人気 インディー ロック デュオ が言葉を駆使してコラボレーション

共同制作は、誰にとっても簡単なことではありません。力を合わせて期待以上のものを作り上げるには、忍耐と歩み寄り、そして強い意志が必要です。
それがバンドであれば、メンバー同士がハーモニーを奏でているのか、それとも不協和音が生じているのか、演奏を聞けばすぐにわかります。多くのバンドにとって課題となるのは、エゴのぶつかり合いです。
しかし、インディー ロック デュオの Diet Cig にとって課題となったのは、言葉の壁でした。ドラマーのノア・ボウマンには長年のバンド経験がありましたが、ボーカル兼ギタリストのアレックス・ルチアーノは、音楽を始めたばかりでした。彼らはどのようにしてその対立を乗り越え、アイデアを伝え合い、それを楽曲に落とし込む方法を学んだのでしょうか?2 人に詳しく伺いました。

インタビュー 目次

  1. 2 人が出会って、一緒に音楽を作ることになったきっかけは?
  2. お互いのバックグラウンドが大きく異なる中で、新しい曲を作るときは、音楽的な共通点をどのように見つけているのですか?
  3. 脈絡のない歌詞を歌にするのはどんなプロセスですか?
  4. ツアーを始めてから、作曲のプロセスは変わりましたか?
  5. アルバムのアートワークやグッズは、デザイナーと共同で作っているのですか?
  6. 離れた場所にいながら、クリエイティブな意思決定を共同で行うのは難しかったですか?

一番時間がかかったのは、何をするかを言葉で説明することでした。
私には音楽経験がなかったので。

アレックス・ルチアーノ: Diet Cig

1. 2 人が出会って、一緒に音楽を作ることになったきっかけは?

アレックス ー
私が映像制作の学校に通っていたとき、「バンドのミュージック ビデオを作ってあげる」と言って彼のバンドに出入りするようになったんです。
バンドの演奏を録画したり、ライブに行ったりしていました。
それで「私にもできるかも。ステージの上で思いっきりジャンプしたい!」と思って、一緒に演奏してみることになりました。

友達だったからお互いに信頼していて、
「いいね、一緒にやろう!」とすぐに意気投合しました。

ノア ー
それに 2 人とも何かを期待していたわけではないので、
「求めているものと合わないから無理」ということにもなりませんでした。
「やると決めたんだからやろう。やらない理由なんてない」という感じ。
だから、僕らの信頼関係は…。

アレックス ー
やり始めた最初からあったというか。

ノア ー
音楽経験がまったくないメンバーとバンドを組むのは初めてなんです。
知り合ったとき、アレックスは白紙の状態でした。
彼女の場合、「私はこの方法でやってきたから、こうじゃないとできない」というようなこだわりがない。
「手探りでバンドをやっているけど、それがすごくワクワクして楽しい」といった感じでした。

アレックス ー
このバンドを始めるまでは、ソロで演奏したこともありませんでした。
曲は書き始めていたけど、その曲をどうするかも考えてなかった。ソロのアーティストにはなりたくないと思っていて。でもまさかバンドでやることになるとは思ってもみませんでした。ノアに会うまでは
彼は「それ、いい感じだね!」とか、「良いとか悪いとか気にしないで、とにかくやってみようよ」と言ってくれました。バンドを始めてからですね、「私にもできる。気にしなくていいんだ。コード進行を間違えても、ステージでヘマをしても大丈夫なんだ。だってそのためにバンドをやってるんだし、それが楽しいんだから」と心から思えるようになったのは。

お互いを理解し合えるまでにはすごく時間がかかりました。
要はコミュニケーションの問題です。
私にとってまったく未知の言葉でアイデアを伝えなければならなかったので。

アレックス・ルチアーノ: Diet Cig

2. お互いのバックグラウンドが大きく異なる中で新しい曲を作るときは、音楽的な共通点をどのように見つけているのですか?

