「図面管理をもっと楽にする方法はないの?」「図面管理の具体的な方法が分からない」そう疑問に感じて図面の管理方法について調べていませんか?
図面などの書類データは明確なルールを設けて意識的に管理をすることで業務効率が飛躍的に向上します。
図面を探す時間が10分でも短縮できるだけで年間60時間以上の時間を他の業務に有効活用することができます。
この記事では、明日から即実践できる図面の管理方法についてお伝えします。
探している図面に最短で辿りつけるファイル管理の方法や、図面の場所が視覚的に分かるディレクトリ(フォルダ)構築方法など図面検索を効率化させ業務効率を飛躍的に向上させるテクニックをご紹介します。
実際に製造業や建築設計事務所で実践している図面の管理方法であり、無料のツールを使用しているために今日から実践することができるので、是非参考にしてみて下さい。
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1.図面管理の作業を効率化させるためのポイント
図面管理は下記の5つの項目の作業効率を効率化させることを意味します。
・図面検索の短縮化
・リビジョン管理(最新図面のへの更新管理)
・プロジェクト管理(フォルダ管理)
・情報共有
・マルチデバイスの対応
図面管理を検討するにあたって上記5つの項目の「何を効率化させたいのか?」「どこまで効率化させたいのか?」という目的を明確にすることが重要です。
図面管理の目的によって最適なツールが異なり、一定の段階に到達すると図面管理が破綻してしまう可能性があるからです。
そのために、まずは図面管理の「目的」を明確にし、その目的を簡単に達成できるツールやルール(仕組み)を構築する必要が重要です。
まずは、図面管理で見直すべき5つの項目について解説します。
1-1.図面検索の短縮化
「図面検索の短縮化」とは目的の図面に簡単に到達できる仕組みの構築を意味します。
図面検索が効率化できない最大の理由は「どこにファイルがあるのか分からない」「どんなファイル名か分からない」という「場所」と「名前」に一定のルールー設けられていないことが原因です。
フォルダやファイル名に一定のルールを設けることで図面検索は飛躍的に向上させることができます。また、ツールを選ぶ際はファイル検索機能が充実したツールを導入するようにしましょう。
このように図面管理を検討する際は、「図面検索の短縮化」を仕組み化することが重要です。
1-2.図面の更新管理
図面の更新(リビジョン)管理のポイントは「最新の図面に更新されること」と「図面の更新履歴が確認できること」の2つポイントが重要です。
図面の更新管理が不十分だと、「この図面は最新のものなのか?」という確認する時間が発生します。また、過去の案件の部品のスペアの製作などで古い図面を使用する場合を想定し、更新履歴を残しておくことが図面の更新管理には重要です。
このように図面のリビジョン管理は、無駄な確認作業や重複を発生させないためにも、「最新の図面に更新されること」「図面の更新履歴が確認できること」の2つのポイントが重要です。
1-3.ディレクトリ管理
図面のディレクトリ管理は最初にルール化しておくことが重要です。
「フォルダに何が保管されているのか分からない」という状況はディレクトリ管理に明確なルールが設けられておらず、担当者ベースでフォルダを増やしてしまうことが原因です。
まず最初にディレクトリ構成を検討し、先に必要なフォルダを作成し、ディレクトリ構成をルール化してから図面を管理することが重要です。
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1-4.共有の拡張性
図面管理の管理は、印刷やメールなどの情報共有の手順を少なくすることが重要です。
他の部署や現場との情報共有の手順を簡略化することで時間の短縮が図れ、データをやりとりする時間を短縮することができるからです。
このように図面は保管するだけのものではく、製作部門や生産管理部門と共有されることを前提としているために図面管理で使用するツールは情報共有の拡張性の高いツールを選ぶことが重要です。
1-5.マルチデバイスに対応
図面はベンダーとの打ち合わせや現地でも使用することを想定して、iPadなどのタブレット端末にも対応したツールを選択することが重要です。
マルチデバイスに対応することで、現場でも使用することが可能になり、現場ベースで発生した図面の修正にもリアルタイムで対応することが可能です。
このように図面管理を具体的に検討する際は、タブレット端末やモバイル端末でも閲覧、出力できるようにマルチデバイスに対応したツールを選択することが重要です。
