人間は誰しもが過ちを犯してしまう生き物です。
「消してはいけないファイルなのに、誤ってゴミ箱に入れた上ゴミ箱からも完全削除してしまった・・・」このような経験をされたことがある方もいるのではないでしょうか。
10年ほど前であれば圧倒的に Windows ユーザーが多かったのですが、近年では日本でも Mac ユーザーの割合が増えているようです。
仕事用のパソコンが Mac という方もいらっしゃることでしょう。そしてその作業中に誤ってゴミ箱にファイルを入れてしまい、さらにゴミ箱内のファイルを消してしまうこともあります。
しかしご安心下さい。
ゴミ箱内のファイルを完全消去しても復元する方法はあります。大事なファイルを蘇らせることができるのです。
今回は Mac ユーザーがゴミ箱を誤って完全削除してしまった場合の復元方法を紹介していきます。
ご参考になれば幸いです。
目次
1.Mac の自動バックアップ機能「Time Machine」を有効にしていた場合、削除したデータを復元する方法
2.「Time Machine」を有効にしていなくても大丈夫! Mac のゴミ箱から完全消去したデータを復元してくれる復元ソフト5選
3. Mac の自動バックアップ機能「Time Machine」を利用して事前にデータをバックアップする方法
4.二度とデータ復元で悩まないために!オンラインストレージ「Dropbox」ご利用のオススメ
1.Mac の自動バックアップ機能「Time Machine」を有効にしていた場合、削除したデータを復元する方法
1-1. Time Machine からファイルを復元する方法
1-1-1. 右上メニューバーのTime Machineメニューから「Time Machine に入る」をクリック
1-1-2. Time Machine のフォルダウィンドウの右側にバックアップデータの日付が表示される
1-1-3. Time Machine でバックアップされたデータの日付を遡り、目的のファイルを選択し「復元」をクリック
1-1-4. 元のフォルダにファイルが復元される
以上で復元は完了です。
1-2. Time Machine が有効になっているかチェックする方法
1-2-1. 左上のメニューバー(アップルメニュー)から「システム環境設定…」をクリック
1-2-2. システム環境設定ウィンドウ画面で Time Machine をクリック
1-2-3. 「Time Machine」環境設定を「入」になっているかチェック
「入」になっていれば復元は可能です。
2.「Time Machine」を有効にしていなくても大丈夫! Mac のゴミ箱から完全消去したデータを復元してくれる復元ソフト5選
次は Mac のゴミ箱から完全消去したデータを復元してくれる復元ソフトを紹介していきます。
無料と有料のソフトがあります。以下では無料のものと有料のもの、それぞれの特徴について説明していきます。
2-1.『EaseUS Data Recovery Wizard for Mac Free』 無料
EaseUS Data Recovery Wizard for Mac Free の最大の特徴は 2GB まで無料で利用できるという点です。
無料であるがゆえに機能に関して不安を抱いている方もいるかもしれませんが、基本的には多くの機能を搭載しています。
まずはファイル形式です。ファイル形式に関しても様々なファイル形式を扱うことができます。
ドキュメントファイルはもちろんのこと、動画や写真、音楽ファイルまでも気軽に復元をすることが可能になります。
次に復元に使用できるディスクです。
Mac の中にあるゴミ箱はもちろんのこと、外付け HDD や USB メモリー等の外部ディスクに関しても復元をすることが可能になります。
さらに EaseUS Data Recovery Wizard for Mac Free は操作性に関しても優れています。
操作性に関しては初心者でも簡単に使用できるように工夫がなされているので、Mac ユーザーの多くの方がゴミ箱のデータ復元に使用しているのです。
このソフトは柔軟性と利便性に非常に優れたソフトになります。
しかし、2GB までのデータを無料で復元することができますが、それ以上のデータの復元は購入が必要になります。
しかし、頻繁に間違えてファイルを消してしまう可能性は低いので、無料の範囲内で使うことができる可能性は高くなります。
2-2.『Photo Rec』 無料
Photo Rec は EaseUS Data Recovery Wizard for Mac Free と同様に無料で使用することができるソフトになります。
このソフトの特徴は利用に全く制限がないことです。EaseUS Data Recovery Wizard for Mac Free の場合は 2GB までの利用制限がありますが、Photo Rec は無制限にファイルを自由自在に復元することができます。
また、EaseUS Data Recovery Wizard for Mac Free と同様に多くのファイル形式の復元が可能になります。
動画や音楽ファイルだけでなく、実行ファイルやスクリプトなどにも対応してくるので様々なファイル形式に対応しています。
しかし、機能性は十分ではありますが、操作性に欠点があります。Photo Rec を使用する場合は全てコマンド上で使用することになります。
いわゆる黒い画面です。
デザイナーの方やパソコンに疎い方では使いこなすことが難しくなっているので初心者の方には不向きのソフトウェアになります。
また、Photo Rec には以前のファイル名を復元することができません。
