現場志向の介護・福祉業界で「Web会議・テレビ会議システム」を効果的に使うには?

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アスクルが発行する『ASKULリサーチレポート vol.7』によると、「今後導入したいと考えている(必要性を感じている)ITツールやサービス」について業種別に調査したところ、「介護・福祉」業界で、「Web会議・テレビ会議システム」が全体と比較して10pt以上高いという結果が出ました。そこで今回は、「Web会議・テレビ会議システム」が介護・福祉業界で思うように普及しない原因、導入したいと考える背景、そして普及することで見えてくる可能性について考えてみます。

コロナ禍で「Web会議・テレビ会議システム」の重要性が認知され始める

BtoB通販事業「ASKUL」が2021年5月~6月に実施した『DXレポート第2弾 「職場でのITツール導入」の実態調査』によると、「今後導入したいと考えている(必要性を感じている)ITツールやサービス」について業種別にたずねたところ、「介護・福祉」「各種組合・団体及び施設・機関」「教育」で、「Web会議・テレビ会議システム」が全体と比較して10pt以上高いという結果が出ました。

お勤め先で、今後導入したいと考えている(必要性を感じている)ITツールやサービスはありますか?(業種別)

アスクル株式会社 2021年8月23日発行「ASKULリサーチレポート vol.7」 を基に作成
https://pdf.irpocket.com/C0032/wUtl/GsMr/KQo3.pdf

例えば、不動産、製造、小売などの他業種では、「今後導入したい」という回答が11~20%くらいでとどまっているのに対し、「介護・福祉」「各種組合・団体及び施設・機関」「教育」では、30%を超える回答率を示しています。この結果から、「介護・福祉」「各種組合・団体及び施設・機関」「教育」といった業界では、まだまだ「Web会議・テレビ会議システム」の普及率が他の業界と比べて低いということがうかがえます。

そこで今回は「現場力」が業務の成果に直結する「介護・福祉」業界と「Web会議・テレビ会議システム」について考えていきたいと思います。

「Web 会議・テレビ会議システム」が必要とされる背景とは

アスクル調査では、今後導入したいツールやサービスを導入する際、導入の前後で弊害となる事柄についてたずねています。主な回答として導入費用やツールやシステムに対する理解度への不安、活用度合いがどれくらいなるのかわからない、といったものが挙げられています。介護・福祉業界で「Web会議・テレビ会議システム」がなかなか普及しない理由にも、これらは当てはまるはずです。では、「Web会議・テレビ会議システム」がいまなぜ必要とされているのでしょうか。

まず介護・福祉業界で常に求められているのが、スタッフ全体のスキル向上です。この業界では、さまざまな雇用形態の人が働いていますが、たとえ補助的に働く人であっても、現場でのミスは許されません。サービスを受ける側は、どんな立場のスタッフに対しても、高いレベルの技術を持って当然と考えます。

もともと経験も豊富で技術力も高いスタッフには、さらに新しい資格を取得してもらいたい、あるいはマネジメントの能力も身に着けてほしいと、会社側は考えます。また新人に対しては、少しでも現場でベテランスタッフの技術を身に着けてもらい、経験値を高めながら向上してもらいたいと考えるのです。

また、介護・福祉業界は、恒常的な人手不足が指摘されることが多い業界です。施設を経営する会社からすれば、最小限のスタッフのスキルを全体的に底上げすることこそが、施設そのものの評判にもつながり、競争に打ち勝つ条件にもなるのです。

こうした目標の達成には、現場で学ぶという「On-the-Job Training(OJT)」だけでは足りないと感じるスタッフや施設運営会社が増えています。現場で学ぶことも大切ですが、ベテランスタッフから「こういう場合はこうしたほうがいい」というようなアドバイスやレクチャをまとめて実施することも重要です。また普段は話を聞けないような専門家の指導を受けたり、資格取得のための講座などを受けたりすることも必要になります。

そうしたことを行うときに、いつも会議室などに集合して、対面で実施するしかないという状態では、参加できる人が限られてしまいます。また、介護・福祉の仕事は、介護対象であるお客様の自宅で行うことがしばしばであり、ハードな仕事を終えてから、また事務所に戻り、勉強しなくてはならないというのも、大きな負担となります。

だからこそ、「Web会議・テレビ会議システム」を導入したいと考える関係者が増加しているのです。

「Web会議・テレビ会議システム」をどう利用していけばいいのか

OJTによってスキルアップしていく介護・福祉業界で、さらに向上していくには社員同士での情報収集や業務の振り返りが必要になります。「Web会議・テレビ会議システム」により、自宅や社外からスタッフ同士で情報収集や業務の振り返りができるようになれば、全体のスキルアップに大きく役立ちます。

