Dropbox と Microsoft Office が連携したことにより、Dropbox に保存してある Office ファイルを、Office Onlineアプリを使ってブラウザ上で直接編集することが可能になりました。
これにより複数の人と共有しながら Word や Excel のファイル編集を行えます。場所を選ばず、同じ環境で仕事ができるため、業務のスピードや正確性の向上が期待できます。
しかも、Dropbox ユーザーなら Microsoft アカウントや Office ライセンスを用意する必要はなく、無料で Office アプリが使い放題なんです!
ここでは Dropbox と Microsoft Office の連携でできること、Office Onlineアプリを使って Dropbox に保存してあるOffice ファイルをブラウザ上で編集する基本操作を解説していきます。また、Dropbox で Office ファイルを共有する手順も取り上げていますので、あわせてご覧ください。
1.Dropbox と Microsoft Office が連携するとできる 4 つのこと
2.Dropbox で Office Online アプリを使う方法
3.Office ファイルを Dropbox で共有する方法
4.モバイルデバイスでも Office ファイルを編集する方法
5.パッケージ版 Office にもあるDropboxの強力な連携機能
6.まとめ
1.Dropbox と Microsoft Office が連携するとできる 4 つのこと
1-1.Dropbox から Office ファイルを編集できる
2015 年 4 月から、Dropbox と Microsoft Office の連携が強化されました。具体的には Dropbox 上から Office Online を利用できるようになり、Word や Excel などの Office ファイルを Dropbox から直接編集できるようになりました。
ブラウザだけで利用可能な Office Online で直接ファイルの編集ができるため、特に Office をパソコンにインストールする必要はありません。
1-2.Office ファイルを複数の人で共有できる
Dropbox の基本的な機能として複数の人とファイルを共有することができます。もちろんそれは Office ファイルにも有効で、Office ファイルを渡したい人への共有リンクを発行してアクセスを可能にできます。
また、Dropbox 上にある任意のフォルダを共有フォルダとして設定、他の人にもアクセスを許可することでグループでの作業を進めることもできます。グループで作業したいフォルダに、一緒に作業をしたいユーザーを招待して特定のメンバーだけで共同作業ができます。
1-3.Office を購入する必要がなく無料で利用できる
Microsoft Office はパッケージソフトなので購入する必要があるのですが、Dropbox からも利用できる Office Online アプリならライセンス購入の必要がありません。
Dropbox ユーザーは Microsoft アカウントやライセンスの有無を気にせずに Office Online を使いまくることが可能です(Dropbox Business ユーザーは企業向け Microsoft アカウントが必要になります)。
1-4.ブラウザだけでどこでも Office が使える
Microsoft Office をパッケージで購入した場合はインストールする必要がありましたが、ブラウザ上で Word、Excel、PowerPoint といった Office アプリが使えるので外出先や環境の異なる場所でも利用可能です。
2.Dropbox で Office Online アプリを使う方法
2-1.アクセスリクエストの確認
はじめて Dropbox から Office Online を利用する際には、アクセスリクエストの確認作業があります。以下のような画面が表示されたら、「許可」をクリックしてください。
Word ファイルや Excel ファイルなどをプレビューしている際に、Office Online が使える状態になったことが通知されます。
初めて開く場合は、ここで OK をクリックしても起動できます。
2-2.Word Online の使い方
ブラウザを立ち上げ、ウェブ版の Dropbox にアクセスします。Dropbox 上にある Word ファイル(拡張子が .docx)をクリックします。
2-2-1.Word Online の起動方法
Dropbox 上でWord ファイルをクリックすると、プレビュー画面になります。このままで閲覧しているだけで編集はできないので、右上にある「開く」の右隣にあるプルダウンメニューをクリックします。この Word ファイルを何で開くかを選択できるので、ここで Microsoft Word Online をクリックします。
これで Word Online が起動して、ブラウザ上での編集が可能になります。
Word Online で編集を行うと、Dropbox 上に自動的に保存されます。パソコンやスマホなどと共有している場合は、それぞれのデバイスで最新のファイルに更新されます。
2-2-2.Word Online の終了方法
編集を終えて Word Online を終了する場合は、「ファイル」メニューをクリックから左メニューにある「終了」をクリックします。なお、ファイルの編集内容は自動的に保存されています。
2-3.Excel Online の使い方
