Dropbox Japan では、本年 2月 18日以降、全社で在宅勤務体制となっています。社員がスムーズに在宅勤務体制に移行できたのは、普段からすでにその仕組みが整っていたのが理由です。では、この日以降入社する中途採用者を完全リモートワーク化するために、どのような手配をしたのでしょうか。中途採用社員の受け入れ担当者に教わりました。
目次
1. 事前準備
1-1. アクションリストの作成
今までオフィスで行っていた作業を「Dropbox Paper」上に書き出し、洗い出してみました。とくに、今までオンサイトで行っていた業務について、実際に在宅勤務で実施するためにはどうすればいいか、検討をしました。
1-2. 原本が必要な書類の事前郵送
原本が必要な書類が「扶養控除申告書」や「特別徴収の異動届」等です。このような原本を要する書類は事前に記入・郵送していただくよう手配しました。なお、会社貸与のパソコンや携帯電話についても、入社予定者のバックグランドチェック(身元確認)を行った後、書類とともに事前郵送しています。これにより、初日から仕事環境を整えることが可能となります。
1-3. コピーで必要な書類の提出依頼
一方、弊社独自の入社フォーム、年金手帳や雇用保険被保険者証等といった、コピーでの提出でも構わない書類については、オンラインでの事前提出をお願いするようにしました。この時利用するのが、Dropbox の「ファイルリクエスト」機能です。
ファイル リクエストは、サイズ制限なしにどのユーザーからでもファイルの収集ができる機能です。Dropbox アカウントを所有していない相手にもファイルのアップロードをリクエストできます。収集したファイルは 1 つの Dropbox フォルダに自動的に整理されるため、入社人数が多い時期でも、添付ファイル付きメールをいちいちダウンロードする手間が省けます。もちろん、他ユーザーはアップロードしたファイルを閲覧することはできないため、セキュリティ上も安心です。
2. 入社当日以降
業務を始めるにあたって、すぐに必要になるのがパソコンと携帯電話です。Dropbox Japan では、入社した方にはパソコンとスマートフォンを事前にお送りしています。入社当日に、IT チームと Zoom を利用したパソコン等のセットアップセッションを設定してあります。まずはご自身のパソコンやスマートフォンを利用してZoomをご利用いただき、会社支給デバイスの設定を完了させます。もし、このセッションが終わってからIT関連の問題が生じた場合は、社内用のマニュアルを参照したり、メール等で社内ITサポートに確認していただくことができます。その他、福利厚生関係の説明や提出書類の確認についても、入社日当日に実施しています。
リモート体制だからこそ、初日のスケジュールは詰め込みすぎないよう、また、入社後のスケジュールを早めに共有して安心していただくよう心掛けています。
入社日以降は、その方の役職や担当業務に応じてトレーニングが設定されています。こちらも、リモート参加のために工夫したプログラムで提供しています。
3. 完全リモート体制実施で学んだこと
一番ハードルが高いと感じたのは、他の機関と連携している各種資料提出の依頼やバックグラウンドチェックのプロセスだと感じています。入社日に間に合わせるためにも、提出資料のご案内は可能な限り早く行い、提出依頼から入社日まで 3 週間以上のリードタイムを設けるようにしています。
入社手続きの完全リモート実施を始めた当初は、保険証等の重要書類が会社宛てに届き、そこから社員に転送をかけるため、社員の手元に届くのが遅くなってしまっていました。こちらも、事後にベンダー様とプロセスを調整したため、現在はうまく回っています。
Dropbox では在宅勤務体制になって以降、毎週金曜日に ”Virtual Happy Friday” のような社員の交流機会を設けています。この中で新入社員の自己紹介の機会を設定したり、部署によっては全社員との個別ミーティングを設定しています。緊急事態宣言は解除されましたが、弊社は引き続き在宅勤務を続けています。よりスムーズな手続きを行うためにまだまだ模索は続きますが、在宅勤務環境下においても、新たに入社した社員がいちはやく会社になじんでいただけることを願っています。
なお、Dropbox Paper を人事部門で活用するためのヒントにご興味がある方は、こちらのリンクもご確認ください。