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2.【具体的手法1】専用システムを導入する
図面管理システムとは「図面管理」や「更新管理」をPCで一元管理するシステムです。”デジタルドルフィズ”や”まいく郎”などが有名です。
図面管理システムはCADと連動しているためにフォルダへの移動やファイル名の編集を手動で行わなくても自動でファイルが「保存・更新」されるのが特徴です。
ただし、導入コストが高額でカスタマイズやメンテナンスも開発元に依存するために、導入コストの他にランニングコストも発生します。
「コストをかけずに図面を管理したい」「自分で図面管理の環境を構築したい」という方は、独自に図面管理の仕組みを構築することをオススメします。
3.【具体的手法2】自分で図面管理の仕組みを整える
現在ではクラウド技術の発達で独自に専用サーバーを設けてVPN(仮想プライベート・ネットワーク)を構築しなくても簡単に情報共有ができるようになりました。
図面管理も同じように無料(フリー)で使用できるアプリケーションやクラウドサービスの発達で、ファイル管理を少し工夫するだけで簡単に図面の管理システムを構築できるようになりました
これらのツールを駆使しながらかコストをかけずに独自に図面管理の仕組みを整える具体的な方法について解説します。
3-1.簡単に図面を検索できるようにファイル名で図面を管理する
上記のようにファイル名に共通したルールを設けることでフォルダを管理する手間と検索する手間が省けるために図面管理が飛躍的に効率化します。
ファイル名に「図面の種類」や「図面名」などのキーワードを入れることで、それぞれの図面がタグ付けされ、図面の管理が簡略化されます。
有料の図面管理システムの場合、システム上で「図面の種類」や「図面名」「図面番号」などの図面情報を登録し、図面検索にヒットするように設定しますが、この”ファイル名で管理する方法”も有料の図面管理システムと原理原則は同じです。
図面を共有するためにVPN(仮想プライベート・ネットワーク)を導入して複数人数で運営を行う際にもファイル名に共通のルールを設定することで図面データが整理させるので有効です。
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3-2.検索機能を使用する
ファイル名に統一したルールを設定し、キーワードを入れておくことで検索機能で簡単に図面を探すことができます。
フォルダを辿って図面を探すよりも、PCの検索機能や検索ツールを使用し、ファイルを検索した方が早い場合があります。
ファイル検索はPCの検索機能も便利ですが、ファイルの場所を視覚的に表示してくれるEverythingというツールが便利です。
ダウンロードサイト→Everything(http://www.voidtools.com/downloads/)
PCのハードディスク内に存在するファイルとフォルダを瞬時に検索できるソフトです。PC内でフォルダやファイルを自動でデータベース化することでPCの検索機能よりも高速で動作するのが特徴です。
3-3.図面とプロジェクトでフォルダを分ける
図面の管理とプロジェクトの管理はそれぞれ、別々のフォルダで管理をするようにしましょう。
過去の案件で使用した図面を流用するケースを想定して、プロジェクトフォルダで図面を管理することも多いと思います。
しかし、同じ図面が「図面管理フォルダ」と「プロジェクト管理フォルダ」に保存されることになり、「リビジョンの更新が反映されない」「どちらの図面を使用したのか分からない」という図面管理を非効率化させる原因になります。
プロジェクトで使用した図面の詳細はエクセルに「図面リスト」などにまとめておき、図面は図面管理フォルダで管理するようにしましょう。
3-4.情報共有で作業効率を上げる
VPN(仮想プライベート・ネットワーク)を構築し社内で図面を共有する方法が一般的ですが、Dropboxやgoogleドライブなどのオンラインストレージサービスも便利です。
DropboxやgoogleドライブはPCだけではく、iPadなどのタブレット端末やiPhoneやAndroidなどのモバイル端末でも閲覧ができるために情報共有を効率化させることが可能です。
現場で図面を活用することが多い、生産管理や現場管理とも図面の共有が簡単にできるためにデータを送信する手間を省くことができます。
特に、図面管理は下記の点からDropboxがオススメです。
(1)エクスプローラを使うような動きで簡単に整理ができる
(2)事務所と現場など離れた場所からも同じフォルダにアクセスできる
