Dropbox の多様性に関するレポート 2022 年版

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Dropbox において、多様性、公平性、インクルージョン(DEI)は、Dropbox のカルチャーを形作る方法からビジネスや顧客との関係についての考え方に至るまで、あらゆる活動にとって有益です。Dropbox の社員には潜在能力を最大限に発揮してもらいたいと考えており、DEI の向上を促すことは Dropbox のビジネスの長期的な成功を推進するうえで役に立つと確信しています。Dropbox は、組織内で多様性とインクルージョンの向上を促進するために、複数年にわたって 3 つの取り組みを継続しています。この取り組みは会社全体で共有されているため、全社員が Dropbox での DEI の取り組みに参加していることになります。

Dropbox のコミットメントは次のとおりです。

  1. 多様でインクルーシブなチームの構築
  2. 公平な能力開発と昇進
  3. 個人の成長への取り組み

数年単位のコミットメントに責任を持って取り組むことに加えて、Dropbox では毎年、多様性に関する指標を報告し、女性や過小評価されているマイノリティ1(URM)のサポート強化にどのようにして取り組んでいるのかを共有しています。Dropbox はこれまでの進展に満足しており、2023 年以降もこれらの取り組みに引き続き投資することを約束します。以下で数字を詳しくご確認ください。2

  • 2021 年から 2022 年まで、会社全体における女性と URM の割合は、一貫してそれぞれ 39 % および 12 % となっていました。
  • また、長期的な進展を追跡することも重要だと考えています。会社全体における女性と URM の割合は、それぞれ 38 % から 39 %、10 % から 12 % へと過去 5 年間にわたって全体的に増加しました。
  • 最後に、社員の多様性がリーダーに反映されることも同様に重要であると考えています。Dropbox では 5 年間にわたって、リーダーの役職に就いている女性と URM が増加し3、これらの役職における女性の割合は 35 % から 44 % に、URM の割合は 3 % から 7 % に急増しました。4

このデータは、何がうまく機能しているのか、どの領域で引き続き取り組みを改善するのか、そして、これまでに得た勢いと成功を基にしてどのように取り組みを進めていくことができるのかを把握するうえで役立ちます。

また、多様性に関する指標の追跡に加えて、DEI の取り組みが多様性に関する 3 つのコミットメントの実現に寄与していることを確認したいとも考えています。以下では、これらのコミットメントに対する 2022 年の進展や、Dropbox で引き続き DEI を推進する方法についての今後の展望を概説します。

コミットメント 1:多様でインクルーシブなチームの構築

Dropbox は多様性のあるチームの構築に取り組んでおり、2022 年には Dropbox で多様な人材を惹きつけ、インクルージョンの向上を促進するための方法を継続的に模索しました。従来のテクノロジー ハブの外側に目を向けて、カンファレンスやイベントなどで将来の社員候補にリーチしました。

社員の多様性

  • 女性と URM の候補者は、それ以外の候補者と比べてオファーの受け入れ率が約 10 % 高くなっています
  • Dropbox のキャリア初期のパイプライン(インターンおよびエントリーレベル)では、前年に比べて女性と URM の応募者が増加しています。女性の応募者は 28 % 増加し、URM の応募者は 85 % 増加しました。URM の中では、黒人の応募者プールが 2 倍以上に増加し(116 % 増加)、ラテン系の応募者プールが 59 % 増加しました
  • 通過率(または採用の後期段階に進む候補者の割合)については、女性および URM の候補者とそれ以外の候補者で違いはなく、採用プロセスが公正かつ公平であることが示されています。
  • 最後に、Dropbox 社員は、会社の多様性、公平性、インクルージョンへの取り組みに関する半年ごとの従業員エンゲージメント調査で、業界のベンチマーク以上に肯定的な意見を表明し続けています。

 

カンファレンス、イベント、パートナーシップを通じたリーチの拡大

多様性に焦点を当てたカンファレンスやイベントに投資し、多様性を重視する外部のソーシング パートナーとパートナーシップを確立することで、人材へのリーチを拡大しています。

また、Dropbox 従業員リソース グループ(ERG)と提携し、Grace Hopper Celebration、AfroTech、ColorStack、Latinas in Tech、VetsinTech などのカンファレンスやイベントで、潜在的な人材と積極的に交流できるようにもしています。たとえば、AfroTech 2022 では、Dropbox がスポンサーを務める Build The Future ディナーなどのイベントを開催し、出席したテック業界の黒人のリーダーたちがディナーでチームの絆を深めるアクティビティに参加したり、人脈を築いたりできるようにしました。さらに、「The Drop」と呼ばれる Dropbox 初の統合型の体験では、760 人以上の参加者を迎えました。これには、対面によるインタラクティブな体験の他に、黒人の Dropbox 社員の体験談、Dropbox のカルチャーにおける多様性とインクルージョン、Dropbox 製品への影響を取り上げた「How We Build This」パネルが含まれます。