ブラウザを立ち上げ、ウェブ版の Dropbox にアクセスします。Dropbox 上にある Excel ファイル(拡張子が .xlsx)をクリックします。
2-3-1.Excel Online の起動方法
Dropbox 上にある Excel ファイルをクリックすると、プレビュー画面になります。プレビュー画面では編集ができないので、右上にある「開く」のメニューを開きます。「開く」の右隣にある下向きの矢印をクリックするとプルダウンメニューが開きます。ここで Excel Online を選択するとMicrosoft Excel Online が起動して編集が可能になります。
ここで行った編集は自動的に Dropbox に保存され、同じアカウントで同期している各デバイスや、同じファイルを共有しているユーザーが使用しているデバイスでも自動的に更新されます。
2-3-2.Excel Online の終了方法
Excel Online を終了するには、左上の「ファイル」メニューをクリック、次に表示されたメニューの左下にある「終了」をクリックします。
2-4.PowerPoint Online の使い方
ブラウザを立ち上げ、ウェブ版の Dropbox にアクセスします。Dropbox 上にある PowerPoint ファイル(拡張子が .pptx)をクリックします。
2-4-1.Powerpoint Online の起動方法
Dropbox 上にある PowerPoint ファイルをクリックしてプレビュー画面を開きます。プレビュー画面は閲覧のみなので、ここで右上にある「開く」メニューを開き、そこから Microsoft PowerPoint Online を選択します。
Microsoft PowerPoint Online が起動すると、編集可能な画面になります。レイアウトや使い勝手も従来の PowerPoint を踏襲しているのでシームレスに利用可能です。
ここで編集をすると自動的に Dropbox に保存され、同じアカウントに同期している各デバイスや共有ユーザーのデバイスで自動的に最新のファイルに更新されます。
2-4-2.PowerPoint Online の終了方法
PowerPoint Online を終了するには、左上にある「ファイル」メニューをクリックして、その中にある「終了」をクリックします。なお、ファイルの編集内容は自動的に保存されています。
3.Office ファイルを Dropbox で共有する方法
3-1.他の人にファイルの保存場所を伝える
他の人に Office ファイルなど各種ファイルの保存場所を伝えることで、Dropbox 上でグループ作業が可能になります。この機能を Dropbox では「共有リンク」といいます。
Dropbox 上で共有したいファイルの右にマウスポインタを移動させると「共有」というボタンが出現するので、この「共有」をクリックします。
次に表示された画面に「ファイルへのリンク」が表示され、そこにある URL が共有したいファイルへのリンクです。
「リンク送信先」の欄にメールアドレスを入力すれば、この画面から直接相手に対象ファイルへの URL が通知されます。その方法以外にも URL をコピーしてチャットアプリやSNSなどを使って相手に伝えることで、対象ファイルへのアクセスが可能になります。
3-2.ファイル共有を終了する
リンクを作成してそのままにしていると、いつまでもそのファイルへのリンクが可能になります。グループでの編集作業が完了したら、セキュリティの観点からもリンクを削除することをお勧めします。リンクの削除は、対象ファイルの右にマウスポインタを移動させて出現した「共有」をクリック、以下の画面から行います。
リンク削除をクリックすると、「他のユーザーがこのファイルを閲覧できなくなります」というメッセージを含む確認画面になるので、ここで「リンクを削除」をクリックします。
この操作をした後で、通知された URL にアクセスをしても以下の画面になりリンクが削除されていることが確認できます。
作成した共有リンクを一括で管理したい場合はDropboxのブラウザ上の「リンク」メニューをクリックすることでまとめて管理することができます。
3-3.共有フォルダの作り方
Dropbox では、フォルダごとに他のユーザーと共有して利用することが可能です。設定方法は、特定のフォルダ内にグループで作業したいファイルを入れて、該当のユーザーに招待をするという流れになります。
Dropbox のメニューにある「共有」をクリックします。
現在共有されているフォルダの一覧が表示されます。まだ何も設定してない場合は、空欄になっています。
画面右上にある「新しい共有フォルダ」という青いボタンをクリックすると、新たにフォルダを作成して共有するのか、もしくは既存のフォルダを共有するのかを尋ねてきますので、希望する方法を選択します。ここでは、既存のフォルダを選択してみます。
次に、どのフォルダを選択するのかという階層図が表示されますので、共有したいフォルダをクリックしてから「次へ」をクリックします。
招待したいユーザーのメールアドレスを入力する画面になります。無料版(Dropbox Basic)の場合は招待したユーザー全てが編集可能の権限を与えられますが、有料版(Dropbox Pro、Dropbox Business)では閲覧のみのユーザーなど細かい権限の設定も可能になります。この参加者に後からでも編集権限を付与することができます。その方法は次項で解説します。
3-4.共有フォルダの参加者を編集する
作成した共有フォルダに新たな参加者を招待したり、すでに参加しているユーザーを削除するなどの編集方法を解説します。
