リアルバンドが伝授する、音楽制作をより簡単にする Dropbox Paper と Dropbox の 7 つの使い方

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バンドが曲を作る際の光景をイメージしてみてください。ガレージで 5 人ほどの若者がアンプに囲まれている姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし、私が知るミュージシャンのほとんどは、そのようには作業していません。多忙なスケジュールや個々の事情などにより、グループが定期的に同じ時刻に同じ場所に集まることは困難です。

また、今やテクノロジーによって音楽でのコラボレーションが世界中の人々と可能になり、「バンド」の形態はすっかり様変わりしたとも言えます。ここでは、そうしたツールによって時間と労力を節約する具体的な方法を 7 つご紹介します。ぜひ次のプロジェクトで活用してみてください。

1. 音作りからマスタリングまでプロジェクトを一貫して管理

私は、作曲したり新しいトラックのアイデアを記録したりするときに、Ableton を使ってビートとメロディーを作ってから、それらのリソースへのリンクを Dropbox Paper表機能で保存・管理します。こうすることで、リンクの共有や、もらったフィードバックの管理を 1 つの表でまとめて行えます。

作曲プロセスのすべての段階で Paper を使い、あらゆるものを 1 つのオンライン ドキュメントに整理しています。つまり、さまざまなプロジェクトを 1 つのドキュメントで管理できるのです。このドキュメントを共有すれば、関係するすべてのミュージシャン、歌手、プロデューサー、エンジニアが、ドキュメント内のあらゆるリソース(SoundCloud のリンク、YouTube の埋め込み、GIF、スクリーンショットなど)を閲覧してコメントすることができます。

2. 歌詞をアイデア段階でやり取り

歌詞のアイデアが思い浮かんだら、アイデア専用のドキュメントにまとめて、いつか曲にできるよう保存しています。

過去に書いた一連の歌詞が 1 つの楽曲に使えそうだと感じたら、トラックのタイトルを付け、そこに歌詞のアイデアをタグ付けします。一緒に楽曲を作成するメンバーは全員そのドキュメントにアクセスできるため、私が追加したアイデアを見ることができます。楽曲が完成に近づき、ボーカルの録音とメロディーを乗せる準備ができたら、その楽曲固有のドキュメントを作成して、歌詞のセクションを用意します。

そして余分なものをそぎ落とし、構成要素を作り出します。スタジオに入ったら、ボーカルはボーカル ブースで自分のスマホから Paper のドキュメントを開くだけで歌詞を確認できます。印刷する必要はありません。

3. 大容量オーディオ ファイルをバンド仲間と共有

初めてミュージカルのプロジェクトを担当したとき、エクスポートした MP3 ファイルをメールで共有しようとして、ものすごく手間がかかった記憶があります。音質を維持し、複数回の圧縮を避けるために、.WAV 形式でエクスポートしたファイルをやり取りするためには、Dropbox のほうが使い勝手がいいことに気づきました。ボーカルなどと、トラックの特定の部分を何回もやり取りする場合には、Dropbox での受け渡しがとても役立ちます。

さらに、共有フォルダを使用することで、多くの時間を節約できました。プロジェクトを共有フォルダに保存しておけば、エクスポートの必要がないだけでなく、共有フォルダ内で修正を加えるだけでメンバーと変更を共有できます。Dropbox で .WAV ファイルをやり取りできるので、MP3 で何度も圧縮する必要がなくなりました。

4. さまざまな人との共同作業で、アイデアを活性化

私はソロ活動がほとんどですが、現在担当中のプロジェクトは、友人のミシェル・ルーやルル・タン(Adventure Tiger)と共同で進めています。彼らはボーカルとして参画していますが、歌詞、メロディー、プロジェクトのあり方についても 3 人で意見を交換し合いながら共に作り上げています。

アーティストがプロデューサーを兼ねるというスタイルは、多くの異なる相手との共同作業を可能にするツールを手にした今だからこそ実現できているのだと思います。プロデューサーとミュージシャンの境界があいまいになっているとも言えるでしょう。

私自身はリミックスやマッシュアップはあまり行いませんが、ボーカルの方たちと仕事でコラボレーションできればとは常に思っています。バンド The Postal Service が完全にリモートな環境下でコラボレーションしてレコードを制作したという話を聞いたとき、「理論上は相手が世界のどこにいてもコラボレーションできるのだ」と思いました。

そこで、ニューヨークを拠点として活動するラッパーに Twitter を通じて連絡を取りました。Dropbox でビートを送り、彼がそれにフリースタイルでラップを重ねて録音しました。彼と実際に会うことはありませんでしたが、私だけでは作れなかったものが、コラボレーションすることで実現したのです。

別の例を挙げると、Paper 開発チームの 1 人であるアショク・ラジューは、ボビー・ライトの名で活動する DJ です。DJ としての彼の活動スタイルはユニークで、他の 2 人の DJ と一緒に演奏するという、あまり類を見ないタイプです。3 人でパフォーマンスをするには、楽曲、ミキシングのアイデア、機器についての議論、ライブに先立つプロモーション プランを共有する必要があります。

しかし、直接集まる時間がないことが多いため、Dropbox をオンラインで共同作業するためのツールとして使い、演奏のアイデアを練っています。

5. フィードバックの収集と反映

私の最近の楽曲である「Call Me」では、プロデュースの経験を持つ人にベスト プラクティスに関するアドバイスを求めました。十分自信を持ってリリースするために、この楽曲制作には 8 か月を費やしました。完成に近づいたとき、世界に公開できるだけのレベルに達しているかどうか確かめたくなりました。

そこで、音楽制作に関するチュートリアルを YouTube で公開しているバニティという男性に、この楽曲を送りました。彼が私の楽曲に対して個別にくれたアドバイスを基に、私はプロジェクトを改善しました。楽曲を修正して、その YouTube を Paper ドキュメントに埋め込み、横にコメント機能で自分のメモを追加しました。そしてその Paper ドキュメントを再び彼に送り、「あなたのアドバイスをすべて反映できていますか」と尋ねました。そのコメントに対し、彼はすばらしい出来だと返信をくれ、さらにいくつか修正まで加えてくれました。

6. スケジュールどおり進めるための To-Do リスト

どの楽曲をとってみても、制作開始から完成までにトラックは何百回もやり取りされます。進捗状況の管理に役立てるために多くのチェックリストを使用し、変更の反映漏れがないようにしています。このスクリーンショットでは、初期バージョンから最終バージョンまでの変遷と、タイトルだけでどれほど多くのやり取りがあったかを実際に確認できます。

7. アルバム アートの制作依頼

複数回のやり取りといえば、アルバムに使用するアートワークの最終案を選択するまでに検討したすべてのバージョンをご紹介します。



今回ご紹介したこれらの方法が、皆さんの次のレコーディング プロジェクトをスムーズに進めるのに役立つと幸いです。Dropbox Paperについてはこちら をチェックしてください。

本記事の著者はニール・セティで、彼は、Dropbox Paper のプロダクト マネジャーであり、バンド AIR APPARENT の創設者です。