アレックス ー
一緒に曲を書くときに一番時間がかかったのは、何をするか、どんなアイデアを伝えたいのかを言葉で説明することでした。
私には音楽経験がなかったので。「じゃあ、私が『ラーラーラー、ララー』っていうパートで」と言うと、彼は「え?」って。

お互いを理解し合えるまでにはすごく時間がかかりました。
要はコミュニケーションの問題です。私にとってまったく未知の言葉で、アイデアを伝えなければならなかったので。
「やりたいことをどうやって伝えたらいいかわからないから、とりあえずやって見せるね」という感じです。

ノア ー
そうそう、「それでいいよ。でもその『ターラーラー、ララー、ターラーラーラーラー』のところでは、こうしよう」という感じでした。
それでアレックスが「ああそうね。何を言いたいのかわかった」と。

アレックス ー
今では 2 人の息はぴったりですが、そこに行きつくまでの時間が相当長かったことは間違いありません。

創作はどのように始めていますか?いろいろメモするとか?

アレックス ー
そう、そうなんです。
クレイジーなノートがあるんです。
私の作曲プロセスはめちゃくちゃなんですよ(笑)。

ノア ー
そこらじゅうに散らかってます。車の中はメモでいっぱいですよ。

アレックス ー
いつか有名になったら、誰かが私のノートを見て「この人はとっ散らかってる」って言うかもしれませんね。

ノア ー
今でもたまに昔のメモが変なところから出てくることがあります(笑)。
何かの下とか。ツアー中であちこち移動しているから、この 2、3 か月で全部捨てたんですが。
この間、荷物を整理していたらアレックスの昔のメモを見つけて、「わあ、このメモ 2 年くらい前に無くしたものだ!」って。というか、無くなっていたことすら気付いていませんでした。

アレックス ー
強い感情が湧き上がってきたときに、ただ自由にメモしているような感じなんです。気に入ったところに線を引いて、「じゃあこれを歌詞にしよう。ここで韻を踏もう。このフレーズは気持ちをそのまま表現しよう」という感じで。
たくさん書いて書いて書いて、その中から丸で囲んで、そこから「これだ!」って言って選ぶ。疲れるし、頭もおかしくなるし、ただ感情の赴くままに進めているというか。楽しいですけどね。

3. 脈絡のない歌詞を歌にするのはどんなプロセスですか?

アレックス ー
ざっくりと、どんな曲にしたいのかというアイデアから始めます。
コード進行 1 つと数行の歌詞と、後はいくつかの断片ですね。
それで「これがどんな曲になるのかわからない。ノア、一緒に考えよう」と。
彼は曲をまとまった形にするのが本当に上手なんです。

ノア ー
彼女が相談に来るときは、いつも何かアイデアがあるんです。
だから僕はドラム セットに座る前に、「今ある状態で、1 曲通して演奏してみて」と言うんです。始める前にそれについて少し話し合います。そのあと流れを少しずつ決めていくんです。「OK、これがいいんじゃないかな。こうしたらうまく行くんじゃない?」というような感じで進めていきます。

4. ツアーを始めてから、作曲のプロセスは変わりましたか?

ノア ー
「Swear I’m Good At This」は、スタイルも曲調も、以前より少し意識して作りました。最初の 2 曲は、言葉を吐き出しているようなものでした。
まずは歌ってみて、どうなるか試してみたんです。EP 盤が出る前に多分 5 回くらいライブで演奏しています。それからツアーに出て、「このツアーで試行錯誤して、自分たちが何者なのかを見つけないといけない」と思いました。

アレックス ー
トライ アンド エラーを何度も繰り返しました。
お客さんの前でひどい失敗もやらかしたし。

ノア ー
そう、それでしっかり合わせないといけない状態になったので良かったですね。ツアーを経験して、アレックスはギターがかなりうまくなったし、自分の強みもわかってきました。それに、僕の長所もわかってくれてます。新しいアルバムを作るのはとても楽しかったですね。「今ならどこまで自己主張していいかわかるから、お互いの限界を押し広げられる」という感じでした。

