新入社員が初日から問題なくなじめるようにすることがあなたの仕事だとしたら、受け入れ準備に気をもむことでしょう。何しろ、新入社員が新たな職場で良いスタートをきれるかどうかは、あなたにかかっているのですから。 たとえば、福利厚生の申請方法や最初の給料日がわからない…などといったことで混乱していては、新入社員が全力で業務に取り組むことはできませんし、組織への貢献も難しくなるでしょう。
そこで一部の人事担当者は、繰り返しの作業を減らして、より効果的な入社手続きを実施する方法を模索し、実践しつつあります。Dropbox の場合、人事担当部門は Dropbox Paper を使ってスムーズな受け入れプロセスを実現しています。Dropbox Paper は共同作業を支えるワークスペースであり、新入社員の受け入れに関する、あらゆる業務を円滑に行うためにも活用できます。今回は、新入社員を即戦力として会社に迎え入れようと取り組んでいる Dropbox Japan の人事担当者が、入社手続きをどのように効率化しているか、ご紹介します。
5 つの Dropbox Paper 活用術
1. ドキュメントのテンプレート化
「扶養控除等 (異 動) 申告書」等といったコンプライアンス関連書類を突然渡されて「新しい職場へようこそ」と言われても、心躍る人は少ないでしょう。幸いなことに、こうした書類や関連する事務作業を減らす方法があります。
とくに人事担当ならご存知のことですが、入社に関する一連の手続きは基本的に反復作業です。しかし、数年前にうまくいっていたことが、現時点でも効率的とは限りません。たとえば、福利厚生に関する情報は月単位でも変化するため、関係するすべての情報を常に最新の状態にしておくことにはなかなかの困難が伴います。
そこで、Dropbox の人事は入社手続きにあたって必要な情報や最新の書類を Paper で一覧表にして共有しています。内容を更新したり、関連する Paper ドキュメントにリンクを貼ったりすることで、新入社員はいつでも最新の情報にアクセスできるようになります。
Paper を使えば、リアルタイムでドキュメントを更新できるので、わざわざ改訂版を送信する必要がありません。ドキュメント内にコメントを付け、その場で内容を詳しく見てもらうこともできるので、本当に重宝しています。
指示内容はいつでも書き換えることができ、新入社員の皆さんは、更新ボタンをクリックしなくても、更新箇所を確認することができるのです。ー Dropbox で採用および福利厚生を担当する 高橋美智子
また、テンプレートを活用することでも時間短縮を図っています。テンプレートを用意すれば、新入社員の受け入れを実施するたびに大量のドキュメントを作成するという作業が不要になります。人事・採用チームは何度も使うドキュメントに、Paper の「テンプレートにする」機能を活用しています。
[Dropbox Paper の「テンプレートにする」機能]
Paper ドキュメントから独自のテンプレートを作成するのは簡単です。他にも議事録、プロジェクト プラン、クリエイティブ ブリーフなど多数のテンプレートが事前に用意されているので、新しいプロジェクトにもすぐに取りかかれます。
今回は、どの企業の人事部門でも活用できる、新入社員向け入社手続き用テンプレート(下の画像)をご紹介します。このテンプレートは、入社 1 日目の新入社員のために人事が行う仕事を効率化することを目的としています。なおテンプレートは英語版のみの公開となっていますので、ご了承ください。また、モバイル版は近日中に利用可能になる予定です。
[Dropbox Paper の新入社員オンボーディング用テンプレート]
2. わかりやすいチェックリスト
入社初日にはやるべきことがたくさんあるため、重要なことを忘れたり、提出書類の締め切りがわからなくなることもよくあります。Dropbox の人事がチェックリストを多用しているのはこのためです。Paper なら To-do リストの作成もあっという間です。タスクごとに @メンション機能で担当者を割り当ててメール通知を送ることで、期限を知らせることができます。
[Dropbox Paper でのチェックリストの作成]
高橋は、この福利厚生チェックリストが完成する以前は、とても覚えられそうにないスライド 60 枚分のプレゼン資料を新入社員に見せていました。他のチームから記入を求められる書類もあるため、新入社員にとって大きな負担となっていました。何より彼らは、事務作業と並行して本来の仕事を覚えなくてはなりません。
採用チームが Paper ドキュメントのチェックリストを使うようになってからは、プロセスがスムーズになっただけでなく、新入社員が重要なタスクに集中できるようになったと言います。
