マンダラートとは?9つのマスで閃きが加速する一流のアイデア発想法

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考えれば考えるほどアイデアが浮かばないとお困りですか?そんなときにマンダラートが役に立つということは知っていても、やり方がよく分からないとお感じではありませんか?

マンダラートはすでにあるキッカケから連想していくという人間の思考を利用して、自然に頭の中にあるものを書き出すことができるアイデア技法です。特に勉強することや用意するものがないので手軽に始められる上に、実際にやってみるとかなりの威力を発揮してくれます。

この記事では Web 制作や Web プロモーションなどで数多くの営業ツールやプレゼン資料の作成に関わってきた筆者が、これまでに実践してきたマンダラートの活用法を解説します。基本から実際にマンダラート図を作成する手順、そしてマンダラートを簡単に描けるスマホアプリやテンプレートもご紹介していますので、ぜひご一読ください。
出そうで出ないとお感じのアイデアが、きっと出るようになります。

目次

1. マス目を埋めていくだけでアイデアが生み出されるマンダラート
2. マンダラートをやってみよう!
3. マンダラートができる便利なツール 3 選+Excel 編
4. まとめ

1. マス目を埋めていくだけでアイデアが生み出されるマンダラート

1-1. マンダラートとは

マンダラートは、仏教に登場する曼荼羅模様に由来するもので、曼荼羅模様に似たマス目にアイデアを書き込んでいくことで自然にアイデアを広げていくことができる技法のことです。曼荼羅+アートという造語でマンダラートと名づけられました。

デザイナーでヒロ・アートディレクションズという会社の代表を務める今泉浩晃氏が開発したもので、アイデアに詰まった時などに半ば強引に派生語句を出していくことができるユニークな方法論です。

本物の曼荼羅で表現される幾何学的模様のパターンが似ているという発想はデザイナーならではかもしれません。

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1-2. マスを埋めることで発想が広がる

マンダラートは仏教の曼荼羅のように、正方形を均等に区切ったマス目の中で思考を広げていきます。「ペットのネット販売」というテーマでマンダラートを広げたものが以下のようになった例があります。

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中心にある 9 マスの中心にあるのがメインテーマで、そこから周辺の 8 マスに関連語句を書き入れ、それぞれの関連語句から周囲に 9 マスを作り、そこにもさらに派生語句を書き入れていきます。たった 1 つのテーマから合計で 81 マスが埋まり、そこから 64 個の関連語句がひねり出されました。ここからアイデアとしてまとめるのに有用なものを拾い上げていくのが、マンダラート思考法です。

1-3. マンダラートの基本形

マンダラートの基本形は、以下の通りです。中央にあるメインテーマから周囲に派生していくイメージを持ってください。

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そして、メインテーマの周りに連想した語句を 8 個埋めて、それぞれの語句が小テーマとなった 9 マスを作っていきます。

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この要領で最初の 9 マスの周りに 9 マスを並べると、合計 81 マスが作られ、それぞれのマスに入っている語句はすべてメインテーマに関連があるものということになります。

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これがマンダラートの全容なので、最終的にこの形を作るということを押さえておいてください。

1-4. 大谷選手を一流にしたマンダラート

プロ野球の大谷翔平選手といえば、二刀流の大活躍でおなじみです。これまでのプロ野球選手という概念に当てはまらないほどの超一流選手ですが、たまたま才能に恵まれた選手ではないことが分かるエピソードがあります。それが、マンダラートです。

大谷選手は高校生の頃にプロ野球選手になる自分を明確にイメージするために今は何をするべきかという目標設定をしています。その目標を達成するために必要なことをマンダラートで書き出しました。以下が、その時に作成されたマンダラートです。

mandal-art-06出典:スポーツニッポン

このマンダラートはとても有名で、マンダラートを解説するための見本としてもよく用いられています。それだけよくできているマンダラートだということは、その中身を見れば一目瞭然です。

大谷選手という超一流のプロ野球選手が才能や偶然だけではなく、極めて戦略的に生み出されたということお分かりいただけると思います。

このように、マンダラートは目標設定と達成のためのプロセス構築にもとても役立ちます。

2. マンダラートをやってみよう!

それでは、実際にマンダラートを作ってみましょう。以下では画像編集ソフトを使ってマンダラートを作図していますが、実践する方法は何でも OK です。手書きや Excel を使う方法などが手軽ですが、最初は脳を活性化させるという意味でも手書きの感覚を知っていただくのもよいでしょう。

2-1. 中央にテーマを書き込む

マンダラートはメインテーマを書き入れることから始まります。筆者が現在興味を持っていることとして、沖縄の伝統楽器である三線(さんしん)の演奏が上達する近道を探ってみたいと思います。

そこで、中央には「三線の上達」と書き入れました。

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2-2. 周辺の 8 マスに関連語句を入れる

次に、三線の上達に直接関係がありそうな語句を周辺の 8 マスに入れていきます。

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中には現実味に乏しいような語句もありますが、マンダラートは自由に発想することとマス目には必ず何かを入れるのがルールなので、半ば強引に全マスを埋めました。

2-3. それぞれのマスから次のマンダラートを派生させる

次に、周辺の 8 マスそれぞれから新しい 9 マスを作り、それぞれの関連語句を小テーマに据えて語句を派生させていきます。

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2-4. すべての関連語句でマンダラートを作る

先ほどの要領で、他の関連語句を小テーマとしたマンダラートを作っていきましょう。すべてのマンダラートを埋めると、以下のようになりました。

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このマンダラートを作成にするにあたって、最初のうちは関連語句がそれほどスラスラとは出てこないのですが、2 つ目、3 つ目のマンダラートを作成していくにつれて連想のスピードが上がっていくので、脳が活性化されてきていることやメインテーマに対する集中力が高まっていることを実感できます。

