クラウドファイルサーバーとは、クラウド事業者が提供しているクラウドストレージなどのクラウドサービスを利用してファイル共有を行うサーバーを指します。
オンプレミス(自社運用)の「社内ファイルサーバー」と対比して「クラウドファイルサーバー」と呼ばれるケースが多く、近年導入する企業が増えています。
クラウドファイルサーバーにはメリットとデメリットがありますので、それぞれを把握して、自社に最適なファイルサーバーを見極めることが大切です。
そこで本記事では、「クラウドファイルサーバー」について、詳しく解説します。
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本記事のポイント
- クラウドファイルサーバーの基礎知識が身に付く
- メリット・デメリットの両方を把握できる
- 導入ステップや注意点まで解説
「会社のファイルサーバーをクラウドにしたい」
「クラウドファイルサーバーの導入に失敗しないよう、情報収集したい」
という方におすすめの内容となっています。この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「クラウドファイルサーバーの基本」はもちろん、社内ファイルサーバーとの違いやメリット・デメリットまで理解できるようになります。
結果として、クラウドファイルサーバーの導入をスムーズに成功させられるはずです。では、さっそく「クラウドファイルサーバー」の解説を始めましょう。
1. クラウドファイルサーバーとは?
まずは基礎知識から見ていきましょう。
1-1. クラウドファイルサーバーとはクラウドのファイル共有サービスのこと
冒頭でも触れたとおり、クラウドファイルサーバーとは、クラウド事業者が提供しているクラウドサービスを利用してファイル共有を行うファイルサーバーのことを指します。
“クラウドファイルサービス”という呼び方のほかに、以下の名称で呼ばれることもあります。
▼ クラウドファイルサービスの同義語
・クラウド型ファイルサービス ・クラウドストレージ ・オンラインストレージ |
例えば、Dropbox・Googleドライブ・OneDriveなどは、ファイル共有を含む多様な機能を持つクラウドストレージサービスです。
これらのクラウドストレージを、ファイル共有の目的で利用する場合は「クラウドファイルサーバー」とも呼びます。
つまり、具体的なサービス名でクラウドファイルサーバーを説明するなら、「Dropbox・Googleドライブ・OneDriveなどのこと」と表現できます。
1-2. そもそも「クラウド」とは?
ここで、そもそも「“クラウド”についての理解が曖昧」という方のために、クラウドの基礎知識をおさらいしておきましょう。
クラウドとは、コンピューターによる情報処理を、自分が保有するコンピューターで行うのではなく、インターネットでつながっているクラウド事業者のコンピューターで行うサービスを指す言葉です。
言葉の由来について補足しておくと、クラウド(Cloud)とは「雲」という意味で、ネットワークを図解するときにはインターネットを雲として表します。
ここから由来して、サーバーやデーターベース・ソフトウェアなどの各種リソースを、インターネットを経由して提供するサービスを「クラウドコンピューティング」「クラウドサービス」と呼ぶようになりました。
私たちがIT用語として見聞きする「クラウド」とは、クラウドコンピューティングやクラウドサービスを略した言葉なのです。
クラウドについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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・クラウド化とは?わかりやすく解説!企業動向や導入の流れもわかる
1-3. クラウドファイルサーバーと社内ファイルサーバーの違い
前述の「クラウド(=クラウド事業者が保有するコンピューターで提供されるサービス)」の定義で考えると、クラウドファイルサーバーの対義語として「社内ファイルサーバー」が挙げられます。
クラウドファイルサーバーと社内ファイルサーバーの違いを表にまとめると、以下のとおりです。
▼ クラウドサーバーと社内ファイルサーバーの違い
サーバーの保有者 |
サーバーの運用者 |
|
クラウドファイルサーバー |
クラウド事業者 |
クラウド事業者 |
社内ファイルサーバー |
自社 |
社内の担当者 |
社内ファイルサーバーは、クラウドと相対して「オンプレミス」とも呼ばれます。オンプレミスとは情報システムを自社の責任において社内で運用することです。
