内向的な人が活躍できる働き方 -  創造力を解き放つ鍵は「静かな時間」

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チームワーク、共通の目的意識、一致団結。古くから、人々は協力をすることで成果を上げてきました。しかし、創造力の源となるインスピレーションについては、どうでしょうか? 長時間顔を突き合わせることは、逆効果になりかねません。「三人寄れば文殊の知恵」とも言いますが、大勢が集まれば創造力はそれだけ高まるのでしょうか。

テキサス大学で心理学を研究するポール・パウラス教授によれば、「条件による」そうです。グループで話し合いをしていて、ユニークなアイデアを思い付いたとしても、口に出さないこともあれば、出しても無視されることがあったりします。パウラス教授はこの事象に注目し、「Brainwriting(ブレインライティング) (1)」の効果を調査しました。ブレインライティングとは、クリエイティブなアイデアを口頭ではなく書面でやり取りするというプロセスです。この調査の結果、書面でのコミュニケーションは対面でのやり取りよりも効果的であることが明らかになりました。これは、アイデアをじっくりと考え、熟慮した返答ができるからです。

優れたアイデアを生み出すために、内省と熟考は欠かせません。その理由はなぜでしょうか?「Wired to Create: Unraveling the Mysteries of the Creative Mind(未邦訳)」の著者であるスコット・バリー・カウフマン氏とキャロライン・グレゴリー氏は、孤独が私たちの「イマジネーション ネットワーク(2)」を刺激するとしています。イマジネーション ネットワークとは、意識が外の世界に向けられていないときの自然な状態です。このネットワークは、経験や物語から意味を構築する機能を持っていて、私たちが考えを巡らせたり、感情と向き合ったり、未来の出来事を想像したりできるようにしています。

多くの内向型人間(自分の内面に向き合い、独りになる時間が元気の源になる人)は、静かな瞑想の時間を有効に使って、創造力を開花させています。あなたが外向型人間(人との関わり合いからエネルギーを得るタイプの人)であっても、自分の内面に向き合うことで、クリエイティブなプロセスを深めることができるはずです。

ここから先は、すべての人に役立つ内省とインスピレーションを解き放つためのヒントをご紹介しましょう。MBTI(世界 45 か国以上で活用されている国際規格に基づいた性格検査)を受けたことがある方も、その結果はいったん忘れてください。

1. 自分が幸せになれる場所を見つける

作家のスーザン・ケイン氏は、著書「内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力」の中で、私たちにはそれぞれ「刺激を受ける理想の場所」があるとしています(3)。たとえば、賑やかなカフェは外向型人間にとっては心地よいノイズとなり、心の奥底にあるアイデアに手を伸ばすきっかけとなります。一方、内向型人間は落ち着いたプライベートな空間の方が、より高い能力を発揮できるとされています。

しかし、現代の多くの職場で積極的に採用されているオープン オフィス プランは、頻繁なやり取りをしたり他者から刺激を得られるよう作られています。残念ながら、創造力を高めるのに必要な孤独とは対極的な場所となっているのです。最近では、一部の企業がオフィス レイアウトを見直しつつあり、プライバシー ポッドや集中のための部屋などを設置し始めています。ケイン氏も、デザイン会社の Steelhouse と共同で、「Quiet Spaces(4)」を開発しました。

皆さんの職場は、そこまで先進的な考え方に基づいていないかもしれません。そうであれば、誰にも邪魔されない思考スペースを自分で作り上げてみる、というのはどうでしょうか。屏風のようなパーティションや植物を並べるなどして物理的な壁を作ったり、ヘッドフォンを使ったりすることで、集中を妨げる要素を視覚的にも聴覚的にもシャットアウトできます。ヘッドフォンを付けていれば、「今は集中しているので話せない」というサインにもなるでしょう。同僚に対しては、あなたが独りになりたい理由、つまり、「創造力を引き出すために静かな時間を設けており、同僚を避けているわけではない」ということをしっかりと伝えておきましょう。

2. ミーティングを上手にやりくりする

1940 年代後半に、ビジネス界の偉人であるアレックス・オズボーンが「ブレインストーミング」を提唱しました。それ以降、企業は全員参加型の自由なグループ セッションに重きを置くようになりました。しかし、対面式のブレインストーミングよりも一人の時間を作って熟考する方が、各個人がより多くのアイデアを出せる(5)ことが、調査によって明らかになっています。

この結果を踏まえ、一部の企業ではケロッグ経営大学院のローラン・ノードグレン教授が提唱する「プライベート データ コレクション(6)」に関連する手法を取り入れ始めています。これは、社員が一人でアイデアを考えて、そのアイデアをグループで評価するというものです。あなたの職場がホワイトボードの前で大勢議論するような状況であれば、事前にミーティングのアジェンダを知らせてもらい、一人でブレインストーミングできる静かな時間を作りましょう。

