Windows には無料で利用できるフォトギャラリーという強力な写真管理アプリがあることをご存じですか?アプリの存在や無料で使えることを知っていても、何に使うアプリなのか、機能が豊富にあっても活用できていないという方は多いのではないでしょうか。
せっかく無料で利用できるこの Windows フォトギャラリーをもっと活用するためのアプリ導入から写真管理機能、写真編集機能について知っておきたい知識をまとめました。
目次
1. Windows フォトギャラリーにできること
2. Windows フォトギャラリーのインストール方法
3. よく利用される機能の使い方 [写真の追加/トリミング/スライドショー/印刷]
4. フォトギャラリーで困った時の対処法
5. まとめ
1. Windows フォトギャラリーにできること
Windows フォトギャラリーは、Windows XP 以降の各バージョンに無料で提供されています。それぞれ Windows Essentials というアプリ集に含まれており、Windows 7 以降では Windows Essentials 2012、Windows XP の場合は Windows Live Essentials 2009 に含まれています。
なお、このアプリは Windows 向けなので Mac OS などアップル系のデバイスには提供されていません。
Windows 10 については、Windows Essentials が公式には非対応となっていますが、ほとんどの場合はインストールすると問題なく動作します。
Windows のバージョン | 対応している Essentials |
Windows 7 / 8 / 8.1 | Windows Essentials 2012 |
Windows Vista | Windows Live Essentials 2011 |
Windows XP | Windows Live Essentials 2009 |
※2016年4月15日調べ
1-1. デバイス内の写真を一元管理
Windows フォトギャラリーという名称から推測できるように、Windows がインストールされているデバイス内にある写真を一元管理することができます。あちこちのフォルダに散らばって保存されている写真であっても同一画面で管理できるので漏れがなく、写真の管理効率が飛躍的に向上します。
1-2. 簡単な写真の補正、編集
写真に対して簡単な色目の補正や編集が可能です。主な機能としては色目の補正、トリミング(切り抜き)、傾きの調整、ノイズの除去などが挙げられます。
写真編集といえば Adobe 社の Photoshop が有名ですが、値段も高価です。簡単な編集で十分という場合は、Windows フォトギャラリーの編集機能が大いに活躍します。
1-3. スライドショー
特定のフォルダ内にある写真をスライドショーとして連続で表示させることができます。色々な演出効果を選ぶことができるので、お店などのディスプレイや環境映像などとしても利用可能です。
1-4. 写真を共有、公開
Windows フォトギャラリーからの操作で、特定の写真をメール送信したり、OneDrive にアップロードして共有、公開したりすることができます。
これにより、サイズの大きな写真や動画もスムーズに共有し、相手に届けることが可能になります。
2. Windows フォトギャラリーのインストール方法
2-1. Windows フォトギャラリーのインストール
Windows フォトギャラリーは、以下の Microsoft 公式ページからダウンロードできます。
■ダウンロードはこちら ⇒ Windows Essentials ダウンロードページ
このページにある「今すぐ入手」をクリックして、インストーラーをダウンロードします。ダウンロードが完了すると wlsetup-web.exe というインストーラーが保存されるので、それをダブルクリックします。Windows の設定によっては拡張子が表示されないので、「.exe」が無い場合もあります。
次にインストールする機能の選択画面になります。
フォトギャラリー以外の機能が不要な場合は、すでに入っているチェックを外してください。
これでインストールは自動的に完了します。
2-2. 初期設定、フォルダの追加
Windows フォトギャラリーは、デバイス内に散らばっている写真や動画ファイルを一元管理するアプリです。初期状態だと「ドキュメント」や「ピクチャ」などの標準的な保存場所のみが登録されていますが、他の場所にある写真を取り扱うことも多いと思います。
その場合は、個別にフォルダを追加します。
Windows フォトギャラリー画面の左上、メニューボタンをクリックして開いたメニューから「フォルダーを追加」を選択します。
次に開いたウインドウで、「追加」ボタンをクリックします。
追加したい写真が保存されているフォルダを探して、「フォルダーを追加」をクリックするとそのフォルダ内にある対象ファイル(写真と動画)が追加されます。
2-3. 写真のインポート
Windows フォトギャラリーは、外部デバイスから写真をインポートすることができます。USB で接続されたデジタルカメラなどを検出して、そこから写真を直接読み込んで管理することができます。
インポートをするには、Windows フォトギャラリー画面の左上にある「インポート」をクリックします。
有効になっているデバイスがあれば、以下のようにそのデバイスが表示されます。読み込みたいデバイスを選択して「読み込み」をクリックします。
そこから先は画面の指示に従って読み込むと、Windows フォトギャラリーの中に外部デバイスの写真が一覧表示されます。
すでにインポートされているので、外部デバイスを取り外しても写真が消えることはありません。
ではいったいどこに保存されているのか?という疑問に対しては「4-2. 写真の保存場所が分からない」で解説します。
3. よく利用される機能の使い方 [写真の追加/トリミング/スライドショー/印刷]
3-1. 写真の追加
Windows フォトギャラリーは、写真をフォルダ単位で管理しています。フォルダ単位で管理する場合は「2-2. 初期設定、フォルダの追加」で解説した追加方法を使いますが、特定の写真だけを追加したい場合は写真ファイルを直接ドラッグ & ドロップします。
追加した写真は時系列で整理されているので、追加したのにどこに入ったのか分からないという場合はその写真を撮影した時期で探してみてください。
3-2. トリミング
