分散型ワークを強力に後押しする Dropbox Spaces

  • 0
  • 0
  • 0
  • 0

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する前、多くの人は毎日の通勤ラッシュに大きなストレスを感じていました。しかし私たちは今、そのストレスの代わりに、先の見えない不安定な状況に直面しています。不穏なニュースがあふれる中、人々はこれまでとはまったく違う働き方、つまりチームのメンバーと離れ、1 人自宅で仕事をする方法を身に付けるのに苦労しています。

過去にテレワークを経験したことがある人は、時折自宅で仕事をすることに心地よさを感じていたかもしれません。しかし、チームのメンバー全員がいつ終わるとも知れず在宅勤務を強いられる現状は、それとは異なる体験です。

451 Research で研究主任を務めるクリス・マーシュ氏には先日、リモート ワークと分散型ワークの決定的な違いについて説明してもらいました。同氏によると、今回新たに分散型ワークを導入した企業は、チャットやビデオ会議以外に仕事を管理する仕組みがないため、こうしたリアルタイム コミュニケーションに依存する傾向があるそうです。

今回のパンデミックによって人々の生活が一変し、仕事のあり方が急激に変化する前でも、私たちは、メールやチャット、近況報告ツール、クラウド ドキュメント、各種ファイルを行き来するのに多くの時間と手間を費やしており、物事の全容を把握するのに苦労していました。ツール内でも、できることといえば数人のチーム メンバーとやり取りした内容を時系列で確認する程度です。

その結果、情報がツール単位で完全に孤立化するという問題が生じます。情報の結び付きが失われていると、仕事のネットワークや組織のプロジェクトの背景情報を把握することが困難になります。しかもこの問題は、現在の分散型ワーク環境において深刻化する一方です。Dropbox が現在開発に取り組んでいるスマート ワークスペースは、この問題の解決を目的の 1 つとしています。

テレワークがもたらす仕事場の分散とつながりの希薄化への適応に世界中が取り組む中、コミュニケーションとコラボレーションに関してはさらに大きな課題が浮上しています。そこでこの記事では、分散したチームが Dropbox Spaces(スペース)を活用して背景情報の把握と状況の可視化を図り、混乱を軽減して秩序を取り戻す方法をご紹介します。

目次

  1. すべてを 1 か所にまとめて整理
  2. コンテンツと背景情報を 1 か所に
  3. 時間を有効に活用
  4. 精神的な負担を減らす

1. すべてを 1 か所にまとめて整理

ファイルやフォルダ、ドキュメントが複数のアプリに分散していると、必要なものがどこにあるのかわからなくなりがちです。特に今日では、ドキュメントやメモは増える一方であり、目的の情報をすぐに見つけるのは簡単ではありません。

このようなコンテンツが、同時系のツールと非同時系のツールに混在している場合、状況はさらに複雑になります。ファイル名、あるいはファイルの内容は覚えていても、それをメールで送ったのか、Slack のメッセージで送ったのか、それとも Zoom のチャット リンクで送ったのかを覚えていなければ、すべてのツールで同じ検索を繰り返さなければなりません。1 つのファイルを探し出すためだけに、孤立した各ツールを行ったり来たりすることになります。

Dropbox Spaces を使うと、ファイル形式の異なる多様なコンテンツをすべて 1 か所に保存できます。つまり、1 つのシステムですべての作業ファイルを管理できるということです。たとえば、PDF ファイルや Photoshop のファイルを、Google ドキュメントや Figma などのクラウド ファイルと同じ場所に保存できます。Dropbox Spaces では、ローカル ファイルもクラウド ファイルも同じように扱われるので、すべて同じ場所からアクセス可能です。このため、システムを 1 つに集約でき、いくつも使い分ける必要がありません。また複数のファイル形式をまとめて検索できるため、必要なファイルがすぐに見つかります。

トレイには、最近使用したドキュメントに加え、近々予定されているミーティングで必要になりそうなコンテンツがおすすめとして表示されます。これらの機能も、すべて同じ場所で使用できます。

2. コンテンツと背景情報を 1 か所に

仕事用のコミュニケーション ツールとして、チャットやメール、ビデオ会議を個別に利用している場合、背景情報の喪失という問題が生じます。プロジェクトの目的や進捗に関するフィードバックが実際の作業から切り離され、混乱や誤解、調整ミスが発生してしまうのです。

仕事の進め方は人によってさまざまです。検索が簡単という理由でメールでのやり取りを好む人もいれば、すばやいレスポンスが得られる Slack のチャットを好む人もいます。しかし、チームの人数が多くなると、その分だけチェックが必要なコミュニケーション ツールが多くなり、プロジェクトについての大量の会話を整理する手間が増えることになります。

