コラボレーションが大事!ミュージシャンがライブを作り上げる方法

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撮影:マディ・コルドバ

アーティスト マネジメント会社の Future Classic は先日、ロサンゼルスに開設した新スタジオで、第 1 回「クリエイティブ インキュベーター」イベントを開催しました。イベントの目玉となったのは、同社の創業者で CEO のネイサン・マクレー氏が進行役を務めたパネル ディスカッションです。

このイベントには、現代の音楽シーンを代表する大物ミュージシャンとのコラボレーションで圧倒的なライブ イベントを作り上げて有名になった 3 人のデザイナーがゲストに招かれていました。

ゲストの 1 人であるマーティン・フィリップス氏は、小さなクラブの照明を工夫して舞台効果をつくることからスタートし、今ではナイン・インチ・ネイルズ、ブッシュ、ソウダ・ステレオなどの著名アーティストのライブ イベントでテクノロジーの限界に挑戦する舞台演出を手掛けている人物です。

Bionic League の共同創業者であるフィリップス氏は、カニエ・ウェスト、レディー・ガガ、ザ・ウィークエンドの舞台演出を担当したほか、壁画アートからポップ カルチャーにまで発展したダフト・パンクやデッドマウスのイメージ グラフィックスでも知られています。

マーティン・フィリップス氏(撮影:マディ・コルドバ)

アーティストで映像作家、プロダクション デザイナーのアビー・ポートナー氏は、アニマル・コレクティヴとのコラボレーションやそのセット デザインで特に有名ですが、このほかにも、コーチェラ・フェスティバルのプロダクション デザインと舞台美術、ジョン・ケイルのミュージック ビデオの監督、ジム・ヘンソン・スタジオの人形製作を手掛け、さらには、自身の彫刻作品、インタラクティブ デザイン、プロジェクション作品の展覧会を世界中で開催するなど、多方面で活躍しています。

オーディオ ビジュアル プロデューサーでプログラマー、ミュージシャンのマシュー・デイヴィス氏は、長年、ライブ音楽ショー向けコントロール システムとインタラクティブ プラットフォームの開発に取り組んでいます。

ロサンゼルス・フィルハーモニックの公演で電子音楽の演奏を担当したほか、ドレイクやベースネクター、ザ・グリッチ・モブのショー プログラミング、ディズニー・イマジニアリングの AV インタラクティブ システムの設計、インテルのゲーム エンジン エクスペリエンスのプロデュースを手掛けています。

今回は、イベントで語られた、ライブ イベントを成功に導くための鍵となるポイントご紹介します。
 
 

アビー・ポートナー氏とネイサン・マクレー氏(撮影:マディ・コルドバ)

ライブ イベントはミュージシャンの生命線

ミュージシャンにとって、ライブ イベントはかつてないほど重要な存在となっています。
大きな収益源であるというだけでなく、ミュージシャンの「ブランド」の延長線上にあるものなのです。

「音楽に対する人々の姿勢は、ここ数年で劇的に変化しました。音楽は無料であるという考えがこの 10~15 年ほどで格段に広まった一方、ライブ イベントにこそお金を払う価値があると考えられるようになっているのです。」 — フィリップス氏

アーティストのビジョンを形にする

アーティストとデザイナーでは、掲げる計画や目標が違うので、それぞれが抱える制約も異なります。
そのため、思い付いた個々の創作アイデアを融合させ、1 つの作品を作り上げるのはそう簡単なことではありません。

「パフォーマンスとは、『コミュニケーション』です。アーティストは、パフォーマンスという形で何を伝えたいと思っているのか。それをどう表現しようとしているのか。私たちは、それをくみ取ったうえで、コミュニケーションからさらなる情報を引き出し、パフォーマンスの表現力を高めようとしています。」 — デイヴィス氏

「何がいいかはわからなくても、何がイヤかは誰でもはっきりわかるものです。これは、ミュージシャンのイメージを理解するための重要なポイントとなります。ミュージシャンに「こんな風にしたいというイメージはありますか?」と尋ねると、たいていの場合「目の前に現れてくれればすぐにこれだ!と言えるんだけどね…」というデザイナー泣かせの返事が返ってきます。」 — フィリップス氏

クリエイティブな発想と実現可能性のバランス

クリエイティブな表現と、現実の制約という、多くの場合相反してしまうこの 2 つの要素の折り合いを付けるのはとても大切な作業です。たいていの場合、その調整はプロダクション マネージャーが担当します。

「アニマル・コレクティヴは、プロダクションをとても重視しています。ですが、新しいツアーのデザインを始めると、毎回必ず、大金のかかる、目を疑うとんでもないアイデアが出てきます。そんなときは、バンドの予算に合わせて内容を調整する必要があります。」 — ポートナー氏

アーティストのスタイルやビジョンを踏まえてデザインする

このイベントの主要テーマの 1 つに挙げられていたのは、アーティストのステージでのパフォーマンスに合わせてライブ イベントを構成することがいかに重要であるかです。

「ライブ イベントを構成する際には、「これとこれは音楽的に調和する」といったアイデアが出ることがあります。でもレコーディング スタジオでは素晴らしく才能のある人だからと言って、ライブの現場を熟知しているとは限りません。そうしたギャップを埋めるのも、私たち現場の人間の役割です。」 — デイヴィス氏

撮影:マディ・コルドバ

役割と責任を明確にする

ゲストのデザイナーたちは、ライブ イベントの方向性を決める大局的な意思決定は、一元的に下すことが重要だとも指摘しています。そうすれば、チームのメンバー全員に特定の役割が与えられ、やるべきことが明確になるからです。

「創造的なアイデアに関する指示は、全員にとっての最終的な責任者である人間が統一的に行うべきです。…チームには、トップに必ず誰か取りまとめが必要なのです。」 — フィリップス氏

Future Classic x Dropbox スタジオのアーティスト コミュニティはどんどん拡大しています。
ブログでは、創作活動の現場で行われるコラボレーション イベントの模様を今後もレポートしていきますので、どうぞお楽しみに!

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