トリミングとは、写真の一部を切り抜く機能のことです。不要な部分をカットしたい場合に使用します。
トリミングをしたい写真を表示させた状態で Windows フォトギャラリーの画面上にあるメニューで調整メニューの中に「トリミング」というボタンをクリックします。
トリミングのボタンをクリックすると、9 分割された縦横の線が表示されます。4 つの角やそれぞれの線にマウスポインタを合わせると動かすことができるので、それで切り抜きたい部分を調整します。
この例では、右側にある中華風の建物だけを残してトリミングしてみます。
選択エリアの設定が完了したら、ENTER キーを押してください。
このように、建物だけがトリミングされました。
これで右上にある「ファイルを閉じる」という×印のボタンをクリックすると、トリミングした写真が保存されます。
3-3. スライドショー
あらかじめ指定した写真を順に表示してくれるのがスライドショー機能です。お店などで環境映像として流しっぱなしにしたい場合などにも使える手軽な機能です。
あらかじめスライドショーで表示させたい写真を特定のフォルダに入れておき、Windows フォトギャラリーでそのフォルダを選択します。
この場合は「Windows フォトギャラリー」というフォルダを作って、そこに大阪の名所の写真を入れてみました。
その状態でメニュー上部にある「スライドショー」をクリックします。
するとプルダウンメニューが表示されますが、これらはスライドショー表示する際の演出効果です。どんな感じ写真を切り替えていくのかを選べるので、好みに合わせて選んでください。
演出効果を選択したら、スライドショーが始まります。スライドショー表示を終了させるには、右上の「フォトギャラリーに戻る」をクリックしてください。
3-4. 印刷
Windows フォトギャラリーから写真を印刷するには、まず印刷したい写真をクリックして選択します。
次に左上メニューをクリック、その中にある「印刷」を選択してください。
プリンターの準備ができていたら、以下のような印刷画面になります。この画面はプリンターのメーカーや機種によって異なりますが、おおむね設定項目は同じです。
用紙サイズや種類を選んで、「印刷」をクリックすると印刷が始まります。
4. フォトギャラリーで困った時の対処法
4-1. 写真ファイルが開かない、表示されない
Windows は拡張子でファイルの種類を判別する仕組みになっています。例えば「Sample.jpg」というファイル名であれば、ドット以降の部分(.jpg)が拡張子です。これが付いていない場合、Windows はそのファイルが画像なのかどうか判別できず、Windows フォトギャラリーにも表示されません。
画像として認識されていないのでその写真から Windows フォトギャラリーを開くこともできません。
初期設定だと Windows は拡張子を表示しない設定になっているので、表示する設定に変更して確かめてみましょう。
スタートボタン → コントロールパネル → デスクトップのカスタマイズ → フォルダーオプションの順に開くと、以下の画面になります。
ここで「表示」タブをクリックして、下に表示されるメニューから「登録されている拡張子を表示しない」という項目に入っているチェックを外します。
次に OK をクリックして、開かないことが問題になっていたファイルを見てみてください。ファイル名の後に拡張子がついていなければ、「.jpg」などの拡張子を付けてみてください。これで開けば、そのファイルは JPEG 画像です。
これでもうまくいかない場合は、他にも「.bmp」「.gif」「.png」など画像ファイルであることを示す拡張子を試してみてください。
4-2. 写真の保存場所が分からない
Windows フォトギャラリーに読み込んだ写真がどこに保存されているのか知りたいという場合は、Windows のドキュメントフォルダを探します。但し、Windows のバージョンによって名称が異なります。
Windows XP では「マイドキュメント」、Windows 7 以降の場合は「ドキュメント」です。その中にある「マイピクチャ」または「ピクチャ」フォルダを開いてください。
このように、Windows フォトギャラリーで管理している写真が全て保存されているのが分かります。
4-3. トリミングがうまくできない
Windows フォトギャラリーのトリミングには、若干のコツがあります。トリミングモードになった時に表示される 9 分割の四角形には、それぞれ小さい点があります。矢印で示したところにある点にマウスポインタを合わせて、その状態でドラッグしてください。
それ以外の場所でドラッグしても、四角形全体が動くだけで伸縮しません。これらの点を使って大きさを調整、それ以外の線にマウスポインタを合わせてトリミングする範囲を移動するという具合に使い分けをします。
うまくトリミングできなかった場合は、最初からやり直すことができます。次の項で、間違った編集を取り消す方法を解説します。
4-4. 間違った編集をしてしまった
トリミングや色調補正など、写真に間違った編集をしてしまった場合はそれを保存すると間違った編集のまま保存されてしまいます。
その場合は、Windows フォトギャラリー画面右上にある「最初の状態に戻す」をクリックします。ここで隣にある「ファイルを閉じる」をクリックすると間違った編集で保存されてしまうので注意してください。
なお、この時間違って保存してしまった場合であっても後から「最初に戻す」をクリックして編集を取り消すこともできます。
4-5. 写真を削除できない
Windows フォトギャラリーから写真を削除するには、いくつかの方法があります。
- 削除したい写真を選択した上で、上部メニューにある「削除」をクリック
- 削除したい写真を右クリックして、「削除」をクリック
- 削除したい写真を選択した上で、Delete キーを押す
いずれも結果は同じなので、最も使いやすい方法で削除をしてください。
5. まとめ
Windows には、標準装備されているアプリや無料で配布されているアプリが多数あります。その中には「結構使える!」という評価のものも多く、この Windows フォトギャラリーもそのひとつと言って良いでしょう。
膨大な数の写真を一元管理できるだけでなく簡単な編集もこなすので、パーソナルユースなら別途写真編集ソフトがなくても必要十分です。
せっかく Microsoft が無料で配布してくれているので、この記事にある使い方をマスターして、効率の良い写真管理を実現してください。