さらに、Powertofly、NextPlay、Seekout といった外部の採用パートナーと連携し、多種多様なバックグラウンドを持つ候補者を探して採用するためのキャパシティを高めています。この分野における主な成果は次のとおりです。

  • VetsInTech と提携し、バーチャルの採用イベントを通じて退役軍人の候補者のパイプラインを増強。2 つのイベントを通じて 1,300 人の退役軍人の対象者にリーチし、Dropbox 全体の役職に対するパイプラインを 200 人増加させました。
  • Edlyft とのパートナーシップの立ち上げ。Edlyft は、メンターシップとワークショップを通じて、過小評価グループのコンピュータ サイエンス専攻の学生をサポートするプログラムです。学生たちは、キャリア メンターを務めた Dropbox のエンジニアたちとペアを組みました。
  • 18 人の研修生を Dropbox の研修生プログラム(旧 IGNITE)に採用し、8 人をフルタイムの社員に転換。
  • Next Chapter とのパートナーシップを継続。Next Chapter は、過去に収監されていた個人に経済的支援、職業面および技術面のメンターシップ、社会復帰サービスを提供するプログラムです。2022 年には、2 人の研修生を受け入れました。
  • YearUp とのパートナーシップを継続。YearUp は、必要なスキルと経験を身に付けられるように若者を支援し、そのキャリアをサポートするプログラムです。2022 年に 1 人の YearUp インターンが採用され、IT & サービス チームと社会活動チームのサポートに従事しています。
Afrotech:The Drop
Afrotech:The Drop


バーチャル ファーストによるコミュニティと帰属意識の醸成

2022 年には、Dropbox におけるバーチャル ファーストの 2 年目が終了しました。バーチャル ファーストは、すべての Dropbox 社員がリモート ワークをメインの働き方とする運用モデルです。Dropbox は当初から学び続ける姿勢を維持しており、このモデルを引き続き成功させるためには、このモデルが Dropbox と共に進化する必要があることを認識しています。そのため、Dropbox の社員から直接得たフィードバックに基づいて、バーチャル ファーストに対するアプローチを定期的に調整しています。2022 年には、従業員エンゲージメント調査で過去最高の肯定的なスコアを獲得し、バーチャル ファーストがエンゲージメント、生産性、有効性、ウェルビーイングの向上に寄与したことについて社員からの言及を得られました。

Dropbox で見られたバーチャル ファーストのメリットの 1 つは、従来のテクノロジー市場の外側にタレント プールを広げることができる点です。以前は、社員の 4 分の 3 近くがサンフランシスコ、ニューヨーク、シアトルなどの地域に集中していました。2022 年には、同じ場所を拠点とする社員が特に集中している世界中の都市で、Dropbox Neighborhoods を設立しました。それ以降、社員の約半数はそうした従来のテクノロジー市場の外側を拠点とするようになり、ロサンゼルス、デンバー、ポートランド、ローリー、フェニックス、フィラデルフィアなどの新しい場所にある 30 か所の Dropbox Neighborhoods に分散しています。Dropbox Neighborhoods では、ローカル コミュニティの構築をサポートするために、定期的なプログラム提供を重要視しています。

地理的な分散が進むにつれて、インパクトのある集まりを通じて有意義なつながりを優先することが、引き続きバーチャル ファーストにとって重要になります。ここでは、新しい場所でより強い帰属意識とコミュニティ意識を実現するために実行したいくつかのステップをご紹介します。

  • 80 人以上のコミュニティ ビルダーのオンボーディングを実施しました。これらのボランティアの Dropbox 社員が、会社のミーティングの視聴や ERG ヘリテージ月間プログラムなどの対面イベントに近隣の社員を呼び集めています。
  • Dropbox Neighborhoods のイベントを 60 回開催しました。これらは 2022 年に複数の場所にわたって開催され、参加者の 82 % が、Dropbox でのコミュニティ意識と帰属意識を感じたと回答しています。
  • 2 週間ごとに 4 ~ 5 人の Dropbox 社員の無作為なグループを編成し、コーヒーを飲みながらバーチャル チャットを行う Coffeebox プログラムなど、バーチャルでのつながりのための定期的な接点を設定しました