なお、このマンダラートはゼロベースで作成しましたが、所要時間はおおむね 1 時間程度です。1 時間でこれだけの関連語句を思い浮かべるのは困難なので、これはマンダラートを利用した効果だと思います。

2-4. 81 マスの関連語句からアイデアを拾い出す

最後に、81 個並んだマスに表れた 64 個の関連語句には同じような意味合いのものがいくつも出てきていることに着目します。違う切り口、視点からの思考なのに同じようなものが出てくるということは重要度が高いか、アイデアとしての価値が高いのではないかという推測が成り立ちます。

この「三線の上達」というテーマで作成したマンダラートを見てみて、同じような意味合いのことが書き込まれているものを同じ色にまとめてみました。

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4 つの項目で同じような内容が散らばっていることが分かったので、それぞれ同じ色で分類してみました。それぞれの色から読み取れることを列挙してみましょう。

  • 水色:沖縄に住むこと、沖縄そのものへの関心
  • 緑色:三線を買って常に触れられるようにしたい
  • 紺色:動画サイトや DVD など、動画で弾き方を学べるのではないか
  • 灰色:三日坊主になることを危惧している

これを総合すると、まずは沖縄そのものへの強い関心が窺えます。本当は移住をして毎日三線に触れる環境が理想的ですが、それは現実問題難しいのでそれに近い方法を模索していることも垣間見えます。

また、三日坊主になることを防ぐために仲間を作ったり教室に通うことが有効であることも分かります。ただ、その場合の教室選びは沖縄への関心がモチベーションにつながるので沖縄出身の人が講師であることなど、沖縄文化を感じられる環境のほうが長く続けられそうという深層心理も見えてきます。

教室で学ぶ以外には動画サイトなど日常的に見られるメディアを利用して、少なくとも毎日 10 分、または 1 曲だけでも弾く習慣をつけて練習をすれば早く上達すると考えていることも分かります。

このように、マンダラートでは半ば強制的に 81 マスを埋めることによって 81 通りの情報が可視化されます。その可視化された情報から類義のもの、注目に値するものをピックアップしてアイデアとして練り上げていくのが正しい手順です。

2-5. マンダラートを実践する際のポイント 3 つ

2-5-1. マンダラートの数は最低 81 にこだわり、それ以上は OK

上記の実践例ではマンダラートのセオリーに従って 81 個のマスを使用しましたが、このマスの数は必ずしも 81 でなくても構いません。さらに派生するテーマがある場合は増やしても構いません。逆にどうしても出てこないという場合が厄介なのですが、「無理やりでも何か書き出す」というのがマンダラートの肝でもあるので、81 より少なくなってしまうのは避けたほうがよいでしょう。

上記の実践でも述べましたが、最初はなかなか出てこなくても徐々にマンダラートの数が増えていくごとにスラスラ出てくるようになるので、その効果を利用してください。

2-5-2. どうしても語句が出てこないときは

半ば無理やりに近い方法で関連語句を連想していくこともマンダラートの特徴ですが、それでもどうしても関連語句が出てこないことがあります。その時は、設定した小テーマが袋小路になってしまっていることを意味します。袋小路、つまり行き止まりなのでそれ以上の思考世界は広がっておらず、アイデアとしての深堀りしていく価値が低いと判断して、中心のマンダラートに書き出す語句を変えてみてください。

2-5-3. マスがすぐに埋まらないときは次のマンダラートへ

9 マスのマンダラートを 1 つずつ増やしていくのが本来の手順ですが、すぐに 8 マスが埋まらない場合は次のマンダラートを作ってそちらに語句を埋めていく作業を優先しても構いません。無理にひねり出してもよいものは出にくいので、出てこないものは放置して次のマンダラートを作っていくと、全体像が見えてきたことで先ほど埋まらなかったマスに埋める語句のヒントが思い浮かぶかもしれません。

3. マンダラートができる便利なツール 3 選+Excel 編

3-1. マンダラート(plusblog)

Web 上で動作するマンダラートサービスです。無料である上に何かアプリをインストールする必要もなく、とても手軽です。それぞれのマスに文字を入れて「次の紙」ボタンをクリックすると、それを小テーマとした次のマンダラートが作成されます。

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plusblog 「マンダラート」

3-2. MandalArt

マンダラートを考案した今泉浩晃氏が代表を務める会社による、公式のマンダラートアプリです。iOS のみの対応です。

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MandalArt

3-3. Mandala9

先ほどの公式アプリ「MandalArt」が iOS のみの対応なので、Android ではこの「Mandala9」が定番アプリとして有名です。高い操作性に定評があり、Google Play でのレビューも高得点となっています。

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Mandala9

3-4. Excel でマンダラートを作成できるテンプレート

マンダラートはマス目を埋めていくアイデア技法なので、セルに情報を埋めていく Excel でも簡単に作ることができます。Excel の操作に慣れている方であれば何もなくても作成可能かと思いますが、便利なテンプレートもあります。

目標達成用紙テンプレート

4. まとめ

アイデアに詰まっているときというのは、思考が袋小路に入ってしまったような状態です。何か思いつこうとすればするほど頭が堅くなってしまい、時間だけが経ってしまう経験は筆者にもあります。そんな時に威力を発揮するのが各種のアイデア技法ですが、このマンダラートは 1 人で自分の頭の中にあるものを洗いざらい出してみたいという願いをかなえてくれます。

実際にやってみると、短時間でこれほどたくさんの関連語句やヒントを並べることができるのかと実感していただけると思います。

アイデアに詰まったとき、何かこれまでと違う切り口が欲しい時にはぜひ、この記事で解説した手順でマンダラートを実践してみてください。

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