メールに代わるコミュニケーションとして、ビジネスチャットの導入が加速しています。さらにコロナ禍によるテレワークの普及もあり、どんどんビジネスチャットのニーズが高まっていることでしょう。最近では、社内メンバーだけでなく、社外メンバーとコラボレーションでき、なおかつAPIによっていろいろなアプリケーションと連携することも可能となっています。ここでは、そもそもビジネスチャットとはどのようなツールなのか改めておさらいするとともに、他のコミュニケーションツールとの違いやメリットなどを見ていきます。
メールはもはや過去の遺物に?
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、企業・組織の間でテレワークが急速に浸透しましたが、コミュニケーション手段をどうするかという新たに課題が顕在化しました。リモート環境のなかで従業員同士のコラボレーションを効率化するためには、ICTを活用したコミュニケーションツールが欠かせません。そこで注目を集めているのが「ビジネスチャット」です。
世間一般では、LINEやTwitter、FacebookなどのSNSがコミュニケーションツールとして浸透しています。一方ビジネスシーンにおいては、今もなお連絡手段の中心がメールや電話となっています。そのため、チャット形式のリアルタイム・コミュニケーションの手軽さや利便性を日常的に体感している多くの人々にとって、一方通行かつ形式張った定型文を強いられるメールや相手の時間を拘束する電話に対して、抵抗感が高まっているのです。
「シャドーIT」のリスクとは
こうした背景から、多くのITベンダーがチャットやSNSの手軽さをビジネスの世界にも取り入れていこうとしています。とりわけ「Microsoft Teams」や「Google Workspace」さらには「LINE WORKS」といったいわゆるグループウェアにおいて、チャット(メッセンジャー)は中心的な機能として位置づけられるようになっています。
一方で現在、ビジネスチャットツールを導入していない企業・組織では、何の承諾もなく勝手にメッセンジャーアプリを業務でも用いてしまう「シャドーIT」が問題になっています。シャドーITの最大のリスクは、IT部門をはじめとした管理者の目が届かずに、利用状況を把握できなくなり、最悪の場合、情報漏えいが生じる可能性ある点です。もしも私用のメッセンジャーから業務上の機密情報が漏えいしたとしても、その原因を解明したり、情報の流出経路を特定したりといった、企業としての説明責任を果たせなくなってしまうのです。
ビジネスチャットならではのメリット
ビジネスチャットのメリットは社内外のコミュケーションをスピードアップできることにあります。自宅や外出先でいちいちPCを開くことなく、スマートフォンやタブレットなどから気軽にコミュニケーションをとることで、ビジネスにスピード感を持たせられます。一対一や複数人でのリアルタイムな連絡はもちろんのこと、資料共有ツールとしても使用できる点も魅力です。
またメールや電話ではできない、チャットならではの絵文字スタンプにも注目です。例えばチャットに添付した資料に目を通したら絵文字スタンプを押したり、投票機能として代用したりと、工夫次第でビジネスの幅を広げることも可能になります。
このように、メールや電話ならではの堅苦しさを排除でき、さらに使い方によっては社員の現状把握にも適用できるため、ビジネスチャットはテレワーク時の生産性を上げる最適なコミュニケーション手段といっても過言ではありません。
ベンダーごとの特徴も見極めよう
現在、「Microsoft Teams」や「Google Workspace」「LINE WORKS」といったグループウェア系のソリューションのほか、「Chatwork」や「Slack」のようなチャット機能に特化したツールも人気があります。特殊なところでは、安全性の高い総合行政ネットワーク(LGWAN)上で各種コミュニケーションが行える、地方自治体に特化した「LoGoチャット」も挙げられます。
Microsoft TeamsやGoogle Workspaceのような広く普及しているグループウェア系製品には、チャット以外にもさまざまなビジネスツールが備わっており、それぞれツールを連携させることによって、より高度なコミュニケーション/コラボレーション、ひいては業務効率化を実現します。
一方で、ChatworkやSlackのような製品の場合、UIがシンプルで導入しやすく、また普及率の高さから他社とのコミュニケーションでも利用しやすいといったメリットがあります。もちろん、ChatworkやSlackもアプリ連携が可能なので、自社に要件に合わせてカスタマイズするのがよいでしょう。
ビジネスチャットツールの選定にあたっては、自社のコミュニケーション/コラボレーションの現状や、チャットと連携したい機能、社外とのやり取りのニーズなど、さまざまな要素を考慮したうえで、トライアルや無料版などを活用しながら比較しましょう。
まとめ
一番に注意すべきは、ビジネスチャットの導入自体が“目的化”してしまうことです。どんなに優れたツールであっても使いこなせない人がいれば、宝の持ち腐れとなってしまいます。ビジネスチャットを導入する際には、しっかりとした使用ルールやポリシーを設けるとともに、誰もが気軽に使いこなせるようなユーザー教育が欠かせません。
特に注目したいのが、クラウドストレージとの連携機能です。ファイル共有に便利なクラウドストレージサービスとビジネスチャットを連携させることで、業務におけるコミュニケーション/コラボレーションの大幅な効率化が期待できるからです。
例えば、Dropbox ではAPI連携機能を有しており、LINE WORKSやSlackなど主要なビジネスチャットと連携させることで、ファイルの共有、フィードバックの確認、コンテンツの作成、チームとの共同作業を安全な環境で行えるようになります。ビジネスチャットチャット以外にもワークフローやプロジェクト管理など多くのサードパーティ製品と連携させることができるため、自社にカスタイマイズが可能です。詳細は以下を参照ください。
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