あなたが内向型人間で、チーム ミーティングが長時間続くと創造力を吸い取られるように感じているのであれば、さらに効果的な方法が必要です。たとえば、セッションの時間を短くする、グループの人数を減らす、1 対 1 のセッションにする、立ったままでミーティングをする、定期的なミーティングをすべて廃止する、といった方法があります。おそらく、外向型人間からも苦情は出ないはずです。

仕事の後の社交的なイベントについて、「Hiding in the Bathroom: An Introvert’s Roadmap to Getting Out There」(未邦訳)の著者モーラ・アーロンズ=メール氏は、自分がその場にいる意義について考えることが戦略的な社交の鍵(7)であると話しています。「目的が見いだせなかったり、時間の無駄だと感じるなら、すぐに帰るべきです」とメール氏は言います。

3. テクノロジーを味方に付ける

常にオンラインになっていて、オフラインにならない。こうした環境のことを、「ハイパー コネクテッド」と呼んでいます。外向型人間にとっては楽しいことかもしれませんが、内向型人間にとっては悪夢そのものでしょう。どこに隠れようとも、吸血鬼のようにエネルギーを吸い取る人々がメッセンジャーで話しかけてくるのですから。

しかし、皮肉なことに「テクノロジーが内省を促す(8)」ことも起こり始めています。オンラインでのやり取りは、考察や熟考の上で応答ができるため、場当たり的な会話が少なくなっているというのです。たとえば LinkedIn のような SNS を使えば、異業種交流会を開くことなく、人脈を作ってつながりを保つことができます。クリエイティブな共同作業は、バーチャルの世界でも行われています。こうしたバーチャルな世界では、意見を通すために大声を出す必要がないのです。

テクノロジーに振り回されるのではなく、熟慮のための効果的なツールとして使いこなすには、どうすればいいでしょうか。それは、デジタル デバイスとの接し方を見直して、自分が主導権を持つことです。デジタル デバイスがあなたの領域に無断で立ち入らないよう、留守番電話、メール、メッセンジャーを活用して、集中を妨げる要素をシャットアウトするのです。通知やメッセージをチェックするためのスケジュールを立て、そのとおりに実行します。エネルギーをチャージするために独りの空間にいるときは、デバイスを完全にオフにしましょう。

4. 無意識を解き放つ

シャワーを浴びているときや、電車の窓から外をぼんやりと眺めているときに、ひらめきが訪れることは多いものです。この理由について、考えたことはありますか?クリエイティブな思考から解放されている状態のとき、普段は脳の奥底で眠っているイマジネーション ネットワークが動き出し、さまざまな情報を結び付け、アイデアを生み出しているのです。精神科医のカール・ユングでさえ、内向性に関する初期の研究で、無意識の思考の力(9)だけが、「内面を引き出してくれる」としています。

この強力なメカニズムを積極的に利用することで、静かな時間を最大限に活かすことができます。何もない部屋で何も書かれていない紙を前にただ座っているより、適度に集中を乱す要素があった方が創造力が高まる(10)という調査結果があります。落書き、編み物、ウォーキング、皿洗いなど、単調な作業をすることで、目の前の問題への意識を解放することができます。

集中した思考と無意識の思考を切り替えること。創造力を満たすための孤独な時間と、外の世界に意識を向ける他者とのやり取りを切り替えること。これができれば、創造力を最大限に高めて働くことができ、チームにも貢献できるでしょう。

(1) http://www.uta.edu/cos/paulus/pub/IdeaGeneration.pdf
(2) https://greatergood.berkeley.edu/article/item/ten_habits_of_highly_creative_people
(3) https://www.ted.com/talks/susan_cain_the_power_of_introverts/transcript
(4) https://www.washingtonpost.com/news/on-leadership/wp/2014/06/04/office-design-for-introverts-by-an-introvert/?utm_term=.ac4fbfd30358
(5) https://www.newyorker.com/magazine/2012/01/30/groupthink
(6) http://www.chicagotribune.com/bluesky/originals/chi-loran-nordgren-northwestern-candor-bsi-20150114-story.html
(7) https://www.forbes.com/sites/kevinkruse/2018/01/03/introverts-hermits-and-the-shy-heres-your-map-to-success/#6711b82cc6a2
(8) https://www.theatlantic.com/technology/archive/2011/07/4-ways-technology-can-enable-your-inner-introvert/242469/
(9) http://www.cgjungpage.org/learn/articles/analytical-psychology/819-in-the-beginning-jung-and-freud-on-introversion
(10) http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797612446024

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