Dropbox なら、プロジェクトに関するすべての情報を 1 つの Space に集約できます。プロジェクトについての会話は、個々のコミュニケーション ツール単位ではなく、背景情報を把握した中で行うことが可能です。プロジェクトの概要とタイムラインをコンテンツと同じ場所に表示できるので、プロジェクトの範囲や優先すべきタスクを明確に把握できます。

これが、Dropbox Spaces の背後にあるコンセプトです。人とコンテンツを同じ場所で結び付けることで、プロジェクトに関する情報をプロジェクト メンバーに確実に把握してもらい、プロジェクトの成功に必要な背景情報を全員に理解してもらうことができます。

プロジェクトの戦略や成果物の期限を Space にまとめておくと、チーム メンバーへのタスクの割り当て、進捗状況の把握、コンテンツに対するコメントの確認といった作業が簡単にできるようになります。しかも、そのすべてを 1 か所で済ませられるのです。

3. 時間を有効に活用

チーム メンバーが分散して仕事をしている場合は、通知が膨大な量になりがちです。特に、仕事に不可欠なツールとしてチャットなどのリアルタイム ツールを利用していると、絶え間なく通知を受け取ることになります。そして多くの人は、相手に失礼な印象を与えないよう、できるだけ早く返事しようとするでしょう。その結果、優先すべき作業に集中することが難しくなります。

この問題は、チーム全体の生産性を低下させ、作業の進捗を遅らせます。Zoom でのミーティング中、Slack の通知をオフにするのを忘れてしまったという経験はないでしょうか?ミーティングの途中に通知音が鳴ったら、たいていの人は反射的に通知領域に目を向けてしまうはずです。メッセージを確認すると赤いマークは消えてしまうので、Zoom のミーティングに意識を戻した後、おそらく Slack のメッセージのことはすっかり忘れてしまうでしょう。そして 2 日後、チーム メンバーから「メッセージの返事をまだ受け取っていない」と告げられるのです。このような問題がチーム メンバー全員との間で生じたら、回答待ちの渋滞がチームのあちこちで発生することになります。

Dropbox は、仕事についての会話ではなく、仕事そのものを中心にして作業できるように設計されています。コメントへの返事は、自分の都合がよいとき、準備ができたときに返すことができます。このためチームの誰もが、次のミーティングの予定を慌ててカレンダーに書き込むのではなく、落ち着いて仕事を進め、自分の考えをまとめることができます。

ダニエル・カーネマン氏が自著「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?」で述べているように、多くの人は、リアルタイムの会話を通じてではなく、ゆっくり時間をかけて熟考したときにこそ、最もよい結論を導き出すことができます。コンテンツにコメントするときも、プロジェクトの背景情報を把握できていれば、それを理解するための会話やミーティングは不要となり、その分の時間を節約できます。これは、仕事の時間をより効果的に、より有効に使うことにつながります。

4. 精神的な負担を減らす

チームが分散型ワークに移行したとき、ほとんどのメンバーは大型モニターをオフィスに残し、ノートパソコンだけを自宅に持ち帰りました。しかし、もしこのとき、テレワークが新たな日常になるかもしれないとわかっていたら、妥協してこのような決断を下すことはなかったでしょう。以降、私たちは数週間にわたってテレワークを続けていますが、13 インチのディスプレイでアプリを切り替える必要が生じるたびに精神的な負担を感じるようになっています。

コンテンツ制作用のアプリとコミュニケーション用のアプリを行き来するのが面倒なのはすでにわかっていたことですが、画面が小さくなるとその苦痛がさらに大きくなります。しかしこれは、すべてのツールを 1 か所に集約することで軽減できます。Dropbox Spaces では、Slack、Zoom、Google Cloud、Microsoft、Salesforce、Adobe、HelloSign など、業務に使っているさまざまなツールを 1 つのワークスペースにまとめることができます。これにより、いくつものウィンドウを切り替えるのではなく、多くの作業を 1 か所で済ませることが可能になります。

Dropbox Spaces は、次の 4 つの方法で精神的な負担を減らすことができます。

  • 次に予定されている Zoom ミーティングにファイルを添付し、ファイルの準備を事前に完了
  • ドキュメントから直接 Slack を開始して意見交換
  • Trello ボードにファイルを添付
  • HelloSign を使用して契約書やドキュメントを送信し、署名を依頼

新型コロナウイルス感染症の流行が終息しても、私たちの働き方は、さらに流動的で柔軟なものへと変わっていくことになるでしょう。そして、複数のデバイスを使い複数のチャネルで仕事をする人が多くなればなるほど、チーム全員の意識を統一するために、統合型ワークスペースの存在が重要になっていくはずです。

詳細については Dropbox Spaces の紹介記事を、また概要についてはヘルプセンターの記事をご覧ください。