在宅勤務で分散したチームは、家庭と仕事をどうやって分けているか

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Dropbox の「在宅勤務」シリーズでは、完全に分散した環境で仕事をする中で、私たちの行動や習慣がどのように変化しているかを見ていきます。

第一弾
では、在宅勤務で仕事を切り上げるのが難しくなる理由や、通勤時間がなくなって家族と過ごす時間が増えた人々についてご紹介しました。

第二弾となる今回は、完全に分散した仕事環境の中で、仕事と家庭の境目をどのように維持しているかを見ていきましょう。同じ場所で一度にやらなければならないことを、何とか全部こなす方法をご紹介します。

  1. カレンダーとヘッドフォンで境界線をつくる
  2. 給湯室での雑談の代わりにオンラインで仕事終わりの乾杯を
  3. Zoom 通話への家族の飛び入りをどうするか
  4. 仲間意識を養い、つながりを作る
  5. 休憩を取って、自分が人間であることを思い出す

1. カレンダーとヘッドフォンで境界線をつくる

在宅勤務をして過ごす日々は、会社のオフィスにいるよりも格段に騒がしい日々かもしれません。特に、子供たちがオンライン授業を終えて、家の中で飛び回っているときは。そこで、多くの人は音楽に逃げ場を求めます。とりわけ、集中していることを家族に知らせる必要があるときは便利です。

Dropbox の製品アナリストであるケイト・ソコリナにとって、ヘッドフォンは「起こさないでください」のドア プレートのようなものです。

完全に集中していて邪魔されたくないときは、パートナーに示すためにヘッドフォンを着けます。簡単な軽食を作っているときでも外しません。

狭い家なので、パートナーと私は Zoom の通話カレンダーを共有して、食器洗いや電話をしない静かな時間が必要なことを伝えています。

ジョンソンは、カレンダーを使って勤務時間に区切りを付け、仕事とプライベートを切り替える時間を自分に言い聞かせています。

娘の世話や休憩のために席を離れる必要があるときは、Google Chat や Slack、カレンダーなどに自分のステータスを設定するように気を付けています。

時が経つにつれて、境界線はもっと必要になってくるでしょうし、私もうまく境界線が引けるようになると思います。

2. 給湯室での雑談の代わりにオンラインで仕事終わりの乾杯を

Dropbox の HR プロジェクト マネージャー、ジョー・トパスナは、自宅での勤務時間を規則正しいものにするため、新たに 3 つの習慣を身に付けたと言います。

まず、家でも人前に出るような格好をしています。そうすれば、一日中誰とも顔を合わせずに過ごせるときでも、その日の「勤務時間」が始まるのを意識できることがわかりました。

2 つ目は、作業スペースとそうでない空間をできるだけ分けることです。私は、寝室にあるデスクではなく、リビングで仕事をしています。違う空間にいるだけで、仕事を「終わらせる」のが楽になることに気付いたからです。

また、同僚や友人、家族とつながるために、コーヒーやランチを取りながらのおしゃべりや勤務終了後の乾杯を「バーチャルに」行うことが、トパスナの新しい習慣になりました。

最初は妙な感じでしたが、おしゃべりできるようになると、だんだん自然に感じられるようになります。

人との交流を完璧に再現できるとは思いませんが、屋内避難指示が出ているサンフランシスコで暮らす私にとって、これは本当にベストな選択肢です。

3. Zoom 通話への家族の飛び入りをどうするか

3 年前なら、ビデオ会議で話している後ろで子供が踊っているのはニュースになるほどの出来事でしたが、今では在宅で働く親の日課の一部になっています。

私が Zoom 通話をしているのに、両親は私の後ろを歩き、音楽をかけ、部屋の電気を消します。

娘は、私が話している相手に挨拶をしたがり、1 日に 300 回は私の膝の上に乗ってきます。

と、Dropbox でプロダクトおよびパートナーシップ コミュニケーション部門担当ディレクターを務めるステイシー・スティーブンス・ジョンソンは続けて次のように言います。

静かな部屋に閉じこもって、そうした邪魔が入らないように垣根を作るなんて、とてもできません。今そうすると、独りぼっちになったような気がするからです。

ストレスがたまって感情が抑えられなくなる時間が続いているので、仕事場にプライベートをそっと忍ばせることが必要なのです。

同僚がいなくて寂しい私にとって、必要な社会とのつながりですから。

ジョンソンによると、娘の面倒も見てもらえるし、広いスペースが使えるということで、ロックダウンが始まる前に家族で両親の家に移ったそうです。

こういう働き方ができて本当に良かったです。同時に二役をこなす親も多いそうですが、私には理解できません。長続きしないと思います。

4. 仲間意識を養い、つながりを作る

ときには、チーム メンバーとのつながりが恋しくなって、境界線をあいまいにしたくなる場合もあります。

実際には同僚と離れて仕事をしているのに、ジョンソンは、今が一番共同作業をしているように感じています。

メンバーを呼び出しては、タスクにどう取り組むかを話し合い、プロジェクトへの意見を広く募っています。狭い個室で議論し、事態にどう対処するか一人ひとりに意見を聞いていた時間が今はないので寂しいです。

そうした話し合いや、ちょっとした意見交換でさえ、今は Slack やテキスト メッセージ、Zoom などのやり取りですね。そのつながりを実感したいとメンバーが強く望んでいるので、過剰なくらいにコミュニケーションをとって、どこにいても議論が途切れないようにしています。

と彼女は言います。

5. 休憩を取って、自分が人間であることを思い出す

自宅で仕事をしていると、オフィスよりもじっとしていると思うことがあります。家から車やバス停まで歩いてオフィスへ向かい、階段を上ってデスクや会議室まで歩くことがないからです。それなのに、皆さんはいつにも増して神経が高ぶり、燃え尽きそうになっているのではないでしょうか。

ソコリナは、会議の合間に数分間リラックスして体を動かしたいときは、いつでも休憩中に Nintendo Switch の「ジャストダンス」をプレイしています。

長時間仕事にどっぷりと浸かり過ぎないようにするのは簡単です。気が散ることではなく、気が晴れることをするのです。踊っていると人生が楽しくなり、体に血が巡り、これから数時間かけ続ける曲名が次々と浮かびます。

トパスナは、会議が始まる前に 2、3 分は世間話をする習慣ができたと言います。

最近話をしていない仲間が、何か問題を抱えているかもしれないと気付くことができるので、その 2、3 分が本当に貴重な時間になりました。9 時から 5 時までの決められた勤務時間の間に、愛する家族や自分自身のために使う時間が欲しい人がいるかもしれないでしょう?

「在宅勤務」シリーズのパート 3 では、在宅勤務が働く人の創造性と生産性に与える影響についてのインタビューをお届けします。どうぞお楽しみに。