マーケティングオートメーションの検討時におさえたい 5 つの要素

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この記事に目が止まったということは、マーケティングオートメーションを自社に導入するか検討しているのではないでしょうか。

マーケティング担当者や営業担当者の業務効率を格段にアップさせることから、マーケティングオートメーションは日本国内でも注目度が高まっています。すでに海外では導入が進んでおり、さまざまなジャンルの企業で重宝されているため、あなたの会社でも利用価値は十分見込めるかもしれません。

そこでマーケティングオートメーションを導入する前にこれだけはおさえてほしい、という 5 つの要素をまとめました。

本記事は専門知識のない方でも読み進められるため、マーケティングオートメーションの概要や使い方をすばやく理解できます。サービスの比較も行っていますので、本記事を参考に検討してみてください。

1. マーケティングオートメーション(MA)とは
2. 事例で見る担当者別マーケティングオートメーションの使い方
3. マーケティングオートメーションを導入する前に確認すること
4. マーケティングオートメーションのサービス比較
5. マーケティングオートメーションの成功を早める本 3 選
6. まとめ

1. マーケティングオートメーション(MA)とは

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マーケティングオートメーション(MA)がどのような仕組みで、業務プロセスの何を代わりにやってくれるのか紹介します。

1-1. マーケティングオートメーションの概要

マーケティングオートメーションとは、さまざまなチャネル(経路)を使って、見込み顧客や既存顧客に対して、ある一定のルールに則り、アプローチするための「ソフトウェア」や「ツール(MA ツール)」のことを指します。

マーケティングオートメーションの利用目的は、E メールやウェブサイト、スマホアプリのプッシュ通知、広告、ダイレクトメール(DM)や電話に至るまで、いろいろな角度から顧客に繋がるチャネルを活用し、「One to One マーケティング」を実践することです。

One to One マーケティングは画一的なアプローチではなく、ひとりひとりの顧客に適した方法で、コミュニケーションをとる方法ですが、実践には「大変な労力」と「人手」が必要となります。

そこで、マーケティングオートメーションに、担当者が作成した一定のルール(シナリオ)に沿って、「新商品の営業」や「関連商品の販売促進」などの対応をしてもらおう、ということです。

1-2. マーケティングオートメーションのメリット

マーケティングオートメーションのメリットは、「労力」「人手」「時間」を節約し、顧客ごとのアプローチを「学習」「最適化」しながら実践してくれることです。

ファッション系の EC サイトのオーナーが、マーケティングオートメーションを使用した場合の例もとに、メリットを紹介しましょう。

「自社の EC サイトへ訪れた見込み顧客が、自社の商品に興味をもってくれ、サイトの新規会員登録まではしてもらえましたが、購入までには至らずサイトから離脱してしまいました。」

そんな見込み顧客に対して、あらかじめ設定したルールに従い、マーケティングオートメーションが見込み顧客の行動履歴をもとに、関連商品の案内をメールで行い、興味をもっていそうな商品のセールがあるときも、メールで案内してくれます。その見込み顧客に適したディスプレイ広告も配信したところ、再度サイトに訪問してくれて商品購入に至りました。

商品購入後も自社サイトを気に入ってくれるよう、フォローのメールもマーケティングオートメーションがしてくれ、同様の対応を 1 万人近くの見込み顧客に同時にやってくれました。しかも商品購入に至るアプローチ方法は効果的なパターンがいくつかあるようで、それも学習しながら、次の顧客に対して対応方法を自動でブラッシュアップしてくれました。

このようにひとりの顧客に対してきめ細かい対応を数千、数万単位の顧客に対して、同時平行でやってくれるとなると、マーケティングオートメーションのメリットを実感してもらえると思います。

また「学習」「最適化」をしてくれる点も大きなメリットです。行動履歴や商品購入履歴の膨大なデータを所持していたとしても、なかなか活かしきれないものです。データ分析の知識や実践をマーケティングオートメーションが補い、効果的にデータを活用できるよう、整理してくれる点も「人手」「労力」「時間」を大幅に節約できます。

