1Password と Dropbox と、たった 1 つのパスワードであなたのスマホを守る方法

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ネットサービスはどんどん進化して、私たちの生活にとってより重要なものになっています。それに伴ってログインに必要なパスワードの数も増え続け、人間の頭の中だけでは管理をするのが難しくなってきました。

ただし、それゆえに同じパスワードを使い回したり、誰でも推測できるようなパスワードを使うのは「戸締まりをせず外出する」ようなものです。使い回しているパスワードを破られてしまうと多くのネットサービスにログインできてしまうので、アカウント乗っ取りなどのリスクは一層高くなります。

そこでおすすめをしたいのが、定番となっているパスワード管理アプリの「1Password」です。たくさんあるパスワードを 1 つのパスワードで管理できる上に複雑なパスワードを生成して安全性を高める機能など、パスワード管理に欲しい機能が満載です。

そしてそんな便利な1Passwordを複数のデバイスで利用する場合、Dropbox などのオンラインストレージと同期させておくとさらに利便性が高まります。

そこで今回は、今すぐ始めたいパスワード管理の正しい考え方と、1Password のインストールから基本的な使い方、Dropbox と同期できない場合の対処法などをまとめました。

この中で 1Password と Dropbox の同期が上手くいかずに困っている方は、「4. 1Password がうまく同期されない時は」からお読みください。解決方法を取り上げています。

目次

1. 定番パスワード管理アプリ「1Password」とは
2. 1Password のダウンロード、初期設定
3. 1Password の基本的な使い方
4. 1Password がうまく同期されない時は
5. Dropboxのセキュリティについて
6. まとめ

1. 定番パスワード管理アプリ「1Password」とは

1-1. 増える一方のパスワード、高まる一方の乗っ取りリスク

利用するネットサービスが増えると、その分だけ増え続けるパスワード。頭の中で覚えられる程度の数なら問題はなかったのですが、最近では数十個のパスワードを管理しなければならないという人も少なくありません。

こうなると頭の中だけで覚えておくのは不可能なので、人間心理として以下のような管理をしている人が多くなります。

  • 忘れないように単純なパスワードにしておく
  • 誕生日や名前など思い出しやすいパスワードにしておく
  • 全てのネットサービスで同じパスワードを使い回している

これらの管理方法は、セキュリティ的に全て不正解です。もはやパスワードの意味をなしていないような管理をしている人も見受けられますが、自宅に鍵をかけずに外出するようなものです。

そのリスクを回避する最大の防御策は、それぞれのネットサービスで異なるパスワードを使用すること。そしてそのパスワードは長くて複雑な文字列であることも有効です。

このようなパスワード管理が最も有効であることは分かっていても、それを管理するのは大変です。そんな問題を解決するのが、定番のパスワード管理アプリ「1Password」です。

1-2. 1Password にできること

1-2-1. 複雑で強固なパスワードを生成する

1Password が目指しているのは、パスワード管理をより強固に、そして簡単にすることです。しかもそれを使い回すことなく、それぞれのサービスごとに複雑なパスワードにしておけば、全てのログイン情報を破られてしまうリスクは大幅に低くなります。

そこで 1Password には、ランダムに複雑なパスワードを生成する機能があります。設定に応じて英数字だけでなく記号を混ぜた文字列を作ることができるので、総当たりでパスワードを解析するツールを使っても簡単に破ることはできなくなります。

【総当たり解析とは】

数字やアルファベット、記号などを組み合わせて順に試すパスワード解析手法。最もよく用いられる方法ですが、組み合わせの数が多くなればなるほど解析に時間が掛かり、解除が困難になります。

1-2-2. 1 つのパスワードで全てのパスワードを一元管理

1Password はマスターパスワードと呼ばれる 1 つのパスワードで管理されており、これさえ覚えておけばアプリ内でさまざまなサービスのログイン情報を一元管理することができます。

マスターパスワードを入力して 1Password アプリを開き、そこから登録している各種のネットサービスに簡単な操作でログインが可能になります。通販サイトや銀行のオンラインバンキングなどだけでなく、クレジットカード情報を登録しておいて決済時に使用することも可能です。

スマホの無料版ではこのログイン情報とクレジットカード情報、個人情報などが利用可能となっていますが、有料版にアップデートすると無線ルーターや免許証、社会保険番号など取り扱うことができる認証情報が大幅に増えます。

1-2-3. 複数のデバイスでパスワードを一元管理

1Password はスマホ、パソコンそれぞれの対応版がリリースされています。スマホは Android と iOS、パソコンは Windows と Mac です。これらを横断的に利用することができるため、各デバイスで利用しているネットサービスのログイン情報を一元管理できます。

ネットオークションやオンラインバンキングをパソコンとスマホの両方で利用している場合、それぞれのデバイスに 1Password を入れておけば同じ操作でパスワードを管理することができます。

1-2-4. オンラインストレージでパスワード管理を共有

前項で紹介したような使い方をする場合、複数のデバイス間でパスワード情報を共有する必要があります。そこで 1Password にはオンラインストレージを利用してパスワード情報を共有、それぞれのデバイスからアクセスをして利用できる機能があります。

