話題になったテレビ CM の影響もあって、急速に普及が進んでいる名刺管理アプリ。名前を見る限り何となくその役割や使い方は想像がつくものの、実際の使い道や使い方が分からなくて導入を躊躇していませんか?
また、新社会人などこれからビジネスパーソンとして活躍していく人たちにとって、アプリを活用した名刺管理術は必須のスキルとなりつつあるので、「知らない」では済まされない時代がやって来るかも知れません。
この記事では、現在 2 大勢力となっているオススメ名刺管理アプリ、Eight と CamCard について、その使い勝手や特徴を徹底比較しつつ、名刺管理アプリとは何かや、導入にあたって選ぶポイントについて解説しています。
これから名刺管理アプリを導入しようと検討している方は、必読です!
目次
1. 名刺管理アプリとは
2. オススメ2 大名刺管理アプリ「Eight」「CamCard」比較
3. 名刺管理アプリを使うメリット
4. 名刺管理アプリを選ぶ 5 つのポイント
5. まとめ
1. 名刺管理アプリとは
ビジネスシーンで頻繁にやり取りされる名刺は、デキるビジネスパーソンほどその枚数が多くなっていきます。名刺の枚数が多くなればなるほど人脈の質と量はグレードアップしますが、それは名刺が適切に管理されていればの話です。
あらゆる場面やニーズに応じてそれにふさわしい人を探し出すことができなければ、いくら名刺の枚数だけを増やしても意味がありません。
名刺管理アプリは、増え続ける名刺をデジタル管理するためのツールです。スマホで名刺を撮影するだけで名刺情報を読み込んで登録できるものが主流になっているので、名刺情報を自分で入力する手間がなく正確に名刺情報をデータベース化することができます。
これなら名刺の枚数がどれだけ増えても必要な情報を瞬時に引き出せる上に、アプリ間で情報が共有されるので個人だけでなく組織として人脈を活用できるようになります。
すでに膨大な枚数の名刺を管理している人も多いですが、名刺の枚数が多くなってから導入すると最初に手間と時間が掛かるので、新社会人などこれから名刺が増えていく見込みの人ほど、導入の価値はより高いでしょう。
2. オススメ2 大名刺管理アプリ「Eight」「CamCard」比較
2-1. Eight
⇒ Eight
2-1-1. Eight の特徴と主な機能
Eight の大きな特徴は人力 OCR による名刺情報のデータ化です。運営側でスタッフが手入力をしているので少々時間は掛かりますが、自動認識とは比べものにならないほど正確です。
筆者の名刺をプロフィール登録する際に撮影した情報は、1 つも間違いなく登録されていました。
この正確性を実現しているのが人力 OCR ですが、この作業時には約 2~3 分後に名刺情報が反映されたので、意外に早い印象でした。
他にもある Eight の特徴的な機能は、以下の通りです。
【Eight の特徴的な機能】
- Facebook アカウントとの連携
- 名刺情報同士の SNS 機能
- 人事異動などの通知、自動更新
- 電子名刺交換
2-1-2. Eight はこんな人におすすめ
Eight の売りは人力 OCR による非常に高精度な名刺登録です。人力なので若干時間は掛かりますが、それよりも正確性と省力化を優先する人に適しています。
また、社内だけでなく名刺交換をした相手と SNS のようにつながりを持ったりメッセージをやり取りしたりすることができるので、ビジネス専門の SNS として有名な LinkedIn に近い使い方も可能です。
営業職の方を中心に、名刺管理を通じて人脈や販路を広げたいという人にも大いに役立つ機能となるでしょう。
2-1-3. Eight のセールスポイント、人力 OCR 機能とは
Eight を使っている人の多くが威力を実感している、人力 OCR。手作業によって名刺情報をデータ化してくれるので、これまで自分で Excel などに入力していた作業がカメラ撮影だけに省力化されます。
実際に名刺を登録する手間と時間の感覚としては、早くて数分後、遅い時で 1 時間以内にはデータ化されています。プレミアム会員だと優先的に入力作業をしてくれるとのことなので、そのスピードはさらに速くなります。
登録枚数については、1 日 10 枚程度と公式にアナウンスされていますが、実際にはその倍以上の枚数が 1 日以内に処理されているようです。1 日に 20 枚程度までの名刺登録件数があれば十分で、自動認識の後の修正作業が面倒という人には Eight の人力 OCR が業務改善に大いに役立つと思われます。