例では B to C でしたが、B to B の業務でも、マーケティングオートメーションは活用できます。「2. 事例で見る担当者別マーケティングオートメーションの使い方」でも活用法を紹介します。

1-3. マーケティングオートメーションの費用感

マーケティングオートメーションは中小企業から大企業まで活用可能です。システムが高度になればなるほど、月に何百万円という費用が発生しますが、数万円単位からも利用できます。

各サービスの比較はのちほど紹介しますが、各社のマーケティングオートメーションに任せたい業務量によって、費用は変化します。

2. 事例で見る担当者別マーケティングオートメーションの使い方

マーケティング担当者や営業担当者が、それぞれどのような使い方をして、どんなメリットを享受しているのか、事例と共に見ていきましょう。

2-1. 【マーケティング担当者】東京商工リサーチの事例

東京商工リサーチは企業信用調査会社で、顧客へ企業データを提供するのが主な業務です。なかでも、同社のマーケティング部では、これらサービスを利用したいと考える見込み顧客を獲得し、営業部門に見込み顧客情報を提供することが仕事となります。

「顧客になり得る確率が高い見込み顧客の情報」を営業担当者へ届けるためにはいくつか課題があり、これらの課題を解決するために、マーケティングオートメーションを導入したようです。

マーケティングオートメーションの導入で、大きく変わった点は 2 つ。ひとつは見込み顧客向けに配信していたメルマガが、見込み顧客ごとに欲しい情報や欲しいタイミングで配信できるようになったことで、メルマガの開封率が向上し、営業担当者へ確度の高い見込み顧客情報を提供できるようになったこと。もうひとつは見込み顧客データの管理方法が向上し、営業生産性の高い見込み顧客情報を営業担当者へスムーズに受け渡しできるようになったことです。

見込み顧客向けへのメルマガは、同社の顧客になってくれるよう育成する設定(シナリオ)を考え、それをマーケティングオートメーションにより効率よく配信。見込み顧客の対象人数が少なければ、人力でも対応可能かもしれませんが、マーケティングオートメーションがなければ、こういったきめ細かい対応は難しくなっていきます。

また営業成約見込みの高い顧客情報を整理することもできるようになったことで、会社の売り上げ向上につながったようです。

出典: Oracle Marketing Cloud 導入事例

2-2. 【営業担当者】東急リゾートの事例

東急リゾートは全国のリゾート物件(新築マンション、仲介物件、自社売主物件、リゾート会員権)の売買などを行っており、別荘の仲介業務に絞りインバウンドマーケティングとして、ウェブサイトを立ち上げました。

同社の営業企画部では、このインバウンドマーケティングの一環として立ち上げたサイト来訪者数の中から、成約までしっかり発展させるという課題をクリアするために、マーケティングオートメーションの導入を決めたようです。

ウェブサイトへの集客、見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)、見込み顧客を“顧客”に発展させるための育成(リードナーチャリング)、顧客情報の管理など、多角的にマーケティングオートメーションが役立ったようで、同社の売り上げアップにも貢献しているとのこと。

こういったインバウンドマーケティングによるウェブサイトを立ち上げる会社は増えていますが、「記事執筆」の労力に加えて、「効果の出るサイトにしていくための分析や施策」の労力もかかってくるため、なかなか成功するまでの道のりは大変です。

その状況下で、成果が出ている同社にとっては、マーケティングオートメーションが果たしてくれた役割はとても大きかったでしょう。

出典: 実績紹介 – 東急リゾート株式会社

3. マーケティングオートメーションを導入する前に確認すること

マーケティングオートメーションの有用性は実感いただけていると思いますが、「便利そうだから導入してみよう」と思い付きで始めてみたところで、うまくいかないかもしれません。

マーケティングオートメーションを導入する前に以下の 2 点をまずは確認しましょう。

3-1. マーケティングオートメーションの導入目的

マーケティングオートメーションを導入する前にしっかりと導入目的を決めておきましょう。先のファッション系 EC サイトのオーナーの例なら、サイト訪問者の行動履歴をもとに、見込み顧客と既存顧客への的確なアプローチを行い、利益向上を目指す、などです。

