バーチャル ファースト ツールキット:時間を管理するには

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私たちの働き方は、途方もないスピードで変化しつつあります。いつ、どこで、どのように仕事をするか。そのことに関するこれまでの習慣や想定は、まったく当てにならなくなりました。これは、目もくらむような大きな変化です。Dropbox は今、バーチャル ファースト企業への転換に取り組んでいます。バーチャル ファーストとは、基本的にはテレワークで働きつつ、チーム コラボレーションの際には対面で集まる(安全性が確認された後に)という働き方の変革を意味します。。これは、Dropbox にとっても新たな試みです。私たちは、バーチャル ファーストを実践するための試行錯誤を今も続けていますが、今回、これまでの経験から得たいくつかの原則を整理し、バーチャル ファーストな働き方に適応するためのリソースとしてまとめました。それが、このバーチャル ファースト ツールキットです。私たちは今後も、さらに実践と試行錯誤を重ね、その結果得られた知見を新たなコンテンツとして追加していきます。本稿では、バーチャル ファーストな働き方の中で時間を管理する方法を紹介しています。バーチャル ファースト ツールキットのその他の記事は、以下のリンクからご覧いただけます。

 

WHO では、職場でのストレスを 21 世紀の伝染病と表現しました。その要因の 1 つが、テクノロジーによって昼夜を問わず仕事と「つながってしまう」状態です。複数のタイムゾーンにわたって誰もが柔軟に働くようになり、常に Slack をチェックしたくなる気持ちはますます大きくなります。このような時代だからこそ、自分自身の時間をどのように管理すべきか、しっかりと考える必要があるでしょう。
今回は、仕事に自分をコントロールされるのではなく、自分が仕事をコントロールする方法について考えてみたいと思います。

目次

  1. 異なるタイムゾーンで働いていても集中できる仕組みを作る
  2. 自分のベストタイムを見つける
  3. 目標を明確にする
  4. 勤務時間をデザインする

1. 異なるタイムゾーンで働いていても集中できる
仕組みを作る

今のところ、ほとんどのチーム メンバーが 1 か所で働いているかもしれません。しかし、メンバーは近いうちに場所もタイムゾーンもばらばらになるでしょう。
こうなると、課題が生まれます。業務終了後の時間に行うミーティングを最小限に抑えて、遠く離れた場所で働くチーム メンバーと共同作業をする方法はあるのでしょうか。バーチャル ファーストの中でワークライフ バランスを維持するためには、共同作業ができる共通の時間帯を確保する必要があります。

同時にオンラインになる時間帯を作る

短時間で同時に共同作業をするバーストは、バーチャル チームの場合は特にインスピレーションを与え合い、生産性を高めるという研究結果が出ています。
毎日、一定の時間を全員がオンラインで集まる共同作業タイムを作るとよいでしょう。
Dropbox では、各地域で 4 時間単位の共同作業ブロックを設定し、社員にはそのブロック以外の時間帯で自身の仕事のスケジュールを組むよう推奨しています。
ただし、タイムゾーンの異なる人々とミーティングするために、必要に応じて妥協し合うこともお願いしています。さまざまな地域で働くチームを抱えた企業では、次のような方法で仕事を進めることになるでしょう。

共同作業
時間帯

共同作業タイムといっても、毎日 4 時間も連続で Zoom 会議をするわけではありません。ただ、この時間は同期型のコミュニケーションに応えられるようにしておくということです。つまり、チーム メンバーからの問い合わせに応じ、アイデアについて話し合い、同時に何かを作り上げるような作業です(誤解のないよう付け加えておくと、1 日の勤務時間が 4 時間になる、ということでもありません)。

非連続型の勤務時間

毎日 4 時間を同期型コミュニケーションに対応できるようにすることの良い点は、残りを非同期の 4 時間にして集中できることです。共同作業タイム以外は、自分の働き方に合った非連続型のスケジュールにしてみましょう。一般的な 9~5 時のようなスケジュールにならなくても、まったくかまいません。成果を上げて効果的なコラボレーションを行うことができれば、チームも喜んで賛成してくれるでしょう。以下に、非連続型スケジュールのサンプルを紹介します。

非連続型スケジュール

仲間を尊重した柔軟性

より分散型の働き方に移行するに当たって、個人としての優先事項や非連続型スケジュールをチーム メンバーのニーズと両立させる必要があります。そのためには、一定の柔軟性と一緒に働いている全員からの適切な判断が必要になります。たとえば、以下のような点です。

  • ミーティングの時間を決める際には、同僚の共同作業タイムをできる限り尊重する。
  • 全員参加のミーティングといった全社的なイベントが、共同作業時間の少し前や後にある場合、無理なく仕事ができるよう始業を遅らせる、または終業を早める。

2. 自分のベストタイムを見つける

ある人にとって力を発揮しやすい働き方が、別の人にとっては疲れるだけということがあります。自分に合った働き方を理解することは、時間を効率よく使えるようになるうえで大切な最初の一歩です。自分にとってベストな働き方を見つけるには、次のポイントについて考えてみてください。

自分の生産性が最も高くなる(または最も低くなる)
時間帯を知る

たとえば、午前のほうが活力を感じるというのであれば、深い考察や意思決定、交渉をその時間帯に予定するのがよいでしょう。午後 2~4 時ごろに気力が落ちてしまうと感じる場合は、この時間帯に休憩を挟むか、受信ボックスの整理といった機械的な作業を行うとよいでしょう。