2-2. CamCard
⇒ CamCard
2-2-1. CamCard の特徴と主な機能
CamCard は、自動認識によるデータ化がメインの名刺管理アプリです。運営会社からもその点については大々的に PR されており、自動認識ゆえの速さが最大の売りです。
Eight であれば 1 日にデータ化できる名刺の枚数が数十枚程度に限定されますが、CamCard であれば何百枚であってもその日のうちに登録可能です。
あくまでも自動認識なので完璧な精度とは言えず、データ化にあたっては若干の修正作業が必要ですが、それでも一から手入力するよりは大幅な省力化になります。
【CamCard の特徴的な機能】
- 豊富な認識言語
- 自動認識の修正を高精度校正機能で手入力依頼できる(有料)
- アプリ上での電子名刺交換
- 高度な名刺撮影機能(傾き修正、トリミング、連続撮影など)
- 簡易的な SFA (営業支援システム) 機能
2-2-2. CamCard はこんな人におすすめ
自動認識によって瞬時に名刺情報がデータ化されるので、大量の名刺を取り扱う人に最も適しています。Eight ほどの精度とはなりませんが、一部の修正をするだけで名刺情報が完成するのでスピード感は CamCard に軍配が上がります。
また、多言語対応に優れているので日本語、英語以外の言語圏で名刺をもらうことが多い商社マンや外資系企業の人などにも適していると言えるでしょう。
また、CamCard には簡易 SFA 機能として名刺情報をベースに商談やアプローチの履歴情報を詳細に記録することができるので、営業支援ツールとして活用したいという発展的な利用にも適しています。
また、料金面において Eight は月額または年額というライセンス購入の形になっており、CamCard は有料版アプリが買取型(法人版は月額制)、そして無料版として CamCard Lite というアプリが提供されています。
ここで、無料版と有料版それぞれの比較を表にまとめてみました。
【Eight と CamCard の機能・料金比較】
有料版の価格、無料版と有料版の違い | |
Eight |
プレミアム会員:月額 400 円または年額 4,000 円
|
CamCard |
960 円(買取)
|
※無料版の CamCard Lite はかつて名刺登録件数に 200 枚という制限がありましたが、この制限は 2015 年 7 月 9 日に撤廃されており、無料版と有料版の差がほとんどなくなっています。
2-2-3. 名刺認識精度に定評のある CamCard
自動認識に力を入れている CamCard なのでその精度はとても高く、数ある名刺管理アプリの中でも群を抜いています。
傾いた角度からの撮影でもしっかりと文字情報を認識するので、1 枚ずつ丁寧に撮影している時間がないという人にも使い勝手の良いアプリです。実際の読み取り精度については、おおむね半分以上というイメージです。
実際にやってみたところ、文字そのものを誤認識することはなく、勤務先のところにメールアドレスが入っていたり、漢字とローマ字で表記されている氏名を 1 つの名前として認識するといったように、対象となる項目が間違っている程度でした。
この機能は CamCard の目玉機能なので、今後さらに精度が向上するものと思われます。
2-3. 結局のところ、Eight と CamCard のどちらが良いのか
これまで名刺管理アプリは色々なものが開発、リリースされてきましたが、現在では Eight と CamCard の二強という勢力図になりつつあります。そのため両者には一長一短があってどちらが良いと一概には決めづらいのですが、敢えて決めるなら「初心者は Eight 、中上級者は CamCard」という結論になります。
名刺の枚数がとても多いという人は、初心者であっても CamCard のほうが使いやすいかも知れません。なぜなら、Eight だと 1 日あたりの名刺データ化数に制約があるため、どんどん名刺の数が増えていくにつれて登録が追い付かない事態が考えられるからです。
2-4. Eight / CamCard 比較一覧表
ここまでの比較をまとめると、以下のようになります。
Eight | CamCard | |
価格 |
|
|