アレックス ー
「Over Easy」のレコーディングのときは、自分たちの曲を演奏するのもやっとでした。ギターを始めたばかりだったし、ギターを使って自分が何をしたいのかもあまりわかっていなかったんです。
ギター録りの日は緊張してストレスがすごくて、「もしかしたら弾けないかもしれない」と思いました。でも今回のアルバムでは、ギター録りの日には「もう準備バッチリ」という感じでした。

5. アルバムのアートワークやグッズは、デザイナーと共同で作っているのですか?

アレック ー
新作を発表するにあたって、プリオーダーやグッズでたくさんコラボレーションしました。素晴らしいデザイナーの友人がたくさんいるんですよ。
日本製の光沢のあるサテン生地を使ってピンクのボンバー ジャケットを作りました。とても綺麗なんです。アーティストでデザイナーのチューズデイ・バッセンがデザインして作ってくれた、すごく素敵なものです。
彼女はジャケットのアパレル ラインを持っているんですよね。私たちから連絡して、「何かコラボレーションできませんか。あなたの作品全部が大好きなんです!何か一緒にやりましょう」と伝えました。
そして彼女と一緒にデザインを考えて、プリオーダー用の限定 50 着のジャケットを作ったんです。彼女の作品が大好きなので、コラボレーションできてとても嬉しかったです。作品づくりに関われたというだけで、最高でした。

6. 離れた場所にいながら、クリエイティブな意思決定を共同で行うのは難しかったですか?

アレックス ー
そうですね、ちょっと難しかったです。やりたいことを伝えるのに、たくさんメールのやり取りをしました。どんな配色にするか決めるまでに、50 パターンほど見せてもらったと思います。こちらからは生地のサンプル写真などを送り返して、「ねえ、これをこの照明で試せる?」とか。楽しかった!
彼女からはスケッチが送られてきて、私たちが「これはいいね、でもこれはちょっとイマイチかな」と、全部メールでやり取りしました。クレイジーですよね。それから、デザインなどは Dropbox でやり取りして。

ノア ー
あれは良かったよね。

アレックス ー
メールで共同作業ができるのは本当にすごいことだと思います。
「それいいね、でもあれとこれを試せる?」とすぐに言えるのは楽しいし、本当に便利ですから。このデザインはとても気に入っているんです。
今回のアルバムは、グッズでたくさんのコラボレーションをしました。

ノア ー
アルバムのアートワークの刺繍はケリー・ライアンの作品です。綺麗な刺繍をたくさん見てきましたが、彼女の作品は一線を画しています。それに仕事がすごく速いんです。使う色も、すべてが素晴らしい。
最初の EP 盤「Over Easy」で刺繍を使ったんですが、そのときは友達に作ってもらいました。同じテーマにしたかったのですが、今回はもう少し、何と言ったらいいかな。

アレックス ー
もう少し洗練させたかった。アートワークをお願いしたケリーは、とても緻密で、素晴らしいアーティストです。それにとってもいい人でした。私がこのアートワークのムード ボードをたたき壊したときも。

ノア ー
床にも壁にも、あらゆる場所に散らばっていたね。

アレックス ー
それをメールで送りました。
ムード ボードをアップで撮影した写真を 50 枚ほど。「アルバムのカバーだから、完璧にしたいの」と言って。彼女のデザインを写真に撮って送り、「これとこれみたいにしたい、でもこっちの色と雰囲気で」と伝えました。ビンテージのポストカードなんかも送りました。
彼女と一緒に作品が作れて嬉しかったです。本当に素晴らしいアーティストで良い友人でもありますから。このアートワークで真剣にコラボレーションできて良かったです。

Diet Cig のライブ情報は DietCig.com で今後のツアー日程をご覧ください!

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