Windows 10 で共有フォルダを設定したいと思っているもののやり方が分からなくてお困りですか?それとも、Windows 10 で共有フォルダの設定をしたのにうまくいかなくてお困りでしょうか?
Windows 10 には標準の共有フォルダ機能が実装されていて、簡単な設定ですぐに使い始めることができます。この記事ではそのための設定方法と、各デバイスからのアクセス方法をまとめています。さらに、Windows 10 の共有フォルダが見えない、アクセスできないといった問題に対処する方法も解説していますので、問題を解決したい方はぜひ参考にしてください。
また、LAN 内だけでなく世界中のどこでも共有フォルダを活用できるオンラインストレージの世界と、その設定方法についても解説していますのでぜひ最後までお読みください。
目次
1. Windows 10 の共有フォルダ設定 & アクセス方法
2. よくある共有フォルダの問題と解決方法
3. オンラインストレージによる共有フォルダ作成方法
4. まとめ
1. Windows 10 の共有フォルダ設定 & アクセス方法
1-1. 共有フォルダの設定
Windows 10 で共有フォルダを設定するには、共有ウィンドウを使います。共有ウィンドウは、共有したいフォルダを右クリックして「共有」を選択すると表示されます。
「共有する相手を選んでください」と表示されている画面で、下記の部分をクリックして共有したい相手を選びます。
ここで「Everyone」を選択すると、LAN で接続されている全ユーザーに対して共有されます。
共有相手を選択したら右に「読み取り」「読み取り/書き込み」を選択するメニューが表示されます。ここでは共有相手にどこまでの権限を許可するかを設定できます。
1-2. 特定の人にフォルダを共有する
共有相手を設定する画面で「Everyone」とせず特定のユーザーを選択すると、対象のフォルダはそのユーザーにだけ共有されます。
その他のユーザーがアクセスしようとしても開くことはできません。
1-3. 共有フォルダにアクセスする
Windows 10 で設定した共有フォルダにアクセスをするには、同一の LAN に接続されていることを確認の上、それぞれのデバイス別の方法で行ってください。
1-3-1. Windows からアクセス
Windows 10 をはじめ、他のバージョンの Windows から対象の共有フォルダにアクセスするには「ネットワーク」もしくは「マイネットワーク」を使用します(名称は各 Windows のバージョンによる)。
「ネットワーク」もしくは「マイネットワーク」を開くと、LAN 内でアクセス可能な端末が表示されます。
共有フォルダのある端末を開いて対象のフォルダを探してください。
1-3-2. Mac からアクセス
Mac から Windows 10 で共有しているフォルダを探すには、Windows 10 端末の IP アドレスから探すのが最も早道です。そこで、下準備として Windows 10 側で自身の IP アドレスを調べておきます。
スタートボタンを右クリック → コマンドプロンプトの順に開き、ここで「ipconfig」を入力、ENTER キーを押します。
そこで表示された情報の中で、「IPv4 アドレス」と表示されているのが IP アドレスです。この数字をメモしておいてください。
次に、Mac 側で Finder メニューの「移動」→「サーバへ接続」を開き、「サーバアドレス」の欄に先ほどの IP アドレスを入力します。
Windows 10 端末への接続が完了したら、共有しているフォルダを探して開きます。
1-3-3. Android からアクセス
Android スマホなどからも、Windows 10 の共有フォルダにアクセスすることができます。最も便利なのは「ES ファイルエクスプローラー」というアプリなので、事前にインストールしておいてください。
「ES ファイルエクスプローラー」を開いたら、左上のメニューボタンをタップ、そこで表示されたメニュー項目の中から「ネットワーク」をタップ、さらにそこで表示される「LAN」をタップします。
すでに同じ端末にアクセスしたことがある場合は端末が表示されていると思いますが、初めての場合は何も表示されていません。ここで矢印の位置にあるボタンをタップして、ネットワーク上にある端末をスキャンします。
すると、フォルダを共有している Windows 10 端末が表示されるので、これをタップしてその中にある共有フォルダを探します。
1-3-4. iPhone、iPad からアクセス
iPhone や iPad などの iOS 端末から Windows 10 の共有フォルダにアクセスするには、「Documents 5」というアプリを使用するのが便利です。あらかじめ「Documents 5」をインストールしておいてください。
「Documents 5」を開くと、画面下部に Wi-Fi 電波をイメージしているようなアイコンがあります。これをタップすると、Wi-Fi 経由で接続可能な端末が表示されるので、そこでフォルダを共有している Windows 10 端末を探してアクセスします。