名刺データ化 | 人力 OCR (手入力) | OCR 自動認識 |
データ化速度 | 1 日あたり 10 枚程度まで ※実際には倍以上の登録事例あり |
名刺を撮影後数秒 ※誤認識部分は自分で修正する必要あり |
ウェブ版 | あり | あり |
対応言語 | 手入力のため非公開 | 16 言語 |
営業支援機能 |
|
|
エクスポート | プレミアム版のみ可 | 可 |
Facebook連携 | あり | なし |
運営会社 | Sansan | INTSIG Information |
3. 名刺管理アプリを使うメリット
3-1. アプリがない時代の名刺管理と何が違うのか
もちろん、名刺管理アプリがない時代から名刺は幅広く使われてきました。紙ベースの情報なので IT 化される前から名刺は存在し、その人に成り代わって自分をアピールするツールとして活用されてきました。
もらった名刺は名刺ホルダーに入れて五十音順や業種別など、整理する人の好みや使い勝手に合わせて保管するというのが一般的な名刺管理でした。ただし、これはあくまでも名刺管理をマメにする人に限った話です。全ての人がこうした名刺の整理をしているわけではなく、1 か所にまとめて保管するだけという人も少なくありません。
これでは、せっかくもらった名刺が次に日の目を見る機会が遠のいてしまうばかりか、最悪の場合はもらった名刺を紛失する恐れもあります。
名刺管理アプリが持つ最大の魅力は、デジタル化されることによって名刺管理が簡単になることです。これなら始められる、続けられるという動機で導入している人は多く、これまで名刺管理をしてこなかった人の持っている名刺が活用される可能性が広がるというのはビジネス面での大きなメリットと言えるでしょう。
スマホで名刺を撮影して、後は必要な時に検索するだけ。アプリがなかった時代の名刺管理では考えられなかった手軽さです。
3-2. 個人プレーから組織プレーへの変革
この記事で紹介している Eight や CamCard など定番となっている名刺管理アプリには、クラウド機能があります。社員それぞれがもらった名刺をアプリに登録すると自動的に社内で共有されるため、同じ得意先に別々の営業マンが重複してアプローチをしたりすることがありません。
また、過去に別の営業マンがアプローチをした履歴も共有されるため、別の営業マンがアプローチをする際に過去の履歴情報が大いに役立ちます。
このメリットは名刺管理アプリに対して大いに期待されている部分であり、単なる名刺管理から営業管理ツールとして発展的な利用をする企業が増えています。
3-3. 高価なシステムがなくても営業管理を実現
企業の規模が大きくなるほど、個々の営業マンがどんな営業活動をしているのかをリアルタイムで把握するのが難しくなります。そのために考案されたのが SFA (営業支援システム) で、さまざまな営業支援ツールが開発されてきました。
こうしたツールはとても便利なのですが全体的に導入コストが高く、明確な費用効果が見込めないとなかなか導入できないという課題があります。
そこで注目されているのが、名刺管理アプリです。名刺情報とそれぞれの営業先とのやり取りが紐付けされることで SFA に近い効果を得ることができます。営業支援ツールと比べると非常に安価なので、今後は SFA のための中核ツールとして活用する企業が増えていくでしょう。
4. 名刺管理アプリを選ぶ 5 つのポイント
初めて名刺管理アプリを選ぶ際には次のポイントを基準にしてみてください。
- ずっと使い続けられるかどうか
- 名刺リーダーか、人力 OCR か
- 無料か、有料か
- 管理する名刺の枚数
- スマホとパソコンの連携機能
先述した Eight、CamCard 以外にも名刺管理アプリはたくさんあります。もしかしたらこの 2 つよりもあなたにとって“ずっと使い続けられる”アプリがあるかもしれません。好みは人それぞれですから、色々と試してみるのも 1 つの手です。
4-1. ずっと使い続けられるかどうか
アプリが登場する前はマメで几帳面な性格の人の特殊技能という感もあった名刺管理。それがアプリの登場によってようやく多くの人に普及している事情を考えると、いくらアプリによって簡単になったからと言っても、面倒に感じると使わなくなってしまう可能性もあります。
三日坊主になってしまうとせっかくの便利な機能も持ち腐れになってしまうので、名刺管理アプリを導入する際に最も大切なこととして「使い続けられるかどうか」を重視しましょう。
