現代は情報が溢れています。
ユーザーが情報を集める術が少なかった時代であれば通用した手法、アウトバウンドマーケティングが現代では通用しなくなってきています。
現代のニーズにあったマーケティングが必要です。
今回は現在注目を浴びているインバウンドマーケティングですが、今では沢山の企業が取り入れているかと思います。
また、導入を検討している企業も多いかと思います。
ですので、これからインバウンドマーケティングを取り入れたい方のために一から百まで網羅した情報をお伝えいたします。
ご参考になれば幸いです。
目次
1.インバウンドマーケティングとは
2.オウンドメディアとの違い
3.SEOコピーライティングとは
4.インバウンドマーケティングの手順
5.インバウンドマーケティングの成功事例
6. まとめ
1.インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングとは、いわゆる「見つけてもらう」マーケティングです。
今までの「追いかける」マーケティングであるアウトバウンドマーケティングとは対照的なマーケティング方法です。
ちなみにアウトバウンドマーケティングとは、リスティング広告、ダイレクトメール、マス広告などユーザーに対して一方的に情報を発信するやり方です。
インバウンドマーケティングはその逆、WEBメディアを中心に特定のユーザーに向けてコンテンツを発信する方法です。
1-1.インバウンドマーケティングが注目されている理由
今の時代はインターネットがものすごい勢いで発展し、ユーザー達もスマホやタブレットなどを使って簡単に情報収集が可能になりました。
今のユーザー達はテレビや雑誌などから情報を受動的に受けて商品を買うのではなく、ユーザー自らが情報を検索しどんどん自分の興味があることを収集して意思決定をします。
自分の意思で情報を集めることが可能なので、ユーザーにとって興味がない一方的な情報はユーザー自身でシャットアウトできる時代になったのです。
こういった理由から、従来のプッシュ型ではなく、ユーザー自身が進んで検索して自分たちのコンテンツを「見つけてもらう」インバウンドマーケティングが注目を浴びているのです。
さらに、少し前まで行われていたWEBマーケティングは「ランディングページ作成」→「PPC広告」という流れが主流でした。
しかし、利益率は広告単価に依存されています。
現在PPC広告費が高騰していて利益率の改善が困難になっています。今後も高騰するPPC広告費では利益率がどんどん低下していくでしょう。
さらにPPC広告ではいわゆる「いますぐ客」の集客しかできません。「いますぐ客」は見込み客全体のほんの一部にしか過ぎないのです。
そこで、視点を広く持って他の見込み客を集めることを目的としたのがインバウンドマーケティングです。
1-2.インバウンドマーケティングのメリットデメリット
どんなマーケティングにも必ずメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットの両方をしっかりと把握した上で導入しましょう。
1-2-1. メリット
まずプッシュ型のアウトバウンドマーケティングと違って、一方的にチラシやセールス訪問をすることがないのでユーザーに嫌われるといことがなくなります。
さらに自社でコンテンツを発信するので広告費を削減できます。
従来の広告では大勢の人々に情報を届けていましたが、インバウンドマーケティングではあらかじめターゲットとなるユーザーを考えて情報を発信しているので興味や関心が強いユーザー達だけをWEBサイトへ誘導することが可能で、さらに優れたコンテンツは口コミによって拡散される傾向にあります。
口コミによる情報はとても信頼性が高く購買時に影響を与えるほどです。
1-2-2. デメリット
成果を得るまでに約3ヶ月ほどかかるといわれています。
コンテンツ自体も継続的に発信していかなくてはならないので、能力と労力がかかってしまいます。
さらにコンテンツを作ってもしっかりとしたSEOの知識が必要になってきます。
作ったコンテンツを検索順位で上にあげるために必要なのがSEOです。
検索順位を上げないとせっかく作ったコンテンツが無価値になってしまいます。
コンテンツの検索順位が低いとどのユーザーの目に触れることもなくなってしまうからです。
検索順位を上げるということは沢山のユーザーの目に止まり、コンテンツを読んでくれるチャンスが増えるのでコンバージョンに繋がりやすくなるということです。
