ミックステープ DJ がアーティストを引き立てる裏方として成功を収めるまで

Photo by Brandon Ballard for Embassy: Interactive
Photo by Brandon Ballard for Embassy: Interactive
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執筆:ドリュー・ピアース

将来有望なアーティストのプロモーション ビデオや社会的意義のある動画の制作に携わるダニエル・ジャクソン氏は、Dropbox Replay を活用してクライアントによる動画レビューを効率化しています。

「自分の直感に従うプロ」なる人がいるとすれば、ダニエル・ジャクソン氏はその 1 人かもしれません。ミックステープ DJ、そして野心に燃えるラッパーとしてキャリアをスタートさせたジャクソン氏は、音楽制作にとどまらず、コミュニティ構築のスキルも高めていきます。しかし、著名アーティストからコラボレーション相手に指名され、大手レーベルのプロジェクトに参加するまでになっても、何かがしっくりきていなかったといいます。

「ステージに立っていて心地よく感じたことは一度もありませんでした。そこは、私の本当の居場所ではなかったのです」とジャクソン氏は話します。「私の情熱は、人々の注目が集まる場所ではなく舞台裏にあると気付きました。」

そこでジャクソン氏は、ミックステープ制作やインタビューを通じて他のアーティストをプロモーションすることに専念しようと決意します。「私たちがラジオでプッシュしていたアーティストたちは、フィラデルフィア、ニューヨーク、ニュージャージー中のお店や、外国でミックステープを販売していました。」

ジャクソン氏が制作したミックステープや写真、動画は高い評価を受け、同氏のプロモーターとしての名声は音楽業界全体に広がっていきます。そして 2016 年、ジャクソン氏は今こそ会社を立ち上げるときだと決断しました。
「自分で会社を作ったらどんなことになるんだろうと好奇心でいっぱいでした」とジャクソン氏は振り返ります。

こうして Embassy : Interactive を創業したジャクソン氏の作品は今、New York Times や Vogue、映画祭、CM、さらには展覧会で取り上げられるまでになっています。今回、そのジャクソン氏にインタビューを行い、動画のレビュー プロセスを効率化するために Dropbox ReplayDropbox Transfer をどう活用しているか、お話を伺いました。

ダニエル・ジャクソン氏の写真(撮影:レーガン・ジョーンズ氏、提供:@embinteractive)
ダニエル・ジャクソン氏の写真(撮影:レーガン・ジョーンズ氏、提供:@embinteractive)


私の情熱は、人々の注目が集まる場所ではなく舞台裏にあると気付きました。

 

自分の音楽プロモーション会社を立ち上げようと思ったのはなぜですか?

アーティストのプロモーションをしたり、人脈を使ってまだあまり知られていないアーティストを音楽関係者に紹介したりといったことには、以前から熱心に取り組んでいました。ジェイ・Z やエミネムのことは誰でも知っていますよね?でもそんな有名アーティストも、「あの地域にはこんなすごいやつがいるよ。聞いたことないかもしれないけど」という会話から名前が知られていったのです。私は、私のセンスを信頼してくれる人たちにアーティストを紹介するのが好きなんです。
Embassy : Interactive を立ち上げたとき、音楽業界は変化のまっただ中にありました。ですから、ミックステープのフォーラムにするのではなく、アーティストのインタビューやコンサートの写真を掲載するプロモーション ウェブサイトにしようと思ったのです。

プロモーションするアーティストはどのように選んでいるのですか?

Embassy : Interactive の方向性に特に大きな影響を与えたのが、私の出生地でもあるフィラデルフィアのローガンという地域出身の Khemist です。彼を紹介されたのはまだ Myspace が人気だったころでした。「うわ!ローガン出身のこの少年はすごい音楽をやっているな!」という風に衝撃を受け、彼がオンラインで共有していたすべての楽曲を私のウェブサイトに投稿しました。すべてはそこから始まったのです。
それから私は、他の地域に住む友人たちに「地元でお気に入りのアーティスト」を聞いて回るようになりました。「どこそこにいるこのアーティストがいいよ」と教えてもらえるので、そこからさらにアーティストの共演相手やフォロー相手にも目を向けていき、そうこうするうちに Embassy : Interactive はいろんなアーティストに知られるようになって、プロモーションやコンサートの関係者にも口コミで評判が広がっていきました。こうした人たちもアーティストを紹介してくれるので、私はその情報をサイトに投稿していったのです。

何がきっかけで、クラウドベースの共同作業ツールを使い始めたのですか?