多くの企業では、これまで「ファイルサーバー」といえば社内ファイルサーバー(オンプレミス:自社運用)が基本でした。
社内ファイルサーバーでは、サーバーの機器を購入して社内に設置し、社内の担当者がサーバー環境を構築して運用します。
しかし、近年では社内ファイルサーバーではなくクラウドファイルサーバーをファイル共有に利用する企業が増えています。
なぜなら、社内ファイルサーバーの課題(保守管理業務の大きな負担、コスト面、災害や停電に備えた電源の確保、セキュリティリスク、テレワークでの利便性の低さなど)を解決できるのがクラウドファイルサーバーだからです。
クラウドファイルサーバーにはどんな利点があるのか、詳しくは次章で解説しましょう。
2. クラウドファイルサーバーのメリット
クラウドファイルサーバーには以下のメリットがあります。
・ファイルサーバーの構築・運用・保守の手間が不要になる ・初期コスト・運用コストを削減できる ・テレワークでの利便性に長けている ・ファイル復元やバージョン履歴などの機能が充実している ・複数のメンバーで1つのファイルを同時編集できる |
詳しく見てみましょう。
2-1. ファイルサーバーの構築・運用・保守の手間が不要になる
1つめのメリットは「ファイルサーバーの構築・運用・保守の手間が不要になる」ことです。
オンプレミスの社内ファイルサーバーを設置する場合には、物理的にサーバー機器を購入してサーバー環境を構築し、運用していく必要があります。
構築したら終わりではなく、その後も定期的なメンテナンスが欠かせません。サーバー機器が壊れることも珍しくなく、修理や交換も定期的に必要になります。
一方、クラウドファイルサーバーを利用するために必要なものは、基本的に「インターネット回線とブラウザだけ」です。
ファイルサーバーの運用管理はクラウド事業者が行います。利用者は何もする必要がありません。
システム担当者が社内にいなくてもITの知識がなくても、誰でも簡単に利用できることは、クラウドファイルサーバーの大きなメリットです。
2-2. 初期コスト・運用コストを節約できる
2つめのメリットは「初期コスト・運用コストを削減できる」ことです。
社内ファイルサーバーを利用する場合には、前述の社内担当者の負担だけでなく、費用面(コスト)も企業にとって大きな負担です。
実際の金額は容量や用途によって大きく異なりますので一概にはいえませんが、多くのケースでは、クラウドファイルサーバーに置き換えたほうがコスト削減になります。
例えば、クラウドファイルサーバーの一例として、Dropbox Business プランの費用(月間払いの場合)は以下のとおりです。
出典:Dropbox Business の価格 – Dropbox Business
一時的に容量やユーザー数が増えた場合にも、サーバー増設やサーバー機器の追加購入の必要はありません。
クラウドファイルサーバーなら、料金プランやユーザー数の変更によって、その時々の状況にあわせて必要な分だけの費用を支払えば良いので、効率的です。
2-3. テレワークでの利便性に長けている
3つめのメリットは「テレワークでの利便性に長けている」ことです。
社内ファイルサーバーの場合、外部からアクセスするためにはVPN(Virtual Private Network:仮想プライベートネットワーク)の構築が必要になります。
VPNは知識がないと構築が難しく、かといって事業者に依頼して構築すればコストがかかります。そのうえ、VPNでは通信速度が遅くなる傾向にあり、業務がスムーズに行えないという声も多いものです。
一方、クラウドファイルサーバーでは、インターネット回線さえあれば、共有ファイルに用意にアクセスできます。
自宅・移動中・サテライトオフィスなど、さまざまな場所で業務を行うテレワークに非常に適しているのがクラウドファイルサーバーです。
パソコン・タブレット・スマートフォンなどデバイスも選びませんし、スピーディに目的のファイルに接続可能です。例えば、「営業で訪問した顧客のオフィスで、タブレットを使い最新の商談資料を顧客に見せながらプレゼンする」といった使い方にも、問題なく対応できます。
2-4. ファイル復元やバージョン履歴などの機能が充実している
4つめのメリットは「ファイル復元やバージョン履歴などの機能が充実している」ことです。
クラウドファイルサーバーでは、ファイル共有を便利にするための機能が続々と開発されて提供されています。
「ファイルをなくした」「間違って編集した」「作業の途中で消してしまった」などのトラブルが発生したときを考えてみましょう。