1-4. 共有フォルダの応用的な使い方
共有フォルダにはセキュリティ上の観点からパスワードによるロックを掛けることができます。共有範囲を「Everyone」にしている場合など、共有フォルダにアクセスできる範囲を広げている場合は特に、パスワードを掛けるなど何らかのセキュリティを施しておくことをおすすめします。
パスワードを掛けるには、Windows 10 のスタートボタンを右クリック → コントロールパネル →「ネットワークとインターネット」→「ネットワーク共有センター」の順に開いた上で、左側のメニューにある「共有の詳細設定の変更」を選択、クリックします。
この画面の一番下にある「すべてのネットワーク」をクリック、次に開いた画面の一番下にある「パスワード保護共有」で、「パスワード保護共有を有効にする」にチェックを入れると、パスワードがないと共有フォルダへのアクセスができなくなります。
この設定が有効になると、対象の共有フォルダがある Windows 10 にログオンするためのユーザー名とパスワードがないと共有フォルダにアクセスできなくなります。
パスワードロックを解除するには、「パスワード保護共有を無効にする」にチェックをいれます。
それぞれ、設定をした後で「変更の保存」をクリックするのを忘れないようにしてください。
2. よくある共有フォルダの問題と解決方法
2-1. 共有フォルダが見えない
Windows 10 側でフォルダの共有設定をしたのに、そのフォルダが他のデバイスで見つからない場合は、以下の解決方法を参照してください。
2-1-1. 考えられる原因その1 非表示設定になっている
Windows には、隠しフォルダという概念があります。実際には存在しているのにユーザーが直接使うことがほとんどないフォルダなど(ユーザーが下手にアクセスするとシステムを破損する可能性があるものなど)に用いられています。
共有フォルダがこの隠しフォルダ設定になっていると、他のデバイスから探しても見えないという現象が起こります。
対象フォルダを右クリックして隠しフォルダの設定になっていないか、もしくはフォルダ名の末尾に「$」マークが付いていないかを確認してください。なお、末尾の「$」マークは非表示設定の識別子(しきべつし)です。
2-1-2. 考えられる原因その2 同一の LAN に接続していない
共有フォルダは、同一の LAN に接続されている端末が最大の共有範囲です。共有相手を「Everyone」にしても、同一の LAN に接続されていない端末からは閲覧も編集も不可能なので、共有フォルダはおろか共有している Windows 10 端末すら見つからない時は接続している LAN が同一かどうか確認してみてください。
デスクトップパソコンの場合は有線 LAN なので間違いにくいですが、ノートパソコンやスマホなどの場合は無線なので別の Wi-Fi ネットワークに接続されていた、ということもよくあります。
2-1-3. 考えられる原因その3 共有設定が完了していない
Windows 10 側の共有設定が完了していない、不十分である可能性もあります。もう一度共有設定をしてみて、最後まで「共有」をクリックして完了させてください。
それともうひとつ、Windows 10 側のネットワーク探索が無効になっている可能性があります。Windows 10 は工場出荷時の状態でネットワーク探索が無効になっており、このままだと他のデバイスからアクセスできません。
ネットワーク画面を開いた時に、ウィンドウ上部に「ネットワーク探索が無効になっています・・・(以下略)」という文言が表示されている場合は、その文言がある部分をクリックして「ネットワーク探索を有効化」をクリックします。
次に「すべてのパブリックネットワークにネットワークの探索とファイル共有を有効化しますか?」と尋ねてくるので、ここでは上にある「いいえ」をクリックして、LAN 内の端末からのアクセスを有効にします。
2-2. 共有フォルダにアクセスできない、開けない
共有フォルダが表示されているのに、開けないという問題が起きることもあります。その場合は、以下の解決方法を試してみてください。
2-2-1. 考えられる原因その1 ファイアウォールに遮断されている
ファイアウォールというのは、防火壁という意味です。外部からの攻撃を火災になぞらえて遮断するための機能ですが、このファイアウォールが本来必要なアクセスまで不正アクセスと見なして遮断してしまう場合があります。
特に注意したいのが、セキュリティソフトです。セキュリティソフトのガードが固すぎるために共有フォルダが開けないという事例は多いので、セキュリティソフトのガードを一度無効にした上でアクセスしてみてください。
これでうまくいった場合は、そのアクセスについては例外設定にして以後アクセスできるように設定しておきましょう。
2-2-2. 考えられる原因その2 Netlogon が有効になっていない
Windows 10 の機能で外部からのアクセスを遮断してしまっている場合があります。よくあるのが Netlogon が無効になっているという原因なので、これを有効化してみましょう。