また、資格取得のための研修などの際に「Web会議・テレビ会議システム」を使うことで、リアルタイムで別の場所から研修に参加したり、録画をして後から学ぶことも可能となります。

スタッフ同士で、仕事のフローの整理や標準化を進める場合も、現場での業務が終了してから多くの人が参加していることが望ましいはずです。「Web会議・テレビ会議システム」であれば、時間や場所的に制約もなくなるため、日時の調整も比較的容易に行えるようになり、おのずと参加率も上がってくるでしょう。

このように「Web会議・テレビ会議システム」を活用することで、多忙を極める現場での仕事の隙間時間を狙ってさまざまなコミュニケーションを行うことができ、それがスタッフ全体のレベルアップにつながるのです。

また、人材育成面のメリットだけでなく、介護施設の入居者と申込などをする際に「Web会議・テレビ会議システム」を使ったり、さらには、感染予防の観点から介護施設の入居者との面会を制限されている場合に「Web会議・テレビ会議システム」を使ってリモートでの面会をしたりと、利用者側と事業者側のどちらもメリットを得られるため、コロナ禍でその利用価値が上がったと言えます。

「Web会議・テレビ会議システム」だけでは達成できない課題とは?

新しいコミュニケーション手段によってスタッフ全体のレベルアップを図るという意味では、「Web会議・テレビ会議システム」だけでなく、バーチャルな仕事空間を全体で共有することで、さらなる効果を生み出すことも期待できます。

バーチャルな仕事空間とは、例えば、数名で編成されたチーム内での情報共有を行うようなワークスペースです。IDとパスワードでアクセスすれば、さまざまなテーマに別れたプロジェクトのドキュメントが整理され、新しくチームに参加した人でも、すぐに細かい状況なども含めて理解できるようになります。

個々の介護対象者についての詳細な情報共有は、厳重にセキュリティを保持したまま活用する必要がありますが、それをクリアできれば、常にそのドキュメントをオフィス外からでも各種端末から確認することも可能になり、業務の正確性も向上するはずです。

また業務フロー改革などでも、チャットで会話した内容を整理し、課題を振り分け、それぞれの課題の解決方法を検討していく、といったことも、バーチャルな仕事空間ではどこでも実施できます。「Web会議・テレビ会議システム」と併用してこうしたツールを利用することで、忙しい現場の仕事があっても、少しずつ将来に向けた改善を実現させていくことができます。

まとめ

確かに「Web会議・テレビ会議システム」の導入も必要ですが、さらなる効率化を促すとともに社内定着化を実現するには、いかにドキュメントを活用するかも考えなければなりません。そこでお勧めしたいのがDropboxです。

Dropboxは、「Web会議・テレビ会議システム」といったITツールとの統合をはじめ、コミュニケーションツールやワークフローツール、オフィススイートなどとの連携といった機能を備えています。

さらに、Dropbox Paperを使うことで、さらに取り組みを加速させることが可能になります。単なるドキュメント整理ではなく、「Web会議・テレビ会議システム」とDropbox Paperを一緒に使うことで、1カ所でアイデアを出し合い、それをリアルタイムに共同編集する、まさに“テレワーク時代のホワイトボード”として使えるようになるのです。

また、業務の振り返りをしながら、ドキュメントを起していく際にも、個々に作成してメールで共有するのではなく、Dropbox Paperのサービス内で「●●の作業での注意点」というようにドキュメントを共有して、さまざまな人がそれを閲覧し注釈などを加えることで、より充実した資料を作成していくことができます。さらにこうした作業を比較的作業しやすい時間に実行することができるので、書類づくりにありがちな負担も大幅に軽減することができます。

加えてDropbox Paperには、議事録をはじめ、製品の仕様書やプロジェクト計画書など、業務や個人用にすぐに使えるさまざまなテンプレートが用意されています。表を作成したり、項目を作ったりといった手間を省けるため、効率的に業務を進められるようになるでしょう。

テンプレート一覧

※テンプレート一覧はこちら
https://www.dropbox.com/paper/templates/

「Web会議・テレビ会議システム」を使っている場合、過去の会議の内容を整理しておけば後で簡単に検索することもできますし、会議の記録に各スタッフのタスクを付与しておけば、何がどれくらい進捗しているかもすぐにわかります。「Web会議・テレビ会議システム」をさらに高度かつ便利に使いたい方は、Dropbox Paperの併用を検討してみてください。

■ASKULサイト内 調査レポート公開ページ「しごとごと」はこちらから
 https://www.askul.co.jp/f/special/survey/

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