例えばDropboxなら30 日間(Dropbox Professional ユーザーと Dropbox Business ユーザーの場合はさらに長期間)保存されます。ワンクリックでいつでもデータを取り戻すことができるのです。
加えて、変更履歴が「バージョン履歴」として残っています。誤ってファイルを変更してしまったときも、バージョン履歴を開いて以前のバージョンを復元すれば簡単に解決が可能です。
ローカルディスク(PC内のHDD)に保存して作業するのではなく、あえてクラウドファイルサーバー上に保存しておいたほうが、ファイルの管理がしやすくなる人も多いでしょう。
2-5. 複数のメンバーで1つのファイルを同時編集できる
5つめのメリットは「複数のメンバーで1つのファイルを同時編集できる」ことです。
社内ファイルサーバーは、基本的にはファイルの共同編集には不向きです。一部、Excelの共有ブックなどの機能を使えば可能ですが、用途は限定されてしまいます。
しかし、リアルタイム編集の機能を持つクラウドファイルサーバーを利用すると、「複数のチーム メンバーで1つのファイルを同時に編集し、ファイルに対するすべての編集内容がほぼ瞬時に各メンバーの環境に反映される」という、新しいチームワークの在り方が実現できます。
“チームの生産性と効率性を最大限に高め、それによって成果物の質を改善したい”と考えるなら、この機能のためだけでも、クラウドファイルサーバーを導入する価値があるといえるでしょう。
参考:リアルタイム編集 – Dropbox Business
3. クラウドファイルサーバーのデメリット
企業にとっては非常に魅力的なメリットが多いクラウドファイルサーバーですが、マイナス面についても押さえておきたいところです。
以下のデメリットが挙げられます。
・カスタマイズの自由度が低い ・オフラインでは基本的に利用できない ・高度な機密情報の管理には必ずしも向かない |
それぞれ解説しましょう。
3-1. カスタマイズの自由度が低い
1つめのデメリットは「カスタマイズの自由度が低い」ことです。
クラウドファイルサーバーは、基本的にクラウド事業者が提供しているサービスパッケージをそのまま利用します。
自社の環境に合わせて自由にカスタマイズができる社内ファイルサーバーとは異なり、基本的に大きなカスタマイズは不可能です。
任意で変更可能な要素として設定されている部分以外は、提供されているサービスのまま利用することになります。
3-2. オフラインでは基本的に利用できない
2つめのデメリットは「オフラインでは基本的に利用できない」ことです。ファイルサーバーに限らずクラウドサービス全般にいえることですが、クラウドサービスは基本的にオンラインでの利用が想定されています。
ただし、近年ではオフラインでもファイルを利用できる機能を充実させているクラウドファイルサーバーが増えています。
例えば、Dropboxであれば、あらかじめ[オフライン アクセス可]のオプションを有効にしておけば、オフラインでもファイル閲覧が可能になります。
3-3. 高度な機密情報の管理には必ずしも向かない
3つめのデメリットは「高度な機密情報の管理には必ずしも向かない」ことです。
クラウドファイルサーバーを利用する場合、社内の情報資産をインターネット経由でクラウドサービスに預けることになります。
インターネットを経由させたくない高度な機密情報や、社外には一切出すことのできない情報の共有には、クラウドファイルサーバーは向きません。
具体例としては、金融・医療など、非常に高度な機密性が求められる分野が挙げられます。
高度なセキュリティ対策を行っているクラウド事業者を選べばセキュリティリスクを最小限に下げることはできます。しかしクラウドファイルサーバーを利用する以上は、“不正アクセス”のリスクがゼロではありません。
というのは、クラウドファイルサーバーを利用するために必要なIDやパスワードのアカウント情報が、管理不備によって漏洩すれば、悪意を持った第三者に不正アクセスされるリスクがあるのです。
もちろん、アカウント情報の管理をきちんとすれば防げるリスクではありますが、情報漏洩リスクを限りなくゼロに近づけるべき機密情報の管理には、クラウドサービスは避けるべきといえるでしょう。
4. クラウドファイルサーバーが現代の企業に不可欠な理由
ここまでクラウドファイルサーバーのメリット・デメリットをご紹介してきました。これらを踏まえたうえで、現代の企業にとってクラウドファイルサーバーは不可欠であるといえます。
その理由を3つ、解説しましょう。
・テレワークへの対応 ・事業継続性の確保 ・生産性の向上 |
4-1. テレワークへの対応
