【ディノス・セシール様ご講演】どうするテレワーク!!実践企業に聞く、現実の壁と苦労 ブログ

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長引く新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大に伴い、多くのメディアで従業員を守る手段として、テレワーク/リモートワークが取り上げられています。
一方で、現実としては多くの企業がその導入にご苦労されており、導入企業での裏側については中々取り上げられていない状況です。

今回、2020年4月8日に実施したオンラインセミナー 「ディノス・セシール様ご講演 – どうするテレワーク!!実践企業に聞く、現実の壁と苦労」 では、Dropbox Business のユーザー企業の中からテレワークを実践されている株式会社ディノス・セシール 中島 弘輔様をお招きし、 Dropbox の話だけではなく、「テレワーク」への取り組みと様々な苦労話をお伺いしました。

このオンラインセミナーでは Dropbox Japan 担当営業部門よりリテールインダストリーリーダーの筒井 裕平が MC を務めさせていただき、ディノスセシールの中島弘輔様による Q&A 方式で実施させていただきました。

ディノスセシール 中島様への質問

  1. 現場部門としてテレワークプロジェクトやITツールの検討に関わった中島様の立ち位置での苦労話や工夫した点などがあればお話いただけますか?
  2. テレワーク・リモートワークを実践するにあたり、導入しているIT製品にはどのようなものがございますか?
  3. それぞれのITツールをどのように使いこなして、テレワークを実現しているのですか?
  4. ITツールを活用し現時点で、「うまくいっている点」と「うまく行っていない点」をそれぞれお伺いできますか?
  5. テレワークをやってみて良かったと思う点はございますか?

セミナー冒頭では、まず中島氏がどのようにプロジェクトにご参画されたのか、 その背景からご説明いただきました。

ディノス・セシール 中島氏:4年前に株式会社ディノス・セシールに入社しました。今までは、ITツール導入というと情シスやシステム開発の代理店にアドバイスを元にツール選定していたが、自身が今までスタートアップを中心にキャリアを重ねてきたというのもあり、前職で使っていた先進的なツールなどの知識の共有を必要とされ、ダイバーシティ推進室より声がかかり、同グループが進めているテレワークプロジェクトに参加しました。

Dropbox 筒井:まず最初の質問です。

Q1. 現場部門としてテレワークプロジェクトやITツールの検討に関わった中島様の立ち位置での苦労話や工夫した点などがあればお話いただけますか?

ディノス・セシール 中島氏:通常の企業ですと、情報システム部門や総務が、IT ツールを導入するのかも知れませんが、私が EC 事業部にいたということもあり、当初は、テレワークにテスターとして参画し導入支援を行いました。そして、現場視点でのコミュニケーションツールの必要性を精査しました。導入時の懸念事項としては以下がありました:

  • それぞれの IT ツールをどのようにテレワーク利用者に展開していくか
    →使い方の説明やマニュアル作成、サポート部署などをどうするかなど
  •  テレワーク用端末をどう管理するか
    →いくつかのグループに分け、グループ毎にリーダーを決め管理するなど
  •  データの管理方法はどうするか
    →Excel 管理で社内サーバーに置くのか、クラウド利用できる Google スプレッドシートなのかなど
  •  端末に限りがあるので、どの様にスケジュールを組むか
    →持ち帰ると中1日空くことになるので、前後の使えない日はどうするかなど

またこういった懸念点をある程度検討後、テレワークを本格的に始めるにあたり、希望者に対して説明会を実施しました。社員のリテラシーはそれぞれ異なるため、説明会では、ツールの使い方や、セキュリティについて、担当部門よりうまく噛み砕いて説明してもらいました。たとえば2段階認証、QRコードの読み込みなどが難しく感じる社員も実際存在しましたし、ハードルの高さからテレワークを行うことに対する抵抗を感じるメンバーもいたようです。しかし、ある程度の人がテレワークを活用した業務を実践してきたことで、ちょっとした疑問はテレワーク利用者同士で解決するなど、運用として回ってきた実感もあり、当時の懸念点はある程度解決できたのではないかと思っています。何でもそうですが、まずやってみることが大切だと実感しました。