マーケティングオートメーションの機能は多岐に渡るため、導入に際しスピーディーに自社の課題を解決できるような体制をとるためにも、目的は明確にしておきましょう。

また、マーケティングオートメーションを導入してから、設定(シナリオ)の最適化をする必要もあります。マーケティングオートメーションの導入目的がブレブレだと、設定の最適化もスムーズに進められなくなります。

3-2. マーケティングオートメーション導入による効果の目安

マーケティングオートメーションの導入に際し、効果の目安も確認しておきましょう。上司にマーケティングオートメーションを導入した方がいい理由を説明するときにも、大まかな費用対効果を伝える必要があるはずです。

では、効果の目安をどう計測すればいいのか。ファッション系ECサイトのオーナーを例にすれば、

■ 見込み顧客に対して過去にアプローチした数から、何件の見込み顧客にアプローチすれば、商品購入(コンバージョン)に至るのかを計測

■ 今までは毎月アプローチできる件数は○件しかなかったが、マーケティングオートメーション導入により、毎月のアプローチ件数は○件くらいになり、利益が○○万円増えそう

などを考えることができます。

加えて、この利益の中から、マーケティングオートメーションの経費にいくらぐらい回せて、営業利益にいくら跳ね返ってくるのか、といったかたちで、仮説を深堀していくイメージです。

ここでも、3-1. で考えたことが必要となるため、マーケティングオートメーションの導入目的はしっかりと見定めておきましょう。

4. マーケティングオートメーションのサービス比較

マーケティングオートメーションのサービスを比較しました。国内で展開しているすべての会社を比較するとなると、数十社以上のサービスを紹介することとなり、身近なサービスでもない分「結局どれを選べばいいの?」という状態になり得るため、ここでは国内外のシェア数やサービスの質、利用料などをもとに、5 社のサービスに絞り込んでいます。

どのサービスがあなたの会社にあっているのか、比較してみてください。

4-1. 5社のマーケティングオートメーション比較

4-1-1. HubSpot

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HubSpot は Marketing Automation Insider によると 2015 年でアメリカのシェア NO.1 を誇るマーケティングオートメーション。コンテンツマーケティングを実践したい人には嬉しい機能が満載です。独自の CMS (WordPressのようなウェブサイト管理システム) を提供しており、SEO 対策や効果的なランディングページの作成、メールマーケティングなど、見込み顧客を獲得するための施策をあらゆる角度からサポートしてくれます。利用料も月額 24,000 円~とリーズナブルな点も大きなメリット。

4-1-2. Oracle Marketing Cloud

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Oracle Marketing Cloud は「Oracle Social Cloud」「Oracle Eloqua」「Oracle Responsys」「Oracle BlueKai」の 4 つの製品からなるマーケティングオートメーション。「2-1. 【マーケティング担当者】東京商工リサーチの事例」の例のような B to B 向けの高度な機能まで提供しており、ユーザーを手厚くサポートしてくれます。矢野経済研究所によると、2015 年の日本国内のシェアトップクラスを占めており、日本でも人気の高い商品。パフォーマンスに魅力を感じる一方、使いこなすにはシステムに関する知識が必要なため、導入前の問い合わせは必要です。

4-1-3. Adobe Marketing Cloud

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Photoshop や Illustrator など日本でも有名なデザインソフトを提供する Adobe のマーケティングオートメーション。ホームページの解析や分析、イベントなどのキャンペーン活動、SNS マーケティング、DMP を使ったデータ活用に至るまで、企業のあらゆる施策をバックアップしてくれるサービスです。ソニーや「価格.com」を運営するカカクコム、日産自動車など有名企業も導入しており、信頼度は高い。

4-1-4. B→Dash

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国内企業の B→Dash は大手飲料メーカーのキリンも利用するマーケティングオートメーション。ウェブサイトにおける一気通貫の分析が特徴で、見込み顧客の流入から成約までの導線を詳細に見ることができます。統合的にマーケティングオートメーションのツールを使えるため、「他のツールも使用しながら…」という手間が少ないのは、大きなメリット。