1つめの理由は「テレワークに対応する」ためです。
テレワークは、2018年に成立した働き方改革関連法においても推進されている柔軟な働き方です。企業としての社会的責任を果たすうえで、積極的な導入が求められているのがテレワークといえます。
さらに、2020年以降のコロナ禍においてテレワークを余儀なくされ、本格的なテレワークの導入を進める必要性を実感した企業も多いことでしょう。
テレワークを実現するためには、スムーズなファイル共有が欠かせませんが、クラウドファイルサーバーは前述のとおりテレワークにおける利便性に長けています。
2020年代以降、企業がテレワークを推進するためには重要な意味を持つのがクラウドファイルサーバーなのです。
▼ あわせて読みたいおすすめ記事
・テレワークで働き方改革!メリットデメリット・成功のコツと注意点を解説
4-2. 事業継続性の確保
2つめの理由は「事業継続性の確保」ためです。
オフィスにおいて自然災害や火災などの緊急事態が発生した場合、オフィスに設置していた社内ファイルサーバーのデータや紙の書類は破損・紛失します。
たとえ従業員のテレワーク出勤体制を整えていたとしても、肝心の業務に必要なファイル類が紛失してしまえば、事業を継続することはできません。
しかし、業務に必要なファイルをクラウドファイルサーバー上に保管していれば、いつでも・どこからでもアクセスが可能です。
オフィス本体に何らかの緊急事態が発生したとしても、損害を最小限に抑え、事業の継続が可能になります。
緊急事態へのリスク管理として、クラウドファイルサーバーでのファイル共有は有効なのです。
4-3. 生産性の向上
3つめの理由は「生産性の向上」ためです。
少子高齢化・人口減少が進む日本国内においては、多くの企業が人手不足に陥っており、この傾向はこれからさらに加速すると考えられます。
人手が不足しているなかで企業が取り組まなければならないのは、生産性の向上です。
クラウドファイルサーバーでファイル管理をすれば、ファイル管理の効率性を向上させたり、共同編集機能などによってチームの生産性を向上させたりすることが可能です。
クラウドファイルサーバーを業務に取り入れることは、生産性を求める企業にとって不可欠となるでしょう。
5. クラウドファイルサーバー導入の流れ 3ステップ
実際にクラウドファイルサーバーを導入したいと思ったら、どんな流れで導入すれば良いのでしょうか。
ここでは法人向けクラウドストレージである「Dropbox Business」を例にとって、導入の流れを解説します。
5-1. ステップ1:プランを選び無料トライアルに申し込む
1つめのステップは「プランを選び無料トライアルに申し込む」です。
Dropbox Businessに限らず、ほとんどのクラウドストレージは、正式購入前に一定のトライアル期間を設けています。
まずはプランを選び、無料トライアルからスタートしましょう。
5-2. ステップ2:必要な設定を行う
2つめのステップは「必要な設定を行う」です。
プランへの申込みが完了しアカウントが発行されたら、管理者向けの管理画面から必要な設定を行います。具体的には、以下を設定していきます。
・チームスペース(共有ドライブのように使えるチーム用の共有ワークスペース)の設定 ・チームメンバーの追加、共有権限などの設定 ・セキュリティ設定(認証方法、セキュリティアラートなど) |
5-3. ステップ3:運用スタートする
3つめのステップは「運用スタートする」です。
クラウドファイルサーバーでは、基本的に運用に必要なものはすべて最初からそろっているため、簡単な設定のみですぐに使い始めることができます。
ただし、チームメンバーがスムーズに新たなクラウドファイルサーバーへ移行できるようにするためには、チームへのトレーニングが欠かせません。
メンバーに使用方法を説明し、適切なサポートを提供することが大切です。
具体的にどの程度のトレーニングが必要になるかはチームの技術的なレベルによっても異なりますが、数週間以上のリードタイムを確保して、自社の状況に合わせたフォローを行いましょう。
6. クラウドファイルサーバーを導入する際の注意点
クラウドファイルサーバーを導入するうえで、注意したい点を3つ、お伝えしましょう。
・信頼性の高いクラウドサービスを選ぶ ・複数のチームメンバーで試用してから導入する ・運用のルールや情報の取り扱いポリシーを遵守する |
6-1. 信頼性の高いクラウドサービスを選ぶ
1つめの注意点は「信頼性の高いクラウドサービスを選ぶ」ことです。
クラウドファイルサーバーを利用すると、自社でサーバーを管理運用する手間が省ける反面、サーバーの管理運用をクラウド事業者に依存することになります。