インバウンドマーケティングには、こういった特性があります。
一般的に、BtoB企業はターゲットユーザーの範囲が狭い上に検討期間が長く、一過性の広告ではタイミングを捉えにくい場合が多いため、インバウンドマーケティングと相性が良いとされています。
しかし、理想的なマーケティングはインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングを合わせて行うハイブリットなマーケティングです。
インバウンドマーケティングの「成果を得るまでに時間がかかる」というデメリットをリスティング広告で補足し、より強力なマーケティングを行うことができます。
2.オウンドメディアとの違い
インバウンドマーケティングの手法の一つがオウンドメディアです。
オウンドメディアは「自社所有のメディアを用いたマーケティング」に限定されるのに対し、インバウンドマーケティングは「Facebook」や「Twitter」などのソーシャルメディアでの施策も含まれます。
インバウンドマーケティングがいくつかのチャンネルを持っているとしたら、オウンドメディアはそのチャンネルの1つです。
3.SEOコピーライティングとは
Googleクローラーとは検索順位を決めるためにサイト情報を収集するロボットのことです。
Googleのクローラーに自分のサイトの情報を正しく収集し、評価してもらうための技術です。
3-1.評価されるために必要な項目は
3-1-1.タイトルにキーワードを入れる
タイトル内にキーワードを入れるのは必須です。
できれば検索キーワードをそのまま入れるのが良いです。
3-1-2.メタディスクリプションの設定
SEO的に特に問題はありませんが、検索順位で上位になった場合にユーザーが見て分かりやすいタイトルの方がクリック率が上がります。
3-1-3.見出しタグの配置
例えば
<h2>の次に<h4>だとGoogleクローラーは混乱してしまいます。
しっかりと<h2>→<h3>→<h4>の順番で使いましょう。
3-1-4.見出しタグ内で不自然なキーワードの使用
見出しタグにキーワードを入れるのは良いのですが不自然な形で入れるのは逆効果です。
3-1-5.画像にALT属性を入力しましょう。
ALT属性とは画像を表示させるのに必要なHTMLタグの属性の一つです。
ALT属性を記述しておと、何らかのエラーで画像表示がされない場合にテキストで表示してくれます。
上記の画像がエラー表示されると下記のように表示されるイメージです。
- 画像リンクを貼るときにリンク先の内容がわかりやすいです。
- ALT属性をわかりやすくしておくとGoogleの画像検索などに画像について伝えることができる。
3-1-6.カテゴリー設定
SEOでカテゴリー分けは必須です。
カテゴライズ(構造化)することによって検索エンジンに認識されやすくなるからです。
すべてのコンテンツにカテゴリーをつけましょう。
3-1-7.パーマリンクを適切に設定
パーマリンクとは「http://◯◯◯.com/?p=321」でいうと
「?p=321」の部分です。
シンプルなURLにすることによってユーザーがわかりやすくなります。
3-2.Googleが推奨するURLの2つの条件
Googleが「良い」と判定するURLには条件があります。
- ただのIDではなく、意味のあるシンプルな単語
- 人間が論理的に理解できるもの
となっているのでパーマリンクは上記を満たした形にしましょう。
また、URL では区切り記号を使うと効果的です。http://www.example.com/green-dress.htmlという URL の方が、http://www.example.com/greendress.htmlという URL よりずっとわかりやすくなります。URL にはアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使用することをおすすめします。
出典URL:Search Console ヘルプ
Googleが上記を推奨しています。つまり、検索順位に影響がする可能性があります。
3-2-1.内部リンクを有効に使う
新しい記事に古い記事の内部リンクを貼ることでGoogleクローラーが古い記事にもGoogleクローラーが情報を収集してくれます。
3-2-2.競合に負けないコンテンツになっているか
最も重要なのはコンテンツの中身です。