そのため普段からパソコンに触れている方やコマンド操作ができる方しか使用できない場合があります。
初心者の方がむやみに使用をすると復元しようとしているデータ領域を Photo Rec 自体で上書きしてしまうことがあるのでそのような自体に陥るとファイル自体の復元が困難になる場合があります。
Photo Rec を操作する場合は十分に慎重に操作する必要があります。
自信がない方で無料のソフトウェアでゴミ箱を復元したい場合はなるべく Ease US Data Recovery Wizard for Mac Free を使用するようにしましょう。
2-3.『iSkysoft』 ¥7680(税込)
ここからのソフトウェアは有料になります。
Mac の復元ソフトはマイクロソフト社の Windows よりは少ないので有料のソフトウェアが主流になってしまいます。
有料のソフトウェアの中でも優秀な機能を備えているのが iSkysoft になります。この iSkysoft では誤って削除してしまったゴミ箱の中を復元することはもちろんのこと RAW ファイルの復元やパーディションの復元、ウィザードモード復元などの4つの復元モードがこのソフトウェアに搭載されています。
このソフトウェアの価格は7680円ですが、一度購入しておけば誤って操作してしまったほとんどの作業において復元することが可能です。
iSkysoft ではファイル形式においても世の中に存在する殆どのファイル形式を網羅しています。
アーカイブ形式やドキュメント形式だけでなく、E メールにおいてもファイルの復元が可能になります。
操作性においても非常に優れたソフトウェアです。
復元を開始する前にプレビュー機能を利用することによって復元したいファイルを一目で把握することができるので、ファイルを探す手間を大幅になくすことができます。
このように iSkysoft は操作に優れ、ノーリスクの復元を提供してくれるソフトウェアです。
2-4.『Renee Undeleter』 ¥4980(税込)
Renee Undeleter の最大の特徴は高速スキャンが搭載されている点です。
Renee Undeleter を使用すれば大量のファイルをスキャンする場合でも数分でスキャンの処理が終了します。
待ち時間が少ないので待つことが苦手な方でもストレスなく復元を行うことができます。
また、このスキャン機能にはディープスキャンという機能が搭載されているので、より古いファイルの復元にも対応することが可能になります。
Renee Undeleter ではプレビュー機能が充実しています。
復元をする際にスキャンを行い復元したいファイルを選択して復元することになりますが、プレビュー機能がない場合、ファイル名だけで判断しなければならないので、余分なものまで復元をしてしまう可能性があります。
しかし、Renee Undeleter には写真データのプレビュー機能とオフィス文章のプレビュー機能が搭載されているので、実際に写真を見たり、文章を一読してから復元をすることが可能になります。
また、Renee Undeleter にはフォーマットの復元機能があります。
「ハードディスクのフォーマットを誤って変更してしまいデータが消えてしまった・・・」このような場合でも Renee Undeleter は安心して復元をすることができます。その他にも外部ディスクのデータも蘇らせることも可能です。
このように Renee Undeleter では様々な機能が搭載されており、Mac ユーザーの多くの方に選ばれている復元ソフトです。
ゴミ箱は復元できるの?と思われた方もいますが、Renee Undeleter ではそのような作業も朝飯前になります。
2-5.『データリカバリー』 ¥7980(税込)
データリカバリーはワンダーシェア社が開発及び販売している復元ソフトになります。
データリカバリーの特徴としては様々な記憶装置、デバイスのデータを復元することができる点です。
Mac ユーザーがゴミ箱を誤って削除してしまった場合はもちろんのこと、SD カードやデジタルカメラ、マルチメディアカードなど様々な記憶装置やデバイスに対応しています。
誤って消してしまうことはパソコン上だけでなく、デジタルカメラなどの他のデバイスでも起こりうるので、このソフトウェアを購入しておくことによって様々なデバイスや記憶装置のデータを復元することができるようになるのです。
データリカバリーでは記憶装置やデバイスの豊富な種類に対応しているだけでなく、上記で紹介したソフトウェアのように多くのファイル形式に対応しています。
写真、動画、音楽、アーカイブ等これらのファイルを誤って消してしまった場合でも復元可能になります。
このワンダーシェア社のデータリカバリーは無料体験をすることができるので、他のソフトウェアも同様に無料体験を利用して自分に適切なソフトウェアを選ぶことができます。
操作性に関しても比較的簡単になっているのでパソコンを普段使用しない方や、パソコンに関してあまり詳しくない方でも復元しやすくなっています。
3. Mac の自動バックアップ機能「Time Machine」を利用して事前にデータをバックアップする方法
過ちによってファイルをゴミ箱の中に入れてしまい、さらにゴミ箱の中身を全て削除してしまった場合の復元方法について紹介してきましたが、ここまで紹介してきたのは言わば「事後的な対応」でした。
今後同様のトラブルを回避するために「事前の対策」についても説明していきます。
まず紹介させて頂く事前の対策は、先ほどもご紹介した Mac の自動バックアップ機能「Time Machine」を利用する方法です。
3-1.Time Machine を使用するために必要なものは?
