多くの企業でデジタル・トランスフォーメーションの検討がされています。昨年 2019年 12月 11日に株式会社アイ・ティ・アール（以下、ITR）より発行された国内 IT 投資動向調査報告書 2020 によると、デジタル・トランスフォーメーション（DX）について、調査回答企業のうち 6 割を超える企業が「取り組むべき重要な事項である」と回答しています。特に、ビジネスの状況について「非常に好調」と回答した企業の実に 51 %が、DX について「全社レベルで取り組むべき最重要事項だと思う」と回答しました。
当社にも、様々なお客様から DX に関連するご相談をいただいておりますが、その中で最も多いご相談が「何から始めるべきなのか？」という点です。
この疑問に対し、信頼性のあるデータを踏まえてお答えするために、今回、ITR に追加集計をお願いいたしました。ITR の調査の中に「デジタル変革テーマの取り組み状況」という項目があり、このデータを図表化可能な切り口で集計することで、お客様の疑問解決の一助になるのではないか、と考えました。
DX は非常に大きなテーマであり、実践するには複数の切り口があると考えています。また、企業の戦略や課題によって最適な取り組みは異なります。今回の追加集計のグラフでは、DX 全体を俯瞰的に捉えた上で、多くの企業で取り組まれている、その「傾向」をご紹介させていただきます。
本調査は 2019年 8月 〜 9月にかけて実施された調査であり、現在ではその優先順位も異なることは想像に難くないですが、ご参考としていただけますと幸いです。
目次
- 緊急度が高く、多くの企業が取り組んでいる「従業員エンパワメント」
- 「コミュニケーション／コラボレーションの高度化」と「業務の自動化」の2つが最も緊急性の高い施策
- “スマートワークスペース”が”従業員エンパワメント”を実現
1. 緊急度が高く、多くの企業が取り組んでいる「従業員エンパワメント」
ITR のレポートでは、DX に関する取り組みを 4 つのグループに分け、各グループにそれぞれ 4 つの施策を定義し、全 16 項目の施策で DX の全体像とその取り組み状況が分析されています。レポートの中では、全 16 施策に対して「最優先課題であり、すでにプロジェクトに着手している」「優先度は高いが、未着手である」「将来の課題であると考えている」の 3 つを選択肢として、それぞれの取り組み状況が解説されています。
今回の追加調査の目的は「全体の傾向」を捉えることで、「どこから始めるべきか」への参考として「多くの企業は何から取り組んでいるのか」を解明することにあります。そこで、まずは 4 つのグループを「市場性取り組むと見られる企業の裾野」と「緊急性（着手している企業の割合の大きさ）」の 2 つの軸で集計を行っていただきました。
追加集計の結果、「従業員エンパワメント」に該当する施策が多くの企業で緊急性が高いと認識されている施策であることがわかりました。
2. 「コミュニケーション／コラボレーションの高度化」と「業務の自動化」の 2 つが最も緊急性の高い施策
同様の 2 つの軸で、全 16 の施策を集計すると、緊急性の高い具体的な施策が見えてきます。4 象限のうち、「多くの企業が取り組んでおり、かつ、緊急性が高い施策」に該当する右上の象限には、従業員エンパワメントに該当するほとんどの施策が該当していますが、同グループの「コミュニケーション・コラボレーションの高度化」に加え、オペレーション最適化グループに該当する「業務の自動化」も緊急性が高い施策であるという結果でした。
また、4 つのグループのうち、最も緊急性が高いと評価された「従業員エンパワメント」の中の 4 つの施策の中で、「コミュニケーション/コラボレーションの高度化」、「ワークスタイルの変革」、「デバイスの活用による情報伝達の高度化」の 3 つは多くの企業で緊急性が高いと認識されていることに加え、「人事・組織管理の最適化」は中長期的な施策として多くの企業で検討されていることがわかりました。
3. “スマートワークスペース”が”従業員エンパワメント”を実現
Dropbox は 2019 年秋に、「クラウド時代のエクスプローラー（フォルダ）」ともいえる”スマートワークスペース”という新しいコンセプトを提唱し、製品を刷新しました。この概念はまさに、「コミュニケーション/コラボレーションの高度化」「デバイスの活用による情報伝達の高度化」「ワークスタイルの変革」の解決策であると我々は信じています。
多くの皆様の働き方を変革する、「スマートワークスペース」について簡単なご紹介動画がございますので、ぜひご覧ください。