競合よりも素晴らしいコンテンツであれば検索順位でずっと上位表示されるようになるでしょう。
3-3.ワードプレスを導入する
ワードプレスは、GoogleのSEOにとても強い構造になっています。
上記を含んだコンテツであれば
- 「Facebook」や「Twitter」などのソーシャルメディアで自動的に拡散されるので短期間でアクセスを集めることができます。
- Googleのクローラーがコンテンツを頻繁に回るようになるので作成したページが適切に評価されます。
- SEO対策がされているので継続的にアクセスを集客し続けるようになります。
4.インバウンドマーケティングの手順
4-1. ユーザーをサイトに集客させる方法
ユーザーに対して質の高いコンテンツを発信することが集客への鍵となります。
ここでは、質の高い記事とは何かを見ていきましょう。
4-1-1.ユーザーが求める情報を的確に発信している
しっかりとユーザーのニーズを掴んだ記事が「良いコンテンツ」として評価されます。
そのために、ユーザーが求める「答え」を的確に伝えられるような内容にしましょう。
4-1-2.ユーザーにとって読みやすいコンテンツになっている
ユーザーがコンテンツを読んだ時にわかりやすい構成になっているかどうか、また、重要な文字を強調、画像を用いてわかりやすくさせているか等。
4-1-3. ユーザーにとっての悪いコンテンツとは
- ユーザーのことを考えずに自分の好きなことしか書かない
自分の好き勝手で書いてしまうと、専門的な言葉が多く余計な情報まで書いてしまいがちです。ユーザーが読んだ時に疲れを感じ精読率が低くならぬよう、しっかりとペルソナを設定し、そのペルソナにとって一番わかりやすい言葉や表現を用いて書きましょう。
4-1-4.ユーザーにとって読みにくい構成
せっかく有意義な内容でも、伝える順番がバラバラだと、的確に内容を伝えることができません。
例として、料理のコンテンツがあったとします。
- 野菜を「洗う」→「切る」→「焼く」の順で調理する際に、
- 野菜を「焼く」→「洗う」→「切る」
といった順番で伝えてしまうと肝心の手順が伝わりませんね。
良質な記事内容を良質なまま伝えるには、構成をよく考える必要があるのです。
4-2.SEOコピーライティングが施されていない
上記でご説明した内容が施されていないと検索順位を上げることはとても難しいです。しっかりとSEO対策をしましょう。
4-3. WEBメディアを構築する
WEBメディアを構築する手順は、循環の輪を描いています。
ひとつの記事を終え、また次の記事に。ブラッシュアップを重ねることで、より良質なコンテンツが提供できます。
「ターゲットの明確化」→「キーワードリサーチ」→「サイト設計」→「記事用キーワードの絞込み」→「ペルソナの作成」→「記事執筆」→「記事更新」→「ソーシャルメディア拡散」→「SEO成果の確認」→(繰り返す)「記事用キーワードの絞込み」
- 使用するツール
今回は「ワードプレスでサイト設計」「ソーシャルメディアでソーシャルメディア拡散」「Googleキーワードプランナーでキーワードリサーチ」を使用します。
4-3-1. ユーザーを見込み客化させる方法
PVを見込客リストに変えるには「プレゼント」が有効です。
プレゼントはPDFなどにしてダウンロードできる状態にします。
ダウンロードするときに「名前、メールアドレス、会社名」などを入力してもらいます。
プレゼントの中身をどうするかを考えます。プレゼントの内容は運営しているメディアに合わせるのが良いでしょう。
例「法律のメディアであればプレゼントの内容は必要書類の雛型」などを用意しましょう。このプレゼントの質が良いほど見込客リストの質も高くなります。
4-3-2. 見込客リスト獲得の手順
「理想的見込客の選定」→「無料プレゼントの作成」→「リスト取得」→「LPの作成」→「CTAの作成」→「導線の作成」
- 使用するツール
今回は「ワードプレスでLPの作成、CTAの作成」「メールマガジンで無料プレゼントの作成」を使用します。
4-3-3. 見込客を新規顧客に変える方法
BtoCの場合、メールマガジンで見込客を教育して商品を販売します。
BtoBの場合、反響を元に営業に向かいます。
営業トークによって成約率は変わりますが、相手は最初から好意的なので、通常のプッシュ営業と比べて遥かに高い成約率が出ます。
4-3-4. 新規顧客化の手順
「見込客の獲得」→「メールコンテンツの作成・配信」→「LPの作成と誘導」→「新規顧客獲得」