まずは、Time Machine を使用するために必要なものを揃えましょう。
具体的には以下のいずれかを揃えておく必要があります。
- 外付け HDD(ハードディスク)
- Time Capsule または OS X Server
- Air Mac Extreme (802.11ac) 、Air Mac Time Capsule (2TB,3TB) (802.11ac) ベースステーションの USB ポートに接続された外付けハードドライブ
3-2. Time Machine を有効に
3-2-1.バックアップを保存したいデバイス、今回は「Air Mac Time Capsule – 2tb」を Mac に接続
今回は「Air Mac Time Capsule – 2tb」をワイヤレスで使用いたします。
なお、2TB,3TB を搭載した「Air Mac Time Capsule」はOS X に含まれる Time Machine と同期してワイヤレスで自動バックアップをすることができる。
Time Machine は「入」の状態にしておく。
3-2-2.左上のメニューバー(アップルメニュー)から「システム環境設定…」をクリック
3-2-3.システム環境設定ウィンドウ画面で Time Machine をクリック
3-2-3. Time Machine 環境設定画面の「ディスクを選択…」
3-2-4.バックアップディスク一覧から接続した「Air Mac Time Capsule – 2tb」を選択して「ディスクを使用」をクリック
3-2-5. Time Machine 環境設定を「入」にする
以上の作業をすれば Mac のファイルのバックアップが可能となります。
4.二度とデータ復元で悩まないために!オンラインストレージ「Dropbox」ご利用のオススメ
4-1.「Dropbox」を利用することで安全にデータ管理を実現!
次に紹介させて頂く事前の対策は、オンラインストレージ Dropbox を利用する方法です。
なぜ Dropbox を利用することが事前の対策となるのでしょうか?
それは、Dropbox にファイルを保存すると、自動的にバックアップしてくれるからです。
つまり、誤ってデータをゴミ箱に入れた上に完全削除してしまったとしても、復元することが可能なのです。
「消してはいけないファイルなのに、誤ってゴミ箱に入れた上ゴミ箱からも完全削除してしまった・・・どうしよう・・・」このような状況にならないためにも 胃事前の対策として Dropbox 上にデータを保存しておくことをオススメします。
4-2.もしも Dropbox でデータを復元する場合はどのようにすればいいの?
Dropbox でデータを復元する場合は Dropbox のウェブサイトにアクセスをしてログインをします。
左サイドメニューの項目の中にある「削除したファイル」のボタンをクリックします。
その後に復元したいファイルを検索してイベントにカーソルを合わせて復元することでイベントを取り消すことが可能になります。
Dropbox ではイベントに関しても簡単な操作でこのようにイベントの操作を復元することが可能になります。
ファイルを復元する方法について詳しくは「保存版!うっかりファイルを上書き、削除してしまった時の OS 別復元法」の記事をご参照下さい。
「保存版!うっかりファイルを上書き、削除してしまった時の OS 別復元法」はこちら
4-3.ファイルを復元できる期間を伸ばしたいならエクステンデッドバージョン履歴の利用がオススメ!
しかし、Dropbox Basic(無料版)や Dropbox Pro(有料版)に関しては削除してから30日以上が経過すると復元をすることができなくなってしまいます。
削除してから30日以上の復元をしたい方は、エクステンデッド バージョン履歴(EVH)の購入や Dropbox Business の利用をオススメします(Dropbox Basic をご利用中の方がエクステンデッド バージョン履歴を購入するには事前に Dropbox Pro にアップロードしておく必要があります)。
4-4.誤って保存しても安心!Dropbox では保存前の状態に戻す(ファイルの以前のバージョンを復元)ことができる
Dropbox は削除したファイルを復元することだけでなく、誤ってファイルを保存してしまい元の状態に戻したい場合にファイルの以前のバージョンを復元することも可能です。
ファイルの以前のバージョン復元の方法について詳しくは「もしもの場合に備えて知っておきたい!削除したファイルを復元する方法」の記事の「5-4」をご参照下さい。
「もしもの場合に備えて知っておきたい!削除したファイルを復元する方法」はこちら
5.まとめ
今回は Mac ユーザーがファイルをゴミ箱の中に入れてしまい、続けてゴミ箱のファイルを完全消去してしまった場合のファイルの復元方法に関してご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
もし、ファイルを完全に消去してしまったとしても
Dropbox を利用していない場合はソフトウェアを無料で使用したり購入をする必要がありますが、Dropbox を利用している方はこのようなソフトウェアを使用しなくても30日以内に削除したファイルであれば誰でも気軽に復元をすることができます。
このような状況に陥らないようにしっかりと Dropbox に登録して Dropbox でファイルを管理するようにしましょう。