今はプレゼンの最初に、『覚えようとしなくても、チェックリストがあるので大丈夫ですよ』と伝えています。みんな笑って聞いていますが、本当にチェックリストの存在さえ覚えておけばそれでよいのです。
[Dropbox Paper でのタスクの割り当てと期限の設定]
3. 見える化と透明性
Paper の閲覧者情報の機能(下の画像)を活用すれば、送信したドキュメントを誰が開いたか(そして誰が開いていないか)を確認できます。この方法で、新入社員に確実に情報を届けられるようになりました。
たとえば『この情報はどこに書いてありますか?』といった質問を受けたときにも、『まだこのドキュメントを開いていないようですね。このドキュメントには必要な情報が網羅されているので、上から順に取り組んでいけば、情報にありかも確認できますよ』という具合にアドバイスできるのです。
[Dropbox Paper の閲覧者情報の機能で進捗を管理]
さらに Paper には、招待を受けた人が編集プロセスをリアルタイムで見ることができるというメリットがあります。編集権限を与えられたチーム メンバーは内容を編集することができ、2~3 人のメンバーが同時に書き込んでいくことも可能です。閲覧権限のみのメンバーは、コメント機能で内容について質問したり、変更案を提示したりできます。Paper では、対象となるコンテンツのすぐ横にコメントやその返信が表示されるので、メールのようにやり取りがスレッドの中に埋もれてしまうことがありません。
[Dropbox Paper でのコメントの追加]
Dropbox は、共同でコレボレーションしながら仕事をすることで社員同士が学び合い、過去の経験から知見を得ていくことが重要であると強く信じています。Paper で 1 回検索すれば、組織全体のプロジェクトからドキュメントを見つけられるため、新入社員の受け入れもスムーズになります。
なお、Dropbox では製品の改善に必要な情報を社員に積極的に公開しています。つまり、誰でも過去のプロジェクトを検索できるのです。過去の情報は制限せず、全社レベルで公開を原則としています。これは社員からも好評です。ある新入社員は、前職の IT 企業では情報が公開されていなかったので、驚いたと話してくれました。こうした文化を新鮮に感じる人もいるようです。
もちろん、企業ごとに透明性の文化は異なります。一部のコンテンツのみを公開したいという企業でも、IT 担当者は Paper ドキュメントごとに設定をカスタマイズして閲覧者を制限することができます。
4. 新入社員からの質問には効率的に回答
人事の日常的な業務として社員からの問い合わせ対応があります。
Dropboxでは、基本的にWebツールを多用しています。新入社員は、社内プロセスがすべてドキュメント化され、Paper上に集約されているため、プロセスを短期間で把握できます。また、Paperは複数の人が同時で更新でき、かつだれが更新したかという履歴も残ります。
Paper のおかげで、どんな問い合わせにもすぐ対応できるようになりました。新入社員に必要になると思われるコンテンツを充実させたので、同じ情報を何度も書かなくて済みますし、相手に合わせて内容を書き換えるようなこともありません。問い合わせには、『ここに必要な情報が書いてあります』と答えて Paper ドキュメントを共有するだけでよいのです。
[Paper の共有ドキュメントにチーム メンバーを招待]
5. 単純作業にゲーム性を導入
膨大なドキュメントをシンプルに説明し、新入社員の積極的な参加を促すために、米国にあるDropbox 本社の人事はオンボーディング プロセスにゲーム性を取り入れています。新入社員が各種手続きを行う方法を説明すると同時に、社内でプロジェクト管理や連絡手段として活用している Dropbox Paper の使い方を説明するために、米国では、いわゆる宝探しのような、スカベンジャー ハントのゲームを導入しました。
スカベンジャー ハントを実施して、福利厚生の内容を説明しながら、Paper の使い方もわかるようにしています。Paper ドキュメントに記載した福利厚生情報を使って、まずは最初の申請情報を紹介し、次に期限付きのタスク リストを送ります。この過程で、新入社員はコラボレーションの便利さを実感すると思います。また、閲覧者情報の機能があるので、同じドキュメントを閲覧している同期入社の社員の顔や名前も確認できます。
ー 本社の人事担当 サンチェス
[新入社員が取り組むスカベンジャー ハントの Paper ドキュメント]
Dropbox Paper でオンボーディングやその他のタスクをスムーズにする方法について詳しくは、dropbox.com/paper をご覧ください。