コントロールパネルの中にある「システムとセキュリティ」→ 「Windows ファイアウォール」の順に開いた上で、左メニューにある「Windows ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可」をクリックします。
次に表示されるこの画面では、「Netlogon サービス」を探してそこにチェックを入れます。LAN 経由のアクセスなので「プライベート」のチェックボックスにだけチェックを入れてください。
2-2-3. 考えられる原因その3 アクセス権がない
共有フォルダには、「アクセス権」という概念があり、ユーザーとアクセス範囲という 2 つの項目を設定することができます。
特定の相手にのみ共有しているフォルダに、相手として設定されていない人がアクセスをしようとしてもフォルダは開きません。また、閲覧のみ許可されているユーザーが編集をしようとしてもアクセス権限がないのでできません。
この問題を解決するには、共有設定をしている Windows 10 側で権限の設定変更をする必要があります。
2-3. パスワードを求められるが、分からない
「1-4. 共有フォルダの応用的な使い方」で解説した方法でパスワード保護を有効にしている場合、外部から共有フォルダにアクセスしようとするとユーザー名とパスワードが求められます。
ここで必要になるのは、共有フォルダを設置している Windows 10 端末のユーザー名とパスワードです。普段その端末を利用している人であれば自分のユーザー名とパスワードなので覚えている可能性が高いですが、それ以外の人がアクセスする場合は共有フォルダの管理者である Windows 10 端末の所有者にユーザー名とパスワードを問い合わせてください。
3. オンラインストレージによる共有フォルダ作成方法
3-1. オンラインストレージの共有フォルダ機能
オンライン上のサーバーに自分専用のスペースを持ってファイルを保存できるサービスのことを、オンラインストレージサービスと言います。オンライン上に保存しているファイルやフォルダを共有できるのもオンラインストレージサービスの大きなメリットで、その中のトップシェアである Dropbox にもその共有フォルダ機能があります。
この記事で解説している Windows 10 の標準機能を使った共有フォルダは、あくまでも同一 LAN の中での共有です。その一方で Dropbox などオンラインストレージを利用した共有フォルダは、ネット接続されている端末であれば世界中のどこからでもアクセスが可能になる点が大きく異なります。
オンラインストレージを利用した共有フォルダのメリットを整理すると、以下のようになります。
- 重要なファイルを手元の端末とは別のところにバックアップできる
- 遠隔地でもフォルダ共有が可能で共同作業が実現する
- 共同作業中のファイルを移動中にモバイルデバイスで確認できる
- 大容量ファイルの送信が可能で、オンラインストレージからダウンロードするかを選べる
3-2. Dropbox での共有フォルダ作成方法 2 つ
オンラインストレージの代表的な存在である Dropbox を例にとって、オンラインストレージ上に共有フォルダを作る方法を 2 通り解説します。
どちらの方法もとても簡単な操作ですが、これだけの設定で世界中のどこにいても高度なフォルダ共有が実現するのはオンラインストレージの大きなメリットと言えるでしょう。
3-2-1. 新たに共有フォルダを作成する
新たに共有フォルダを作成するには、ウェブ版 Dropbox の管理画面の「共有」をクリックします。
次の画面で、右上に「新しい共有フォルダ」というボタンが表示されるので、ここをクリックします。
フォルダを共有というウィンドウになったら、「新規フォルダを作成し共有する」を選択して、「次へ」をクリックします。
「新しい共有フォルダ名は?」と尋ねてくるので、好きな名前を入力して「次へ」をクリックします。
最後に、フォルダを共有する相手を選択します。
すでに Dropbox ユーザーとなっている人を指名して設定すると、指名された人だけにこのフォルダが共有され、利用可能になります。
3-2-2. 既存のフォルダを共有する
上記の方法ともうひとつ、既存のフォルダを共有することで共有フォルダを作成する方法があります。
ウェブ版 Dropbox の画面で共有したいフォルダにマウスを合わせると、その右側に共有ボタンが出現します。これをクリックすると「共同作業するユーザーを招待」というメニューが表示されます。
次の画面で共有する相手を選択すると、指定された相手にのみフォルダが共有されます。
4. まとめ
今や業務だけでなく、家庭でも複数の端末でファイルやフォルダを共有することは珍しくなく、Windows 10 にもそのための機能が標準装備されています。この記事では少しでも簡単に Windows 10 の共有フォルダを活用できるように解説をしてきましたが、いかがでしたか?
さらに発展した使い方ができるオンラインストレージの共有フォルダについても解説しましたので、用途に応じて活用してください!