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(3)バックアップもとれる
(4)AutoCADのファイルをスマホアプリ、ブラウザからソフトを起動せずにプレビューできる
(5)電波が弱い建設現場でも、スムーズにファイルのアップロード・ダウンロードができる
それぞれ、具体的に解説します。
(1)エクスプローラを使うような動きで簡単に整理ができる
Dropboxはクラウド上だではなく、PCにアプリケーションをインストールするだけで、ローカル環境でもファイルを操作することが可能です。
PCのエクスプローラーを使用するのと変わらない動作で簡単にファイルの移動やコピーができるために、誰でも簡単に操作ができるのが特徴です。
図面管理に関してシステム独自の手続きや手順などの使用方法を、指導する必要がないために、複数人数で図面管理を行う際は有効です。
(2)事務所と現場など離れた場所からも同じフォルダにアクセスできる
Dropboxに保存されたデータはクラウド上に保存されます。インターネットにアクセスできる環境であればいつでも図面ファイルを閲覧、ダウンロードすることが可能です。
マルチデバイスにも対応しており、iPadなどのタブレット端末やモバイル端末でもデータを閲覧することができるために、毎日、何十枚も図面を印刷する必要が無くなります。
また、WordやExcelなどのWindows Officeデータも保存ができるため、「事務所に戻ってからでないと事務作業ができない」などの事務作業の制約や制限を解消し、これまで以上に時間を有効活用することができます。
(3)バックアップもとれる
Dropboxはクラウド上にデータを保存するために、ファイルのバックアップ機能としても便利です。
間違ってPCのローカルファイルを削除してしまったり、ファイルを保存しているPCやサーバーが壊れてもDropboxからダウンロードできるので安心です。
また、誤ってDropbox上のファイルを削除してしまっても、「完全に削除」しない限り、簡単に復元することが可能です。
このようにDropboxはデータのバックアップツールとしても有効です。
(4)AutoCADのファイルをスマホアプリ、ブラウザからソフトを起動せずにプレビューできる
Dropboxであれば、AutoCADで作成したCADデータ(DWGファイル)をスマホやPCからプレビューすることができます。
新しいプレビュー機能を使うと、他の担当者は AutoCAD をインストールすることなく、データの内容を確認しフィードバックが可能です。
AutoCAD のプレビュー
AutoCADで図面を作成している方は、Dropboxが便利です。
プレビュー機能に関する詳細はこちらの記事をご参照ください。
新しいプレビュー機能でチーム作業がさらに効率的に
(5)電波が弱い建設現場でも、スムーズにファイルのアップロード・ダウンロードができる
建設現場は様々で、携帯電話の電波が悪い場所の場合もあります。
通常のオンラインストレージだと、大きなファイル(図面、写真、動画)を回線の細い場所で無事にファイルのアップロード、ダウンロードができなくて、エラーが起こります。
しかし、そういった場所でもスムーズにファイルのやりとりが行えるようにDropboxは様々な同期の技術を開発しているので、その点は心配ありません。
Dropboxはスムーズにファイルのやりとりが行えるように様々な同期の技術を開発しています。
例えば、ファイルを更新した際、従来のクラウドストレージであれば再度ファイルそのものを送信するので負荷がかかりますが、Dropboxは更新した差分データのみを同期するので高速でファイルを送信できます。
その他にも差分同期、LAN同期、ストリーミング同期といったあらゆる場面を想定した3つの同期技術があり、このような技術を提供するクラウドストレージはDropboxだけです。
この同期技術によって、高速でファイルのやりとりができるということもわかっており、ダウンロードスピードが最大6倍、アップロードは7倍、同期編集スピードは11倍と大きな差が出ています。
現場と事務所を往復する建築関係の方など、複数箇所で作業がある方は特にDropboxが便利です。
まとめ
いかがでしたか。図面の管理方法についてご理解頂けたかと思います。
「図面管理」の原理原則は図面のファイル管理にルールを設けて運用を仕組み化することです。
有料の図面管理システムは「強制的にルールを仕組み化してくれるツール」であり、図面検索の効率化やリビジョン管理などの図面管理の効率化はここまでお伝えした内容で十分に実現することが可能です。
そのため、図面管理を検討する際は目的(ゴール)を明確にしてから実現できるツールを選択することが重要です。