共有するストレージとしては Mac や iOS の環境であれば iCloud が利用可能で、さらに Dropbox も利用可能です。これにより、iCloud が利用できない Windows や Android であっても幅広くパスワード情報を共有できます。

1-3. 1Password で大切な情報と財産を守る

ネットサービスの利用範囲がとても広くなっており、オンラインバンキングやクレジットカードの管理ページなどは金銭を直接的に管理するため認証情報の管理が極めて重要です。その他にも保険会社や通販サイト、SNS など個人情報が詰まっているサービスを利用している方も多いと思います。

こうしたサービスで金銭や個人情報などを守るための唯一の手段が、パスワードです。そのパスワードを適切に管理するということはこれらの大切な情報と財産を守るのと同じなので、パスワードを使い回さないこと、すぐに想像できるような文字列にしないことなど基本的な対策が以前にも増して求められています。

パスワード管理アプリはそんなニーズから生まれたもので、現在その市場で高い人気を持っていて定番となっているのが、この 1Password です。

2. 1Password のダウンロード、初期設定

2-1. 1Password のダウンロード

2-1-1. Android 版

Android 版の 1Password は、Google Play からダウンロード可能です。Google Play の検索窓から「1Password」と入力しても検索可能ですが、以下の URL からも直接ダウンロードページにアクセスできます。

Google Play の 1Password ダウンロードページ

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2-1-2. iOS 版

iOS 版 1Password のインストールは、App Store から行います。App Store で「1Password」と検索をして、そこから入手ボタンでダウンロードしてください。

App Store の 1Password ダウンロードページ

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2-2. 1Password の初期設定

2-2-1. マスターパスワードの設定

1Password はアプリの名前の通り、1 つのマスターパスワードで全てのパスワード情報を管理しています。アプリに掛かっているパスワードロックを解除すると、その中にあるパスワード情報を利用できるという仕組みです。

そのため、1Password をインストールした直後にはマスターパスワードと呼ばれるアプリのパスワードを設定することから始めます。

マスターパスワードを入力、確認入力、そしてマスターパスワードを思い出すためのヒントを入力して完了です。

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2-2-2. クラウド同期の設定

他のデバイスとパスワード情報を共有する場合、またパスワード情報をバックアップしておきたいという場合は、クラウド同期の設定をします。

Apple 製品だけでの共有であれば iCloud がそのまま使えますが、それ以外のデバイスでも利用する場合に備えて、ここでは汎用性の高い Dropbox での共有設定方法を解説します。

1Password のメイン画面で右上にある三本線ボタンをタップ、そこから設定をタップします。

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同期というメニューが表示されるのでそこをタップすると、同期の設定画面に遷移します。最初は同期がオフになっているので、これをオンにします。

同期をオンにすると、どの方法で同期するかを選択できる画面になるので、ここで Dropbox を選択します。

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Dropbox をタップすると、すでに Dropbox のアプリがインストールされていてアカウントを持っている場合はアクセスリクエストの許可を求めてくるので、ここで許可をします。

初めて 1Password から Dropbox にアクセスをした場合は保管庫がないため、新規に作成するかどうか尋ねられます。ここで「CREATE VAULT HERE」を選択して新規に保管庫を作成します。

これが OK となったら、保管庫の作成完了です。以後は 1Password で管理しているパスワード情報が Dropbox 上の保管庫と自動的に同期されます。

3. 1Password の基本的な使い方

3-1. 認証情報を登録する

1Password で管理したいパスワードを登録するには、メイン画面からパスワード情報を登録することから始めます。

それでは実際に、ネットバンキングのユーザー名とパスワードを登録してみましょう。登録時に必要になるので、これから登録するネットサービスのログインページにアクセスをして、その URL をコピーしておいてください。

メイン画面の「+」ボタンをタップします。Android は右下、iOS は右上にあります。

(画像は全て Android 版です)

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カテゴリ選択画面になるので、そこから「ログイン」を選択、タップします。

ログインしたいサービス名を分かりやすい名前で入力、続いてユーザー名とパスワード、そしてあらかじめコピーしておいたログインページの URL を貼り付けます。

この URL については、ユーザー名とパスワードを求められるページを指定しておくと自動ログイン時に便利です。

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入力が終わったら、右上の「保存」をタップして登録完了です。

3-2. 複雑で強固なパスワードを生成する

1Password を利用するメリットとして、破られにくい複雑で強固なパスワードを自動生成できるというものがあります。その機能を使って、複雑なパスワードを生成してみましょう。

パスワードの生成は既存のパスワードを複雑なものに変更するという形で行うので、まずは既存のパスワード情報を開き、右上のメニューをタップして編集モードにします。

編集モードになると、Android の場合はパスワードの右に鍵マークが表示され、iOS の場合は「Generate New Password」というリンクがあるので、それをタップします。