自分のベストタイム

自分に合った働き方を知る

プロジェクトの隅々までを管理したがる根っからの管理者タイプの人もいます。一方、全員に大局的な視野を持たせるのが得意な戦略家タイプの人もいるでしょう。生産性を測るワークシートを使って自身のスタイルについて考察し、そこで得られたことを「私との働き方」 ドキュメントで周知してみましょう。

個人の働き方とコミットメントのバランスを取る方法

朝の 8 時に共同作業が設定されていても、9 時半にならないと頭が回らないというのであれば、共同作業を共有のクラウド ドキュメントに移してもらうようチームに頼んでみるのもよいでしょう。金曜日に重要なミーティングが設定されていても、それまでに Zoom 疲れがたまっているのであれば、カメラをオフにしてみてください。

3. 目標を明確にする

単にあくせくするのではなく成果を出したいのであれば、どのような成果を目指しているのかを明確にするとよいでしょう。自分に合った働き方がわかったら、進むべき目標を立てることができます。

まずはチームの目標から

チームが掲げた今年の目標は何でしょうか。組織内で、あなたの職位や役割に期待されていることは何でしょうか。会社のミッションと自分自身の優先事項とのバランスを取るためには、まず大きな視点から考えをスタートさせましょう。

リストをブレインストーミングで書き出す

自分の役割に期待されていることとチームの目標を基にして、自分自身が注力すべき最も大事なことは何かを考えましょう。年末までにどんなことを達成する必要がありますか?書き出した後に、まずは 5~7 個の有力候補を選びましょう。

目標を「SMART」にする

良い目標とは、SMART な目標です。SMART な目標とはつまり、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Attainable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)の各要素をそなえた目標です。たとえば、「体を鍛える」という目標を立てるより「週に 5 日、30 分のウォーキングをする」としたほうがよいでしょう。「体を鍛える」というのは、具体性に欠けていて方法についてもはっきりしていません。目標について精査していく際には、どれが最も SMART なのかに注意してください。

レビューと承認

目標をしっかりと定めたら、上司と話し合いを行って、チームの優先事項と調整をしてもらいましょう。集中して取り組むという点で、目標は少ないほうが効果的です。目標のリストを最終決定する際には、5 つ以下に絞り込むことをおすすめします。

脱線せずに進める

目標に向かって着実に進むため、定期的に行っている上司との 1 対 1 のミーティングの際に、毎月の状況報告や相談を事前に予定しておくとよいでしょう。自分で進捗をチェックしたいという場合は、カレンダーにリマインダーを設定しておくのも効果的です。

4. 勤務時間をデザインする

職場という言葉に地理的な制約がなくなった今、勤務時間という言葉もまた、固定的な枠組みがなくなり各個人が働けるベストな時間という意味になっています。仕事で成果を上げつつも、自分のスタイルに合ったスケジュールを作る方法を以下に紹介します。

タスクに優先順位を付ける

To-do が山ほどある状態では、受信箱で最初に見つけた重要度が「高」のメールから着手したくなるかもしれません。しかし取りかかる前に、一歩引いた視点で考えてみましょう。長期的に見て最も高い価値を生み出すのは、どのタスクでしょうか。反対に、長期的な価値を生み出さないタスクはどれでしょうか。妥当な緊急性があるものと、そうでないものはどれでしょうか。次のようなフレームワークを使うのが有効です。

タスク表

カレンダーを精査する

平均的な週のカレンダーを見てみましょう。最も時間を使っているのは何でしょうか。割り込みが入りやすい時間や、よく休憩を取る時間はいつでしょうか。事前に予定していた時間と、予定外に対応した時間はどれくらいありましたか。自分のスタイルや目標を踏まえて、なくしたほうがよいもの、スケジュールを変更したほうがよいものは何ですか。

スケジュールを練る

ここまでで、何に集中すべきかがわかりました(つまり、集中しなくてよいものも明らかになりました)。次は、1 週間のスケジュールを作成しましょう。カレンダーを見ながら、以下のようにスケジュールを作ってみてください。

  1. 重要かつ深い集中が必要な作業のために、時間を確保します。
  2. 共同作業が必要な重要なプロジェクトのミーティングの予定を決めます(共同作業タイムに気をつけてください)。
  3. 競合するスケジュールがあれば調整します。
  4. ランチ、休憩の時間を確保します。人によっては、セルフケア(瞑想やヨガ)の時間を用意してもよいでしょう。

1週間のスケジュール

作成した計画を伝える

スケジュールを決めたら、リーダーや同僚に伝えて事前の理解を得ましょう。単に、「私が空いているのはこの時間で、オフラインになるのはこの時間です」と伝えるだけでかまいません。カレンダーやチャットの設定を次のように変えることも検討してください。

  • 仕事時間中は、外出中であることを知らせるリマインダーを設定して新規のミーティングを断る。
  • 自分のタイムゾーン内で作業時間を確保する。
  • 自分でもっとスケジュールを管理したい場合や、自分の仕事時間に他のメンバーが予定を入れてくることが多い場合は、カレンダーを非公開にする。
  • 業務時間中は「取り込み中」モードにする。