バーチャル ファーストの目標は、拠点としている場所に関係なく、すべての Dropbox 社員に対して成功と活躍に必要な機会を等しく提供することです。積極的にフィードバックに対応することで、このモデルを継続的に反復および改善していきます。

Neighborhoods のイベント
Neighborhoods のイベント

コミットメント 2:公平な能力開発と昇進

Dropbox は、多様でインクルーシブなチームを構築するための自社の継続的な取り組みを誇りに思っていますが、それは全体像の一部にすぎません。Dropbox では、誰もが成長し、昇進できるカルチャーの醸成にも取り組んでいます。Dropbox には、社員の定着、育成、昇進に焦点を当てた多くのプログラムやイニシアチブがあります。

Dropbox 社員が活躍するためのツールを提供

2022 年には、スキル、経験、関心、キャリア志向に基づいてメンターとメンティーをペアにする Dropbox Mentoring プログラムを開始しました。開始以来、社員のほぼ 25 % が参加しています。このプログラムは部門を横断して社員をつなげることにも成功しており、メンターとメンティーのつながりの 63 % には、異なるチームからの参加者が含まれていました。重要なのは、Dropbox Mentoring プログラムに参加した社員の定着率が、参加しなかった社員よりも高かったことです。

マネージャー エフェクティブネスへの投資によって影響力の高いカルチャーを実現

Dropbox 社員が最大限の能力を発揮して働けるようにすることは、影響力の高いカルチャーの基盤となります。そして、これを推進するうえで重要なのが、マネージャー エフェクティブネスです。そうした理由から、Dropbox はマネージャーを最適にサポートして、マネージャーに投資するために、プログラムや人材に関するプロセスの改善に取り組み続けています。既存のプログラムを継続すると共に新しいプログラムを追加したほか、高い影響力に焦点を当ててリーダーシップについて学び、議論するために世界中のマネージャーを定期的に招集しました。昨年は、Dropbox のリーダーの 83 % が、影響力の高いカルチャーをサポートすることを目的としたこれらのプログラムに参加しました。

社外のコミュニティのサポート

Dropbox 社員のサポートに加えて、Dropbox 社外のコミュニティのサポートにも引き続き取り組んでいます。たとえば、2022 年には、スモール ビジネスや女性、マイノリティ、退役軍人、LGBTQ+ が所有するビジネスなどをはじめとして、サプライヤーの多様性を広げるためのステップを継続的に実行しました。Dropbox の社内バイヤーに対して認知とアクセシビリティに関するトレーニングを実施し、セルフサービス ツールをアップデートして、Dropbox 社員が多様なサプライヤーとより容易に連携できるようにしました。これを受けて、サプライヤー ベースがより多様になり、過小評価されているコミュニティが主導するビジネスをサポートする機会が増えました。

また、DEI の進展に寄与し、測定可能な変化を推進するために、多数の DEI インデックスに参加しました。これらには、Black Equity Index(BEI)Human Rights Campaign の Corporate Equality Index(HRC)が含まれます。
Dropbox は、2022 年に過小評価されているコミュニティを社内外でサポートするために行った取り組みを誇りに思っています。また、今後のコミュニティの発展を実現する方法を模索し続けていきます。

コミットメント 3:個人の成長への取り組み

社員の個人的な成長の実現を支援することは、Dropbox のカルチャーの基盤となっています。Dropbox では、社員の目標達成をサポート、奨励、評価するイニシアチブをいくつか実施しています。Dropbox では、インクルーシブな職場づくりやチームの公平な指導と育成など、幅広いトピックをカバーする多様性、公平性、インクルージョンに関するトレーニングとワークショップを定期的に開催しています。

従業員リソース グループ(ERG)によるコミュニティの構築

ERG は、DEI の取り組みの重要な要素です。Dropbox には現在、コミュニティ構築、専門能力開発、外部パートナーシップに従事する 7 つの ERG があります。2022 年には、Dropbox の ERG によって 53 件のイベントが主催されました。また、Black History Month には NASA の宇宙飛行士であるビクター・グローバー氏との対談、プライド月間には代名詞の重要性に関する社員主導のセッション、Veterans Appreciation Month にはアイアン シェフ チャレンジなど、年間を通じて 7 つのヘリテージ月間を祝いました。