4-1-5. Kairos3

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日本でも著名な経営コンサルタントである大前研一氏の会社から出資を受け発足したカイロスマーケティング。同社が提供するマーケティングオートメーション「Kairos3」もさまざまなマーケティング活動をバックアップしてくれる。コンテンツマーケティングによる見込み顧客の獲得に限らず、その見込み顧客データを管理し、営業へ活かすなど企業マーケティングには事足りないサービスを提供。なによりも大きな魅力は、15,000 円~始められるというコストパフォーマンスで、とにかくマーケティングオートメーションを始めてみたいという人はさっそく問い合わせして、詳細を確認してみてください。

4-2. マーケティングオートメーションを決定する前の注意点

ホームページや PDF などの商品資料を見たところで、サービスの内容を詳しく理解できないと思うので、「問い合わせをして、足を運んでもらい営業マンと話す」「サービス提供会社のサービス説明会に参加する」など、実際にそのサービス提供会社の人と話すようにしましょう。

また、下記ポイントにも注意して、担当者と話してみてください。

■ その会社は今後も長くサービスを提供し続けていけそうか

サービスが急に終わることもありえないことではないです。その会社がどういった経緯でサービスの提供を始めたのか、そのサービスで今後も事業を拡大していきそうか、といったところはチェックしておきましょう。

筆者が参加したマーケティングオートメーションのセミナーで、大手自動車メーカーの担当者も話していましたが、日本国内だけではなく、海外でも展開しているか、にも注目した方がいいとのこと。以前、国内でこれからも力を入れていきそうな会社のサービスを使っていたそうですが、いきなりサービス提供を辞めることとなり、痛い目を見たそうです。

■ ツールやサポートの精度

最初の設定はサービス提供会社の人にやってもらっても、結局使うのはあなたの会社です。使い勝手の悪いツールだと、いいパフォーマンスを出せずに終わってしまうかもしれません。

また困ったときのサポート体制がしっかりと整っているかも確認してください。馴染みのないサービスのため、不具合やわからないことがあったとき、問い合わせをスムーズにできる方がいいです。

5. マーケティングオートメーションの成功を早める本 3 選

マーケティングオートメーションの成功を早めるための本を 3 冊紹介します。このツールをうまく活用できるようになるために必要な知識が詰まった 3 冊となっているので、ぜひ参考にしてください。

5-1. B to C向けマーケティングオートメーション CCCM 入門

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マーケティングオートメーションの定義や成り立ち、どのように使用して顧客を獲得していくのか、といった方法までわかりやすく解説しています。ページ数もそれほど多くなく、専門用語も事例を挙げながら丁寧に説明しているため、すばやくマーケティングオートメーションの理解を深めるためにはおススメです。

5-2. 図解 & 事例で学ぶマーケティングの教科書

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そもそもマーケティングオートメーションが必要とされるようになった時代背景がわかる1 冊。マーケティングオートメーションが開発された理由は One to One マーケティングを実施するためで、その One to One マーケティングがなぜ求められるようになっていったのか、というマーケティングの歴史を知ることができます。こういった基本もおさえておくと、マーケティング施策全体がうまくいきやすくなります。

5-3. 顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP 入門

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マーケティングオートメーションを利用するなら、アドテクノロジーの知識もあった方がいいです。なかでも DMP は絶対おさえておくべき。DMP は自社の保有する顧客データを効率よく広告へ活かせるシステムで、マーケティングオートメーションを利用していれば、いずれ DMP も使うときがくると思います。DMP の概要をネットで調べるよりは、本書を読んだ方が理解は早いです。

6. まとめ

マーケティングオートメーションを解説してきましたが、導入に至りそうでしょうか。今回は導入が難しそう、という結果になったとしても、それほど遠くない時期に再検討することになると思います。

マーケティング担当者や営業担当者の業務効率化は、どの業界のどの企業でも早期に取り組みたい命題だと思います。また、他社でマーケティングオートメーションの導入が進み、「その業界で競争に勝ち残るためには、結局導入するしかない」という状況になる可能性もあるでしょう。

これはスマホが登場したときに似ているように思えます。スマホが登場して、「デザインのスマホ対応」に一歩踏み遅れたサイトの末路のように、マーケティングオートメーションの早めの導入が今後の業績に大きく影響してくるかもしれません。

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