低品質なクラウド事業者を選んでしまうと、データ紛失などのトラブルに遭遇することにもなりかねません。
クラウドサービスでは、業者側での障害や運用の不備などが原因で、システム上に置いたデータが消えてしまったり、サービス自体が使えなくなってしまったりという事態も発生しています。
そこで信頼性の高いクラウドサービスを見極めて利用することが重要になります。具体的には、以下のような情報セキュリティ対策を適切に行っているか、規約や契約内容で確認しましょう。
▼ クラウドサービス事業者が行うべき主要な情報セキュリティ対策
・データセンターの物理的な情報セキュリティ対策(災害対策や侵入対策など) ・データのバックアップ ・ハードウェア機器の障害対策 ・仮想サーバなどのホスト側のOS、ソフトウェア、アプリケーションにおける脆弱性(ぜいじゃくせい)の判定と対策 ・不正アクセスの防止 ・アクセスログの管理 ・通信の暗号化の有無 |
出典:総務省「クラウドサービスを利用する際の情報セキュリティ対策」
6-2. 複数のチームメンバーで試用してから導入する
2つめの注意点は「複数のチームメンバーで試用してから導入する」ことです。
実際に導入してから使い勝手が悪いと、チームの生産性を向上させるどころか、余計な負担を増やしてしまう危険があります。
クラウドファイルサーバーを導入する前には、必ず複数のチームメンバーで試用を行い、使い勝手を評価したうえで適切なサービスを選定しましょう。
前述のとおり、多くのクラウドサービスが無料のトライアル期間を設けています。複数のサービスを比較検討すると良いでしょう。
例えばDropbox であれば、30日間の無料トライアルが可能です。
出典:安全なファイル共有とクラウド ストレージ | Dropbox Business
6-3. 運用のルールや情報の取り扱いポリシーを遵守する
3つめの注意点は「運用のルールや情報の取り扱いポリシーを遵守する」ことです。
どんなに信頼性が高く、また使い勝手の素晴らしいクラウドファイルサーバーを導入したとしても、チームメンバーが扱い方を間違えれば、情報漏洩などのトラブルにつながります。
そこで、組織としてクラウドファイルサーバーの運用ルールや情報の取り扱いポリシーを定め、それを遵守してクラウドファイルサーバーを利用することが大切です。
具体的にどんなルールやポリシーを定めるべきかは、クラウドファイルサーバー上でどんな情報をやり取りするかによって異なります。
総務省のサイトに掲載されている「情報セキュリティポリシーの導入と運用」などを参考に、自社に適したルールやポリシーを社内に普及させていきましょう。
まとめ
クラウドファイルサーバーとは、クラウド事業者が提供するファイル共有サービスのことです。
オンプレミス(自社運用)の社内ファイルサーバーとクラウドファイルサーバーの違いを比較すると、下表のとおりです。
▼ クラウドサーバーと社内ファイルサーバーの違い
サーバーの保有者 |
サーバーの運用者 |
|
クラウドファイルサーバー |
クラウド事業者 |
クラウド事業者 |
社内ファイルサーバー |
自社 |
社内の担当者 |
クラウドファイルサーバーのメリットとしては、以下が挙げられます。
1 ファイルサーバーの構築・運用・保守の手間が不要になる 2 初期コスト・運用コストを節約できる 3 テレワークでの利便性に長けている 4 ファイル復元やバージョン履歴などの機能が充実している 5 複数のメンバーで1つのファイルを同時編集できる |
クラウドファイルサーバーのデメリットとしては、以下が挙げられます。
1 カスタマイズの自由度が低い 2 オフラインでは基本的に利用できない 3 高度な機密情報の管理には必ずしも向かない |
近年では、クラウドファイルサーバーは企業にとって不可欠といえる存在となっています。その理由は以下のとおりです。
1 テレワークへの対応 2 事業継続性の確保 3 生産性の向上 |
クラウドファイルサーバー導入の流れを3ステップでご紹介しました。
ステップ1:プランを選び無料トライアルに申し込む ステップ2:必要な設定を行う ステップ3:運用スタートする |
クラウドファイルサーバーを導入する際の注意点として以下が挙げられます。
1 信頼性の高いクラウドサービスを選ぶ 2 複数のチームメンバーで試用してから導入する 3 運用のルールや情報の取り扱いポリシーを遵守する |
クラウドファイルサーバーは、企業のさまざまな課題を解決するために大いに役立つはずです。ぜひ、無料トライアルから導入にチャレンジしてみましょう。