イラスト:ファニー・ルオー
人々の働き方は、めまぐるしく変化しています。
今日必要とされるスキルが、明日には見向きもされなくなるかもしれません。
絶えず進化を続ける労働環境に対応するには、学生のうちから新しいスキルを習得する技術を学ぶことが必要です。
では、新しいスキルを習得するのに適しているのは、どんな方法でしょう?
それは、コラボレーションです。この点を理解しているからこそ、多くの大学は授業のやり方を変えつつあり、Dropbox も学生や教職員が新しい方法で簡単に連携できるよう取り組んでいるのです。
何を知っているかではなく、効果的に習得できるかどうかが大切
一部の人にとって大学は、具体的な仕事のスキルを習得したり、業界に特化した訓練を受けたりする場かもしれません。
ところが今や、仕事に必要なスキルはソフトウェアのアップデートと同じくらい頻繁に変化し続けています。
世界経済フォーラムのレポートでも、デジタル ネイティブの人々が将来就く職業のうち、最大で 65 % は現時点で存在しないという報告がなされています。
また、オートメーションの発展によって、人間が行っている仕事の多くが自動化されていくと言われています。
こうした変化に未来の労働者たちは危機感を抱き、学生の間や大学ではこれまでのアプローチを見直す動きが活発になっています。今でも STEM 分野の専攻は人気ですが、教育関係者たちは口を揃えて、学生のうちに学んでおくべき非常に大切なスキルは習得方法を学ぶことだ、と言います。
そのため教育関係者は、単に勉強するのではなく、「習得する」習慣を付けることを推奨しているのです。
変化のスピードが速い時代には、好奇心をふくらませることが将来に備える最善の方法かもしれません。
チームワークが深い学びにつながる
当然ながら、好奇心と共感は密接に関係しています。どちらにも、相手の話を聞こうとする姿勢があります。
チームワークで取り組むことは、新たな視点を受け入れるだけでなく、自分の知識を他の人に教える機会にもなります。
あるテーマについての理解を深めるためには、他人に教えることが非常に効果的な方法です。
何かを独学で習得しようとしても、限界を感じたり飽きてしまったりすることがあります。グループで議論をすることで、質問が飛び交い、自分では思いつかなかった新しいアイデアがひらめくかもしれません。
グループを信頼することで、作業はもっと魅力的になり、思いも寄らない成果が生まれることもあります。嫌々ながら教科書をひとりで読み進んでも続かない場合がありますが、仲間と一緒に取り組むことで、より長い間モチベーションを維持することができます。
こうしたグループ ワークには、ある共通した重要な特性があります。
それは、双方向性です。ただノートを取るだけの学習を活発なコラボレーションに発展させるのは、技術だけではありません。
教師や学生の気持ちを変えることも重要です。学生を「まとまりのない知識の受け手」として捉えるのはもはや時代遅れである、と教育関係者は言います。
査読のワークショップや共同研究プロジェクト、グループでのプレゼンテーションは、考えを文章にし、批評し、伝える方法を習得するための効果的な方法です。
グループで取り組むことで、聞き手を意識し、前後関係に配慮する必要が生じるからです。
たとえば一部の医大では、講義の代わりに「アクティブ ラーニング」環境を導入し始めています。学生は方程式をノートに書き写すのではなく、教室内でグループになって問題を解きます。こうしたスキルは、どのような職業に就くとしても、一生のキャリアを通して活用できるでしょう。
未来の仕事に対応できる学生を育てる
こうした取り組みは、学生の就職を有利に進めることにつながるでしょうか?
調査によれば、新入社員に何を求めるかを問われた大企業と中堅企業の社員の 80 % 以上が、コラボレーション スキルと答えています。
しかし残念ながら、新卒の人材がチームでの業務をすぐにこなせると考えている社員は全体の 40 % にも届きませんでした。新入社員を即戦力に変えるため、多くの企業は、最適なタイミングで情報を吸収できるような共同学習プラットフォームを導入し始めています。
共同作業を可能にする技術を社員に与えることは、企業にとってもメリットになります。それは、社員の持つ知識を組織全体で共有できるからです。
こうした背景から、企業は「習得する能力」に一段と大きな価値を置くようになっています。ある教授は、「誰もが同じ情報を得られる場面で重要な差別化要因となるのは、データにアクセスできるかどうかではなく、データを活用する能力です」と指摘します。
情報を集約する拠点を用意する
今、キャンパスに通う学生がバーチャルな学習グループで共同作業している方法はリモート ワーカーが同僚と情報を共有する姿にそのまま重なります。どちらもビデオ会議ツールを使い、オンラインで共同編集できるドキュメントでノートを共有したりやり取りしています。
たとえ海外に留学していても、実家から通学していても、こうしたツールを使うことでキャンパスに出向く必要がなくなります。多くの大学が、ワークフローや研究をオンラインに移行している理由の 1 つはここにあります。
Dropbox は実際の教室とデジタルの教室を融合し、授業への容易なアクセスを可能にすることで、教授が管理業務に費やす時間を減らし、授業や研究に多くの時間をかけられるようにしています。
新たに統合された Klaxoon、Pronto、WeVideo などのアプリも、こうした取り組みの一翼を担うものです。間もなく、世界中の学生と教職員は、課題の共有や講評の提供、グループ プロジェクトでの作業を容易にする主な教育関連アプリにアクセスできるようになります。
Dropbox の使命は、チーム作業を妨げる要素を取り除くことです。
生涯にわたってスキルを磨くことができるよう、Dropbox は学生や教育関係者がどのように連携しているかを調査しています。
キャンパスを超えて学習と革新的な研究を支援する Dropbox の取り組みの詳細は新しい eBook「大学でのコラボレーションを強化して競争力を高める方法」をご覧ください。