きっかけは、忘れようにも忘れられません。すべての作業ファイル、つまりアーティストから送られてきた楽曲ファイルや CD ジャケット、レイアウトなどをすべて保存したパソコンが、マイケル・ジャクソンの葬儀の映像を見ているときにクラッシュしてしまったのです。そのときまで、私はハード ドライブの内容を一切バックアップしておらず、クラウドベースのシステムも使っていませんでした。クラッシュしたパソコンは修理に出したのですが、今度はそれを盗まれるという被害が発生しました。すべてを失ったも同然の状況です。個人的に作業していた多くの楽曲、将来に向けて用意していたすべての音楽を失ってしまいました。このトラブルで、たくさんの時間を無駄にしました。

その後、日々のワークフローで Dropbox を使い始めたのですね?

そのとおりです。今は、1 日の作業内容をまず Dropbox に保存し、そこからスマートフォンやノート パソコン、タブレットといったデバイスにデータを同期しています。また他の人にファイルを送る際には Dropbox Transfer を使っていますが、誰がファイルをダウンロードしたかわかるところが便利ですね。

ジョーイ・カソスの写真(撮影:ダニエル・ジャクソン氏、提供:@embinteractive)
ジョーイ・カソスの写真(撮影:ダニエル・ジャクソン氏、提供:@embinteractive)


アーティストのプロモーションをしたり、人脈を使ってまだあまり知られていないアーティストを音楽関係者に紹介したりといったことには、以前から熱心に取り組んでいました。

 

あるとき、私が送ったリンクが転送され、何らかのオンライン プログラムでの配信に利用されたことがありました。確認したところ、このリンクの動画は 16 回ダウンロードされていて、ダウンロードしたさまざまな人の名前も見ることができました。いったいこの人たちは何者なんだろうと思いましたね。この機能の存在をありがたく思うのは、いろいろなプラットフォームと競合する可能性のあるこれらの動画の投稿者は誰なのか、という点が重要だからです。圧倒的な視聴回数を得るのは動画の所有者であるべきで、同じ動画をアップロードした全員である必要はないはずです。

また私は、大企業や官公庁ともたくさん仕事をしているのですが、このような取引先からは能力記述書の提出を求められることがよくあります。能力記述書とは、企業の履歴書のようなものです。私は、この能力記述書を Dropbox Transfer のリンクとしてウェブサイトに掲載し、能力記述書がダウンロードされたときに確実に把握できるようにしています。ダウンロードした人からメールが届く可能性があるからです。

クライアントによる動画レビューを効率化するために、他に何かツールを使っていますか?

私は今、フィラデルフィアでのイベント開催を予定しているある企業のために動画を制作しています。動画ファイルはサイズが大きく、取引先の CEO はあまり大きなファイルをパソコンにダウンロードしたくないと言っています。そのため、今年からはすべての動画ファイルを Dropbox Replay にアップロードし、オンラインで視聴できるようにしました。

またフィラデルフィア市とのプロジェクトでは、暴力防止プログラムのための動画を制作中です。ここでは Dropbox Replay を使って最初のドラフト版を作成し、関係者全員がチェックできるようにしています。すべてのコンテンツを 1 つのリンクにまとめることができ、大量の動画を共有したりフィードバックを送ったりする必要がありません。関係者は、他の人のコメントをリアルタイムで確認できます。これなら、どこか別の場所に動画などのコンテンツが投稿されてしまう心配もありません。

@embinteractive の Instagram リール
@embinteractive の Instagram リール


あるとき、動画のエンディングに高解像度画像を挿入する作業を待っている間に、レビューしてもらうつもりで関係者に動画のドラフトを送ったことがありました。しかしその関係者は動画をダウンロードし、ソーシャル メディアに投稿してしまいました。ドラフトの出来も悪くはなかったのですが、人に見せられる品質ではありませんでした。そのとき、今後は Replay を使おうと思ったのです。

2024 年、自分の会社を立ち上げたいと思っている人たちに何かアドバイスをお願いします。

私がお伝えしたいのは、その機会があるならやるべきだということです。自分にとってチャンスだと思ったら、チャンスをつかむべきです。2016 年、私が初めて会社を作ったときはいろいろと苦労をしました。最初の一歩から、計画どおりに進まないことばかりでした。しかしその苦労が無駄だったとは思いません。すべてが学びの機会だったと考えています。

人は、さまざまな機会に知性を磨くことができます。もし自分に何か欠けているスキルがあるのなら、その分野で自分より優れている人とつながる努力をしなければなりません。そうしたことが、チームや人脈、リソースの成長につながるのです。

*本ブログは、2023 年 12 月 18 日に公開された内容を翻訳したものです。
*趣旨を明確にするため、このインタビューは編集および要約されています。