この記事では定番アプリである Eight と CamCard について使い勝手や特徴を解説しているので、どちらが優れているかよりもどちらが自分に合っているかという視点で比較してみてください。
4-2. 名刺リーダーか、人力 OCR か
名刺管理アプリでは、名刺情報の入力にスマホのカメラを使います。名刺をカシャッと撮影するだけで登録されるわけですが、その方法は 2 通りに分けられます。
1 つは名刺リーダーといって撮影した画像から文字を自動的に読み込む方法です。CamCard はこの機能に定評があるのでかなり高い精度で名刺情報を読み込んで登録することができます。
もう 1 つは、Eight が採用している人力 OCR と呼ばれる方法です。OCR とは画像の文字情報を読み込む機能ですが、それを人力でやるという意味です。Eight の運営会社内でスタッフが人力で名刺情報を登録するというもので、とてもアナログではありますがこれ以上正確に読み込める方法はありません。
ただし、人力 OCR は手入力なのでデータ化に時間が掛かり、1 日あたりのデータ化枚数に制約があります。
高速自動読み込みであるものの正確に読み取れていない場合は修正作業が必要になる名刺リーダーと、時間と枚数に制約があるものの正確なデータ化が可能な人力 OCR 。このどちらを選ぶかによって使い勝手は大きく異なります。
4-3. 無料か、有料か
名刺管理アプリには無料のものと、有料のものがあります。また、無料アプリであっても多機能な有料版が用意されていることもあります。
Eight は無料アプリですが、プレミアム会員プランが用意されています。月額 400 円または年額 4,000 円で名刺データのエクスポートやデータ化のスピードアップが可能になります。
一方の CamCard は有料プランの他に無料版の CamCard Lite が提供されています。有料プランは、個人版のアプリが 960 円 (買取型) 、法人版のスタンダードプランが月額 1,400 円から。無料版のCamCard Lite はユーザビリティを損なわない程度で広告が表示されます。
有料版の名刺管理アプリを使うことに抵抗があるのであれば、まずはこの記事で取り上げている定番の名刺管理アプリ Eight と CamCard の無料版である CamCard Lite を試してみましょう。使い勝手を体感した上で有料版(Eight の有料プランや CamCard など)の購入を検討してみてください。
4-4. 管理する名刺の枚数
管理する名刺の枚数は、アプリを選ぶ際に大きなポイントとなります。なぜなら、Eight の人力 OCR は手入力のため 1 日に登録できる名刺の枚数が限られているからです。CamCard は自動認識でどんどん登録できますが、精度が 100 % というわけではないので修正という手作業が必要です。この作業を運営会社に任せることもできますが(高精度校正)、Eight と違って有料です。
100 枚未満程度からのスタートであれば、Eight の無料プランや CamCard(CamCard Lite)でも十分ですが、それを超えるとなると Eight のプレミアム会員や CamCard の高精度校正機能(有料)が有望な選択肢となりそうです。
4-5. スマホとパソコンの連携機能
名刺管理アプリは、スマホでの利用が前提となっています。しかしビジネスシーンではパソコンから名刺検索をしたり、他の人の名刺情報を閲覧したりするなどの利用も十分考えられます。
この点においては Eight と CamCard の両方がパソコンからウェブ版の管理画面を操作できるようになっているため、後は管理画面の使い勝手や好み次第で選ぶのが良いでしょう。
5. まとめ
名刺管理アプリの 2 大勢力となっている Eight と CamCard の比較、そして名刺管理アプリの役割や使い方、名刺管理アプリがもたらす営業現場への変化について解説してきましたが、いかがでしたか?
特に新社会人、これからビジネスパーソンとして活躍する方を想定して解説しているので、名刺管理アプリの選び方や活用するための考え方をご理解いただけたと思います。
一度使うともう手放せないと言われているほどユーザーの評判も良く、これからのビジネスシーンでは不可欠な営業ツールになるかも知れないとも言われているので、この記事の情報でデキるビジネスパーソンへの道を歩んでください。