すでにパスワードが自動生成されていますが、長さというスライダーを動かすとパスワードの文字数を変えることができます。

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ここで作成したパスワードは、長押しをしてコピーした上で各サービスにログイン、そこでパスワード変更の操作をすることでより強固なパスワードに変更されます。

最後に、編集モードで 1Password の登録情報も変更したパスワードに変更、保存すれば完了です。

3-3. 自動ログイン機能を利用する

1Password には、登録したログイン情報を自動入力してログインできる機能があります。Android 版では既定のブラウザが自動的に開いてそこに自動入力、iOS の場合は 1Password に内蔵されているブラウザ、または Safari など好きなブラウザで自動ログインが利用できます。

方法はとても簡単で、1Password に登録しているログイン情報の URL をタップするだけです。iOS で内蔵ブラウザ以外を利用したい場合は URL を長押しして、そこで表示されたブラウザをタップすると希望のブラウザから自動ログインができます。

4. 1Password がうまく同期されない時は

4-1. 複数の Vaults を使っている

1Password ではログイン情報を「Vaults」という単位で保管しています。言わばユーザーアカウントのようなもので、複数の人で利用する、または仕事とプライベートで分けたい場合などに、有料版の 1Password では複数の Vaults を設定して切り替えるという使い方が可能になります。

Dropbox との同期も Vaults 単位で管理されているので、例えば仕事用の Vaults を利用している時にプライベート用の Vaults で利用している Dropbox の保管庫にアクセス、同期はできません。

Dropbox とうまく同期しない時は、まず Vaults が複数ないか、そして現在使用している Vaults に Dropbox との同期設定があるかどうかを確認してみてください。

Vaults の切り替えは、有料版 1Password で右上の鍵アイコンをタップして行います。

4-2. 別の Dropbox アカウントに紐付けされている

Dropbox は無料版でも 2 GB の容量を利用できるため、1Password のログイン情報を同期するには十分な容量があります。そのために Dropbox アカウントを取得する人もいるのですが、複数のアカウントを利用している場合はどのアカウントに 1Password の保管庫を置いているのかを覚えておく必要があります。

別の、保管庫のない Dropbox アカウントで同期をしようとしても、そこには保管庫がありません。

Dropbox と同期できない理由がアカウント違いという場合は、一度 1Password をアンインストールして再度インストール、そこから「2-2-2. クラウド同期の設定」で解説している方法で同期設定を正しいアカウントにやり直してください。

4-3. Dropbox の検索がタイムアウトになった

Dropbox には有料版の Dropbox Pro で 1 TB、Dropbox Business になるとさらに必要に応じて追加できるという巨大な記憶スペースが用意されています。そのためオンラインストレージ上のデータ量が大きくなってくるとその分目的のファイルを検索するのに時間が掛かってしまうことがあります。

1Password の保管庫を見つけるために時間が掛かってしまい、それがタイムアウトとなった場合は設定ミスや不具合ではないので、再度試してみてください。それでもうまく同期されない場合は、しばらく時間を置いてから試してみるのも有効です。

4-4. Windows で後から使い始めると同期されない

Mac や iPhone など、iOS 向けに当初は開発されたアプリなので、1Password をWindows で利用すると Dropbox との同期がうまくいかないという事例が報告されています。

この場合は、Dropbox 上の同期データを全て削除した上で iOS から順に同期していくという方法で解決を試みてください。具体的な手順は、以下の通りです。

  1.  全てのデバイスで 1Password の同期をオフにする。
  2.  Dropbox 上にある同期データを削除する。
  3.  iOS 側で同期設定を再びオンにする。
  4.  Windows 側で再び同期をオンにする。

5. Dropbox 上にパスワード情報を保管するする安全性について

5-1. Dropbox のセキュリティ

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1Password で管理する情報は、パスワード情報という超重要情報なので情報漏洩は許されません。そんなに重要な機密情報をオンライン上に保管することに懸念を抱く声もあるのですが、Dropbox は世界的なシェアを持つオンラインストレージとして、非常に高度なセキュリティが確保されています。

Dropbox のセキュリティについては、「Dropbox の安全性は?気になるセキュリティについて」にも詳しい解説があります。

5-2. 高度な暗号化により情報漏洩を防止

Dropbox は自社サーバー内にユーザーが同期しているデータを保管しています。そのサーバーには 256 ビットの Advanced Encryption Standard(AES)という高度な暗号化が施されており、第三者による情報の盗み見を防止しています。

また、アプリやブラウザと Dropbox サーバーとのデータ通信においても SSL/TLS により情報漏洩を防いでいます。

こうしたセキュリティは常に定期的な脆弱性チェックが行われており、常に高い安全性が確保されています。

6. まとめ

1Password は、これからも増え続けるさまざまなネットサービスのパスワード管理を一元化してくれる、時代の要求に応えたアプリです。この記事で解説した使い方をマスターすれば簡単な操作だけでパスワードの管理が快適、そして堅牢になります。

無料版でもパスワード管理には十分使えるアプリなので、ぜひインストールをしてこの便利さを体感してください。パスワードは破られてしまってからでは遅いので、1Password を活用して快適さと安心を同時に手に入れてください!

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