- 使用するツール
今回は「メールマガジンでメールコンテンツの作成・配信」「ランディングページでLPの作成と誘導」を使用します。
4-3-5. 新規顧客を優良顧客に変える
メールマーケティングを有効に使うことで、新規顧客に商品をリピート購入させ、さらに紹介客を連れて来てくれる優良顧客になるよう働きかけます。
4-3-6. ブランディングとは
真のブランドとはユーザーが作るものです。
購入したユーザーの期待以上に完成度が高く、感動を覚えるほどの商品だったとしたら、ユーザー自身が家族や友人などに教えたいと思うはずです。
その段階でユーザーはこんな素晴らしい商品の会社を知りたいと思ってくれます。
その欲求を満たすため、社内を紹介したり、優良顧客だけに特別なイベントに招待するとユーザーの満足度はさらに上がります。いうなれば、優良顧客はあなたの会社のファンになるのです。ファンというのは、一度好きになったものをよほどの理由がない限り嫌いにはなりません。そして何より、自主的に「この良さをもっと広めよう」と世間に対し働きかけてくれるのです。
そういった「優良顧客=ファン」によって、あなたの会社の良さが口コミで広がっていくようになります。
4-3-7. 新規顧客の獲得手順
では、そもそも新規顧客をどうやって獲得すればいいのでしょう。
「新規顧客の獲得」→「充実したサポートメール」→「会社情報メール」→「優良顧客化」→「紹介客の獲得」
- 使用するツール
今回は「メールマガジンで充実したサポートメール」「キャンペーンで会社情報メール」を使用します。
4-3-8. 効果測定と改善
インバウンドマーケティングでは、最大の結果を出すために常に効果測定と改善をして最もパフォーマンスが良い状態を目指します。そのために何度でも改善をし続ける必要があるのです。
効果測定や改善をするために把握すべき項目は下記になります。
4-3-8-1. 検索エンジンからのPV数
Googleの検索エンジンからのアクセス数を最も重視します。
このアクセス数が悪ければ対策するキーワードが間違っている場合や、コンテンツの質が低いのも考えられます。
4-3-8-2. メールマガジンからのCV率
このコンバージョン率が悪い時はメールのコンテンツ内容やランディングページなどを見直しましょう。
4-3-8-3. 商品やサービスのリピート率or継続率
リピート率or継続率が悪い場合は商品の品質、サポートの内容、配信コンテンツの内容を改善しましょう。
4-3-8-4. 使用ツール
Googleアナリティクス
Google web masterツール
5.インバウンドマーケティングの成功事例
5-1. KIRIN(キリンレシピノート)
URL:http://recipe.kirin.co.jp/
ビール、ワイン、お茶など様々な飲み物に会うレシピを集めた「キリンレシピノート」です。おつまみからデザートまでたくさんのレシピがあります。
各レシピにキリンで扱っている飲み物のページに飛ばすリンクがありますが、宣伝的な印象を与えることなく自然な流れで商品へのリンクを貼っています。
5-2. 資生堂(YouTube公式チャンネル)
URL:https://www.youtube.com/user/SHISEIDOofficial/playlists?view=50&sort=dd&shelf_id=11
化粧品メーカーの資生堂が配信しているYouTube公式チャンネル。
配信内容はメイキャップ、スキンケア、ヘアケアなどの方法を動画で指導しています。
5-3. イスクラ薬局(公式Twitter)
URL:https://twitter.com/iskrakanpo?lang=ja
日々健康をテーマに養生方法や中成薬、中医学などをつぶやいています。
直接漢方には関係ない「甘いモノがどうしても我慢できない方へ」などのつぶやきも多く含まれています。
6. まとめ
いかがだったでしょうか。
時代の流れとも言いましょうか、かつてテレビの普及でひたすら受信する側だったユーザー達は、今やインターネットの発達により個人で好きな情報を好きな量を集めるようになりました。
情報の取捨選択権は、発信側から受信側へとシフトしたのです。
従来の広告戦略が通じなくなるのも当然ですね。
これからはインバウンドマーケティングを取り入れてこそ、時流に取り残されず生き残れるのだと思います。
この記事が、御社のマーケティングの一助になれば幸いです。