションを活性化させようとしている会社もあるのではないでしょうか。日報制度を導入することで飲み会にかかるコミュニケーションコストを下げることができます。
5-1-2. 活用術・機能その 2 さくっと手軽に日報提出
簡単操作でさくさく日報が作成できます。テンプレート登録、Google カレンダー連携、前日の日報を引用など、日報を手軽に作成する支援機能が充実しています。
5-1-3. 活用術・機能その 3 日報で目標達成状況が見える
売上・契約件数などの重要KPIの日々の目標達成状況が、グラフで見ることができます。
数値目標も自分の目標、全体の目標進捗が一目瞭然で、日報と一緒に自分の実績数値を更新するだけで、グループ全体の目標進捗も自動集計されます。
出典:日報システムgamba!
http://www.getgamba.com/
5-2.サイボウズ Office の日報
https://www.cybozu.com/sp/tempo/ws-can/
主な特徴
- 1ユーザー 800円
- タブレットやスマートフォンから日報が提出できる
- 情報が見える「日報」
日付、部署や重要度など、目的に応じて複数のビューを設定することができます。
またビューごとに、表示形式、表示する項目、項目の色を変更できます。
出典サイボウズOffice
https://www.cybozu.com/sp/tempo/ws-can/
5-2-1. 活用術・機能その 1 日報でチーム全体の知識レベルが向上し品質 UP
顧客からの生の声や、セミナーで得た最新の情報などを「掲示板」で全体に共有することができます。個人レベルで完結してしまっていた情報が全体に共有されることで新たな発見や学びを生み、チーム全体の知識レベルが向上し、品質向上へつながります。
5-2-2. 活用術・機能その 2 ファイル管理も日報で!
業務をみて、関連のある資料を「ファイル管理」で共有。何度更新しても常に最新のファイルが表示されるので、最新のファイルを探す手間やすでに存在しているデータを一から調べる時間を省くことで、作業効率向上へつながります。
5-2-3. 活用術・機能その 3 チームのスケジュールも日報で簡単把握。迅速対処ができ「顧客満足度」の向上へ
日報から、対応すべき問合せなどを見つけたら、「スケジュール」ですばやく参加者、施設の空き時間を確認し会議を設定。スピーディな意思決定、迅速な対処が可能となり、顧客満足度向上へつながります。
6. 日報で従業員を育てる!大事なのはマネジメント陣の質問力!
「アドバイスや助言」をしたつもりがなぜか煙たがられる……という経験はありませんか? 実は助言は単にお小言と取られる事も少なくありません。
そこで取り入れていただきたいのが「質問する」ということ。
フィードバックをする際、「こうすればよくなるのでは?」とアドバイスをするのではなく、自ら考えさせるように「質問をする」のです。
「どうしたらもっとお客様に喜んでもらえると思う?」
「この課題を達成するために今どんなことができるだろうか?」
「そもそもこのプロジェクトの最終的な目標ってなんだったかな?」
などなど。ただ言われた業務をこなすだけではなく、従業員の考える力を引き出し育てていくには管理者のみなさまの質問力が大事!と言っても過言ではありません。
ただ指示する、ただ教えるだけではない、従業員の能力を伸ばす質問をぜひ心がけましょう。
またチームのメンバー全員の日報を一定期間通して見る事で、「チーム内でどんな問題に直面しているか」が見えてきます。そこでぜひ取り組んでもらいたいことがチームへのフィードバックとチームミーティング。
「この 1 週間みんなの日報を見ていたけれど、大体の人が○○の問題を抱えているようだね。どこまで解決ができるかはわからないけどミーティングをして話合ってみよう!」
こんな投げかけをすることで「日報をちゃんと読んでくれているんだ!」「自分の日報がチーム運営に役に立った!」と感じるはずですし、自分の書いたことが反映されればより日報を書く意味を感じるので「これからもちゃんと書こう!」と思うはずです。
7. 日報導入成功ためのチェックポイント
日報導入を成功させ結果の出る日報に育てるため、報導入前、そして導入後にぜひチェックしましょう。
7-1. 従業員に導入目的をきちんと伝えられているか
導入前に導入目的と目標をしっかりと決め、「日報によりただ管理したいわけではない」ということ、また導入することでどんな成果がでるのか、についてしっかりと従業員に伝えましょう。
7-2. 日報入力負担が大きくないか
結果の出る日報にしたい!と意気込みすぎて入力項目が多くなり従業員の負担が増えるのでは意味がありません。日報本来の意味に立ち返り、入力項目は最低限に控え、入力負担を減らし続けられる日報を目指しましょう。
8. まとめ
結果の出る日報はひとえに、リーダーや経営陣である皆様の腕にかかっている、と言っても過言ではありません。
従業員を育て、円滑なコミュニケーションで会社を活性化し業績をアップさせる「結果の出る日報」に育てるべく、ぜひこの記事に書いてある「今すぐできる事」を早速実践し活用してみてください。