Dropbox 画面の左にあるメニューから「共有」をクリックします。先ほど作成した共有フォルダが表示されるので、その右にある「オプション」をクリックします。
メンバーの右にある×印をクリックするとメンバー削除、左下にある「もっと招待する」の欄から新たなユーザーの招待が可能です。編集が完了して「完了」をクリックしたら変更が反映されます。
3-5.共有フォルダの共有を解除する
グループでの作業が完了したら、フォルダ単位の共有を解除しておきましょう。共有を解除すると、解除した時点でのフォルダの中身はそれぞれのユーザーの Dropbox に残すか、削除するか選ぶことができます。ファイルを残すことを選択した場合、それ以降他の共有メンバーが編集した内容は同期されなくなります。
Dropbox 画面左のメニューから「共有」をクリック、そこで表示された共有フォルダ一覧の中から共有解除をしたいフォルダの右にある「オプション」をクリックします。
そこで表示された編集画面の左下にある、「共有を解除する」ボタンをクリック。次の確認画面でさらに「共有を解除する」をクリックすれば解除完了です。最後の確認画面では、共有相手のフォルダのファイルを削除するか、残すかを選択できます。
3-6.Office Online を利用する際の注意事項
3-6-1.Office ファイルのバージョンに注意
Dropbox から利用できる Microsoft Office Online で既存の Office ファイルを扱うにあたり、1 つ注意点があります。それは、Office 2003 以前のファイルをブラウザ上で開けないというもので、拡張子の末尾に x が付いていないものについては、そのままでは Office Online で開くことができません。
このように、プレビュー画面から開くメニューの中に Online アプリで開く項目がありません。
古い Office 系ファイルを開く場合は、あらかじめアプリケーション側で .docx、.xlsx、.pptx などの拡張子になる新しいバージョンで保存してから使用してください。
3-6-2.Online 版でサポートしていない機能が含まれたファイル
Office Online はパッケージソフト版の Office よりも機能が限定されています。そのため、ブラウザで Online 版からファイルを開こうとするとサポートされていない機能の警告が表示されることがあります。
その場合は Online 版がサポートしていない機能を含まないコピーが新たに作成されます。この場合、Online 版で作成されたファイルが最新になるので間違わないようにしてください。
4.モバイルデバイスでOfficeファイルを編集する方法
Dropbox アプリを使用すれば、iPhone や Android などモバイル端末でも Office 系ファイルの編集が可能です。
iPhone、iPad、Android 端末などで Dropbox アプリをインストール(すでにインストールされている場合もあります)して、アプリ上から Office 系ファイルをタップします。
初めて起動しようとしている場合は、以下のように Office Online を利用できる通知が表示されます。
その吹き出しが指し示している編集ボタンをタップすると、インストールの通知が表示されます。この場合は Word ファイルを開こうとしているので、Word Online のアプリのインストール確認画面になります。
ここで「今すぐインストール」をタップすると iOS では App Store、Android の場合は Google Play に遷移してアプリインストール画面になります。このインストールが完了すると、モバイル端末からでも Office Online での編集、保存が可能になります。
Excel や PowerPoint ファイルの編集をする場合はそれぞれのアプリを同様の方法でインストールしてください。
なお、有料版である Dropbox Business のアカウントで利用されている場合は、企業向けの Microsoft アカウントを用意して Office Online の編集を可能にするライセンスが必要です。
5.パッケージ版 Office にもあるDropboxの強力な連携機能
パッケージ版 Office の WordやExcel、PowerPoint を利用しているときに、ファイルの右側に出てくる Dropbox のアイコンが気になっていませんか?
これは「バッジ」といい、Dropbox に保存されている WordやExcel、PowerPoint ファイルを開くと表示されます。
Dropbox の機能を利用するためのショートカットのようなもので、共有リンクの作成や、複数人で編集している場合は、誰が見ているのか、最新版を表示することなどができます。
6.まとめ
従来は Dropbox に保管していた Office ファイルをパソコンなどにインストールされたアプリケーション版の Office を使って編集、再び Dropbox に保存する必要がありました。しかし、Dropbox と Microsoft Office Online の提携によってオンライン上で編集と保存の全てが完結するようになり、より機動力とファイル保管の安全性が向上しています。
パソコンであれば新たなソフトをインストール必要がなく、ブラウザがあればいつでもどこでも編集が可能になり、さらにモバイル端末でもアプリをインストールすることで直接編集がすることができます。
これらの機能をマスターして、特定の場所や時間に縛られない新しいワークスタイルを実践してみませんか?