Dropbox 筒井:説明会で多くの人数を集めるには日程調整など、非常に大変だったのではなかったでしょうか。

ディノス・セシール 中島氏:説明会を実施するにあたっては下記のように行いました。

  • ダイバーシティ推進室手動の下、日程をいくつか決めて参加を促す。もし難しい場合は個別に対応。
    ※説明会は部署単位ではなく、テレワークを行う必要な方が参加できる機会を提供
  • テレワーク利用開始の希望日に合わせて説明会を区切り(〇月から利用したいなら〇月〇日までの説明会に参加するなど)、テレワークを行うための申請プロセスの流れで説明会に参加してもらう

テレワークには色々な考えがあります。この説明会は、「有給でサボっているのではないか」などの懸念点を払拭するため、また、働き方の多様性やセキュリティの確保など、テレワークの本質を理解してもらうためにも、どこの企業でも最低限必要な時間ではないかと思いました。

Dropbox 筒井:では続いての質問ですが

Q2. テレワーク・リモートワークを実践するにあたり、導入している IT 製品にはどのようなものがございますか?

ディノス・セシール中島氏:チャットツールは Chatwork を使っています。プロジェクト管理では Backlog 、ファイル共有・クラウドストレージは Dropbox Business など、利用者のリテラシーを考慮し UI を重視して馴染みやすく簡単に使えるツールを選定しています。あとビデオ会議では既存のビデオ会議専用ハードウェアを有効に活用できるツールとして BlueJeans を導入しています。あと、スケジュール管理に関しては Outlook、スポットで Google スプレッドシートなどを日々活用しています。

Dropbox 筒井:貴社では多くのツールを導入されています。では

Q3. それぞれの IT ツールをどのように使いこなして、テレワークを実現しているのですか?

ディノス・セシール中島氏:まずはテレワークを行う上での最低限のルールですが、以下のような対応をしています。

  • 関係者への始業と終了の連絡
  • Outlook スケジュールにテレワークと入力
  • スケジュールにはできる限り詳細に記載する、例として
       ○ 何時から何時までテレワークを行うのか
       ○ 丸丸休憩の時間帯
     ○ 当日のタスクの箇条書き

しばらく運用していると現場から色々とテレワーク中のアイディアが生まれ、例えばテレワーク中のメンバーは、チャットツールの名前に「テレワーク中」と入力してもらい、よく使うチャットツール上ですぐにテレワークかどうかがわかるよう工夫をしています。

EC 部門では、キャンペーン結果の共有、会議のアジェンダや議事録の送付などの用途にも利用しています。

特にテレワークの導入初期は、社内にいる人ができるだけ困らない様に配慮することがキモだと思っていますので、最終的にはこういった 1 人 1 人工夫がテレワーク導入成功のカギになると思います。

Dropbox 筒井: 私自身、お客様から多く聞かれることがあるのですが、メールとチャットの棲み分けはどうされていますでしょうか。

ディノス・セシール中島氏:基本、社内イントラの連絡、部署グループへの一斉送信、などはメールを使っています。やりとりの途中で新たにメンバーを追加する場合は、チャットは別グループを立ち上げる必要がありますが、メールは CC に追加するだけでいいので、チャットに比べメールの方が楽に感じます。個人的な使い方ではありますが、一方的で終わることができる通知はメール、会話が生まれそうな内容はチャットでやりとりするとうまくコミュニケーションが取れる気がしています。

しかし、最終的には本人の使い方次第と考えます。メールもチャットもコミュニケーションの手段にすぎないので、例えばメールで長い会話をやりとりするくらいならチャットの方がタイムラインとして見やすいし、逆に長い業務連絡を大人数のグループチャットで流されても、見る人が少なかったりすると思うので、場面場面で使いやすいツールを選べば良いと思います。チャットに関しては新しいコミュニケーション手段なので、どういった便利さがあるかは知っておいた上で、選ぶことが重要ではないでしょうか。

少し話はそれますがチャット導入に関しては、最初は障壁がありました。次から次に通知がきて集中力が阻害されるのではなど、ネガティブな意見もありましたが、説明をするのではなく、まずは使ってもらって利便性を感じてもらうことが導入理解の1番の近道かと思います。

Dropbox 筒井:貴社では多くのツールを導入されています。では

Q4. IT ツールを活用し現時点で、「うまくいっている点」と「うまく行っていない点」をそれぞれお伺いできますか?