今日の Dropbox 社員の拠点はかつてないほど分散しており、ERG によって社員のコミュニティをサポートできる体制を整えたいと考えています。2022 年には、Dropbox でこの目標を達成するために、ERG の未来に向けた集中的な戦略のプランニングに注力しました。来年には、Dropbox の ERG は各 ERG の特定のメンバーシップに合わせてカスタマイズされたアプローチを活用して、引き続きつながりとエンゲージメントに焦点を当てていきます。重要な点として、参加者がキャリアを伸ばすのに役立つスキルベースの専門能力開発ワークショップを追加予定です。

継続的なトレーニング

Dropbox の DEI チームは、インクルーシブな職場づくりの方法やチームの公平な指導と育成の方法などのトピックに焦点を当てたトレーニングとワークショップを提供しています。Dropbox のピープル マネージャーの大多数は、インクルーシブなリーダーシップのワークショップを完了しています。全社員の 75 % が DEI の基礎入門コースを完了しており(前年比 13 % 増)、新入社員の 66 % が少なくとも 1 つの DEI トレーニング コースを受講済みです(前年比 8 % 増)。

表彰

また、2022 年の DEI Trailblazer Award での新たな受賞者に賞を授与しました。この賞では、Dropbox をより多様かつ公平でインクルーシブな職場にするために、期待を上回る成果を上げた従業員を表彰しています。たとえば、今年は Next Chapter プログラムを通じてインターンを指導したエンジニアを表彰しました。また、ERG リードの取り組みに対して金銭的な報酬を提供することで、彼らの熱心な取り組みの表彰も開始しました。

Black History Month
Black History Month

2023 年以降を見据えて

Dropbox は 2022 年の進展を誇りに思っており、DEI の取り組みを推進するための新規および既存の手法に引き続き焦点を当てていきます。2023 年には、次のような大きな進歩を遂げました。

  • 新しい採用理念である Dropbox Way を導入します。これは、外部のベンチマーキングや従業員フォーカス グループを含む広範な調査を通じて策定されました。Dropbox Way は 6 つの採用原則で構成されており、採用の対象者、方法、理由に関する概説や、候補者が Dropbox に期待できることについての説明を含みます。これらの原則の 1 つである「公平な採用」は、測定可能かつ客観的な基準に基づいて候補者を採用し、その過程のあらゆる段階で偏見を軽減するための Dropbox の取り組みを強調するものです。
  • 世界中の社員にオンデマンドの作業スペースを提供しています。これは、コワーキング スペースのアグリゲーターとのパートナーシップを通じて実現しました。このことによって、ほぼすべての社員が何百もの世界各地の拠点から働けるようになり、柔軟性がさらに高まっています。

今後は、つながりと帰属意識への影響を拡大するための ERG への投資や、ベスト プラクティスを獲得するためのスキルベースの教育を発展させることに焦点を当てていきます。引き続き Dropbox Mentoring プログラムなどの能力開発プログラムの向上と拡大や、オンボーディング プログラムの強化に取り組み、あらゆる社員のニーズを継続的に満たせるようにします。

Dropbox は、2022 年の進展を誇りに思いつつも、これから行うべき取り組みがまだあることも認識しています。

2023 年以降は、多様でインクルーシブなチームの構築、公平な能力開発と昇進、個人の成長への取り組みというコミットメントの達成を支援するために、引き続き DEI プログラムおよびイニシアチブに投資します。Dropbox は、こうした取り組みが、スマートな働き方を創造するという会社のミッションを達成するうえで役立つと確信しており、これらの原則を遵守する責任を引き続き私たち自身に課していきます。

数字で振り返る 2022 年

 

Representation of women at Dropbox


US Ethnicity at Dropbox

ここに記載されている割合(パーセント)は、最も近い整数に四捨五入されており、足しても 100 % にならない場合があります。

脚注:

  1. Dropbox では、過小評価されているマイノリティ(URM)を黒人/アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系/ラテン系、ネイティブ アメリカン、太平洋諸島系の人々として定義しています
  2. ジェンダーに関するデータは世界全体のものであり、人種に関するデータは米国のみのものです。データはフルタイムの社員のみについて言及しています
  3. 「Managers(マネージャー)」は、1 人以上の直属の部下(契約社員を除く)を持つ人として定義されており、「Leadership(リーダー)」はディレクター レベル以上の人、「Tech(技術系)」は Dropbox のエンジニアリング部門、製品部門、デザイン部門の社員を指しています
  4. ジェンダー、人種/民族の指定は、社員の自己申告によるものです



 
※このインタビューは、編集および要約されています。2023 年 8 月 31 日(米国太平洋標準時間)に公開されたブログの翻訳です。