1 日のうちで最もひらめき脳が活性化する時間帯が、実は意外?!

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私たちは皆、「サーカディアン リズム」と呼ばれる体内時計に支配されています。目が冴えている時間帯や、まぶたが落ちてきそうな時間帯は、この体内時計によって決められています。夜型のフクロウが暗闇に鳴き声を響かせ、朝型のヒバリが午前中にたくさんの虫を補食するように、能力を最大限に発揮できるのは、その人のピークタイム中であると考えがちです。しかし、創造力について言えば、この考え方は大きく間違っているかもしれないのです。

<<目次>>

  1. 分析力、ひらめき力が活性化する時間を調査した実験
  2. とりとめのない思考でも解決方法を見つけられる
  3. ひらめき力を最大限に引き出せるよう 1 日の仕事時間を決める
  4. まずは、自分が本当に朝型か夜型かを確かめましょう

1. 分析力、ひらめき力が活性化する時間を調査した実験

1 日のうちの時間帯が問題解決に与える影響について行われた調査によると、多少の眠気があったほうがよりクリエイティブな解決方法を見つけやすいことがわかっています。ミシガン州のアルビオン大学で研究をしているマライケ・ウィース氏とローズ・ザック氏は、428 人の学生に朝型・夜型のアンケートを行ってそれぞれが「フクロウ(夜型)」なのか「ヒバリ(朝型)」なのかを判定しました。学生たちはその後、3 種類の分析問題と洞察問題(ひらめきが必要な問題)の解決に挑戦しました。

分析問題を解くのあたっては、論理的な解決方法に向けて地道で体系的なアプローチを採る必要がありました。たとえば、次のような問題です。

「ボブの父親の年齢は、ボブの年齢の 3 倍です。この親子は 2 人とも、10 月生まれです。4 年前、ボブの父親の年齢はボブの年齢の 4 倍でした。現時点でボブと父親は何歳ですか?」

洞察問題は、少しひねった内容でした。誤解や混乱を招きやすい問題で、正解にたどり着くにはひらめきが必要でした。たとえば、次のような問題です。

「古美術商のところに男がやってきて、昔のコインを買ってほしいと言いました。美しいブロンズ製のコインで、表には皇帝の顔があり、裏面には 544 B.C. とあります。古美術商はコインを手に取ってから調べ、そのまま警察に通報しました。なぜでしょうか?」*

被験者グループの半数は午前の 8:30~9:30 の間にこのテストを受け、残りの半数は午後 4:00~5:30 に取り組みました。分析問題では、どちらの時間帯の被験者も良い結果を出し、時間帯が結果に与える影響は見られませんでした。

しかし、洞察問題については興味深い結果となりました。朝型の人たちは午後にテストを受けた場合のほうが良い結果になり、夜型の人たちは朝にテストを受けた場合のほうが良い結果になりました。集計すると、疲れているときのほうが創造力のエネルギーが 20 % も増えるということがわかったのです。

2. とりとめのない思考でも解決方法を見つけられる

ウィース氏とザック氏は、洞察問題を解くには行き詰まりの打破が必要であるため、このような結果になると仮説を立てました。

つまり、問題に対する当初の理解を捨てて、別の角度から見る必要があると言うことです。犬に骨を与えたときのように、人の脳は「オン」の時に非常に優れた働きをします。周囲の余計な情報をシャットアウトし、目の前のことに集中して取り組むことができるのです。しかしその集中は、重要なことの見落としにもつながります。そのため、正解にたどり着けたであろう別の視点に気がつかないということが起きるのです。

疲れているときには、こうしたフィルターにたくさんの穴が開いていて、「今 Twitter のトレンドは何だろうか?」とか「今朝のミーティングはもっと機転を利かせるべきだったな」といった考え事が頭の中を自由に飛び交います。ウィース氏は雑誌「The Atlantic」に次のように話しています。

「頭の中を漂うこうしたランダムな考えが、メインの思考に結びつくことでクリエイティブな発想が生まれると考えられます。ピークタイム中には、こうしたランダムな考えは浮かばないのです。」

他の研究者も同様の結果を導き出しています。ある心理学研究で、参加者に「ship」(船)、「outer」(外)、「crawl」(はって進む)などの 3 つの単語を提示して、そこに共通する要素について尋ねました(答えは、「space」(宇宙または空間)です)。ピークタイム以外に取り組んだ参加者にヒントとなる単語を追加で示すと、高い正答率を見せました(ship には rocket(ロケット)、outer には atmosphere(雰囲気)、crawl には attic(屋根裏) という単語をヒントとしました)。一方、ピークタイム中に取り組んだ参加者は、こうしたヒントから正解を導き出せませんでした。あまりに集中しすぎているので、有用な情報すらブロックしてしまうのです。

3. ひらめき力を最大限に引き出せるよう 1 日の仕事時間を決める

時間管理の専門家は今でも多くが、頭が一番フレッシュな朝に一番大事な仕事をするように勧めています。そのアプローチは有効であるものの、まずはそのプロジェクトに必要な思考のタイプについて考えてみるのがよいかもしれません。思考には、集中的思考と分散的思考があります。朝型人間が来四半期の予算を組む必要があれば、朝一番に取りかかるべきでしょう。逆に新しい広告キャンペーンにあっと驚くようなコンセプトをひねり出す必要があれば、頭の中に霧が差し始める夕方頃まで取りかからずに残しておくと良いでしょう。

集中を妨げる要素や疲労も創造力を発揮する上での助けになるとすれば、まったく新しい解決方法を探しているときにコーヒーを飲むのは避けたほうが賢明かもしれません。誰かがあなたのところへやってきて、「散らかったデスクを片付けたらどうか?」と言われたら、「雑然とした視界から創造力のエネルギーを浴びているのです」と説明してみてください。

4. まずは、自分が本当に朝型か夜型かを確かめましょう

自分の眠りのサイクルを考えれば、ほとんどの人は自分が朝型か夜型かが直感的にわかるでしょう。しかし、性格や実際のライフスタイル次第では、本当は朝型の人たちが夜型だと勘違いしてしまうケースもあります。自分が本当に朝型か夜型かを確認するための有効な方法として、時間生物学の教授で「Internal Time(邦題:なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?)」の著者であるティル・ローエンバーグ氏は、カーテンを開けて寝ることを勧めています。朝の光が部屋に差し込んできたときに目覚めれば、あなたは夜型人間ではありません。本当の夜型人間なら、光を気にせず眠り続けるはずです。自然な睡眠サイクルを見つけるオンライン テストはたくさんありますので、試してみるのはいかがでしょうか。

誰でも朝一番に難しい仕事に集中して取りかかれるとは限りません。日が落ちると思考がまとまりづらくなる人もいます。

しかしそんな時こそ、疲労が集中を和らげて、画期的な解決方法を生み出しやすくなるのです。自分のサーカディアン リズムを理解することで、創造力を必要とするプロジェクトを適切な時間帯に取り組めるようになり、漂う自由な思考の力を解き放つことができるのです。

*ピークタイム中にこの問題を読んだ方へ。紀元前に作られたコインに B.C. という刻印はあり得ません。B.C. という時代区分は、紀元後に作られたものだからです。

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