ディノス・セシール中島氏:まずは基本的なツールの使い分けですが、メールやチャットでは、アイデア出しなどをブレストをし、まとまったプロジェクトになった段階で Backlog に移行して、タスクを作ってプロジェクトを進めていくようにしています。

うまくいっている点としては、新しいキャンペーンや EC ページ改修、部署を跨いだタスク管理などは細かくタスク管理が必要になってくるので、Backlog にて効率よく管理することができています。 Dropbox Paper はリアルタイムに会議の議事録を取ったり、進捗 MTG などでメンバーの課題を確認し合う時など、便利に使わせてもらってます。

実際にこれらのツールはテレワークがあるから導入したわけではなく、仕事を効率的にこなすため、日々のコミュニケーションツールとして導入しました。テレワークではこれらのツールが、より力を発揮し、目の前にいなくてもコミュニケーションを円滑に進めることができているという実感があります。

Dropbox に関しては、ファイル共有というと簡単な言葉だけに聞こえますが、実務では日々、容量の重い動画やデザインファイル、ウェブサイトのデータなどが大量に飛び交ってますので、簡単にデータの保存やファイル共有が行える Dropbox は、こういった現場で有効的に使えてると感じられる瞬間です。
社外とのファイル共有は、印刷会社や制作会社などと、カタログデータの確認や色々な納品物を、「ファイルリクエスト機能」を使って確認ができるのが非常に便利です。
ほんの少し前まで、CD や DVD に焼いて営業の方が物理的に持ってきていたりしたケースもありました。今はリンクをメンバーと共有し、そこにファイルをアップロードしてもらうだけなので、時間を効率的に使うことができ、本来の業務に集中できます。特にテレビ部などで扱う番組データの確認では、ファイル容量が大きい上に、やりとりの頻度も多いので非常に助かっています。

逆にうまく言っていないと感じる点としては、ビデオ会議に課題を感じます。慣れもあるのかも知れませんが、参加メンバーが多くなると通常の会議と違い、うまくコミュニケーションを取れない人がでて来てしまい、一方的な会話になりがちです。1つ例を上げると、通常の会議だと隣の社員と少し話をして議題や意見を確認しあったりできますが、ビデオ会議ではそうはいきません。慣れてくればチャットツールを使ってチャット上で並行して会話するなど、同じことができなくはないですが、恐らく現時点でそういったコミュニケーションができる人は少ないと感じます。またどのタイミングで発言すれば良いかを難しく感じているメンバーもいるようにも感じます。自分はビデオ会議でも、裏で個別にチャットしながら確認しあったり、普段の会議と同じようにコミュニケーションを取るのであまり影響はないですが…(笑)

Dropbox 筒井:最後の質問になります。

Q5. テレワークをやってみて良かったと思う点はございますか?

ディノス・セシール中島氏:メリットはいくつか挙げられます。例えば

  • 家族との時間の増加、子どもの送迎などの育児への参加
  • 社内だとつい話しかけられたり内線がかかってきたり集中を阻害されることがあったが、テレワークを行うことで、用件定義の仕様書などたくさんの文章を書き上げる作業など、集中してやらなければならない作業を一気に進めることができるようになった。

またテレワーク中のモチベーション、集中維持のため、これらを意識的に実行しています。

  • 通勤時間がなくなったため、1時間多めに寝るとかではなく普段と同じリズムで活動
  • 朝起きたら家族と朝食をとり、増えた時間は家事など有効的に活用
  • 一日の中での、こまめな休憩も大切
  • 会社だと外に出るのが大変ですが、自宅では軽く近所を少し散歩などリフレッシュがしやすい
  • ちゃんと働く環境を整備するため、昼白色のライトを導入(電球色は眠りを誘うので・・)

このあと参加者からは、『テレワーク中、家族と仲良くする方法の秘訣』などテレワークあるあるの質問が多く寄せられました。

今回ゲストとしてご参加いただいた中島様、たくさんの学び、大変感謝致します。また当日ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

Dropboxでは今後もさまざまなウェビナーを開催する予定です。近日開催予定のセミナーおよびウェビナーにつきましては、こちらのリンクをご確認ください。